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名駅舎コレクション PART1
国の重文に指定された寺社建築の傑作駅舎

旧大社駅 きゅうたいしゃえき[旧大社線/島根県出雲市]

 旧大社線・大社駅は、寺社建築の様式を用いた駅舎として大正13年(1924)2月28日に竣工しました。設計者の曽田甚蔵は、中央本線の高尾駅も手がけた技術者です。

 旧大社線は、出雲大社への参詣客の輸送を目的として、明治45年(1912)に出雲今市(現在の出雲市)〜大社間に敷かれた7.5kmの支線でした。最盛期には東京、大阪、名古屋から急行列車が直接乗り入れるなど、大いに賑わいましたが、乗客の減少から平成2年4月1日に廃止の運命を迎えました。

 平屋建てとは思えない高い天井。屋根には凍結に強いとされている石州瓦が葺かれ、中央部分には千鳥破風、その両端には鴟尾(しび)が載せられるなど、建築素材から装飾に至るまで大変に凝った造りになっています。路線廃止後も大切に保存され、平成16年には国の重要文化財に指定されました。

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住所

島根県出雲市大社町北荒木441-3

開業年月日

明治45年(1912)6月1日

アクセス

出雲市駅から出雲大社・日御碕方面行きバスで約30 分の吉兆館前下車、徒歩5分

営業時間

9:00〜17:00(4〜10月は〜16:00)

休み

無休 *旧事務室を使用した喫茶店は土・日曜営業

料金

入館無料

寺社建築を用いた駅舎の傑作と評される旧大社駅は、国の重要文化財に指定

参拝者の絶えない出雲大社。平成25年には平成の大遷宮が行なわれる

昭和モダンが色濃く薫るこんぴらさんの玄関口

琴平駅 ことひらえき[土讃線/香川県琴平町]

 琴平駅は、「こんぴらさん」の愛称で親しまれる「金刀比羅宮」の玄関口です。木材の柱をそのまま外部に出した、「木骨様式」とも呼ばれるハーフティンバーの外壁や、三角屋根を乗せたファサード(正面外観)に配された洒落た半月形の窓など、全体的に洋風にまとめ上げられています。この駅舎が竣工したのは昭和11年。建物の端々に昭和モダンの薫りが残されています。

 細部を見ると、ホームの屋根や駅舎正面の軒下など、随所にこんぴらさんを意味する「まるこん」のマークが装飾されていることに気が付きます。ホームには帆掛け船を模した水飲み場も設置されています。

 ファサードに大きく据えられた、電飾の入った駅名看板が独特な雰囲気を醸し出し、琴平駅をより印象深いものにしています。

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住所

香川県仲多度郡琴平町榎井

開業年月日

明治22年(1889)5月23日

和の面影を残しながらも洋風にまとめ上げられた琴平駅舎。大きな駅名看板が印象的

ホームの水飲み場は帆掛け船を模した凝ったデザインで駅舎とともに一見の価値がある

木や漆喰が時代を語る駅弁も人気の“百年駅舎”

嘉例川駅 かれいがわえき[肥薩線/鹿児島県霧島市]

 嘉例川駅舎の竣工は、明治36年(1903)1月15日ですから、今年めでたく106歳を迎える国内でも有数の長寿駅舎です。

 かつては鹿児島本線の一部だった肥薩線ですが、隼人〜大隅横川間の路線は、いち早く明治36年に開通しました。嘉例川駅舎は鉄道開通と同時に建てられ、ほぼそのままの姿で今日を迎えています。駅舎外観は歳月を重ねた木材に覆われ、室内に入れば木製のベンチや漆喰の壁が時代を語りかけてくれるようです。たたずんでいるだけで心に響く駅舎、それが嘉例川駅です。平成18年には国の登録有形文化財に指定されました。

 駅は無人ですが、運が良ければ名誉駅長の福本平(ふくもとたいら)さんが案内してくれます。また、土・日曜限定販売の駅弁「百年の旅物語かれい川」(1050円)が人気を呼んでいます。

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住所

鹿児島県霧島市隼人町嘉例川

開業年月日

明治36年(1903)1月15日

戦災や昭和30年に発生した周辺の大火からも免れ、106年の歳月を刻む名駅舎

平成19年の駅弁ランキングで1位を獲得した嘉例川駅の人気駅弁「百年の旅物語かれい川」

写真協力:米屋浩二/静岡県観光協会/JR九州
※掲載されているデータは平成21年1月現在のものです。

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