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現地でカンパイ! これぞ飲むべき 全国 美酒の旅|栃木県宇都宮市「宇都宮カクテルカーニバル」Vol.12日本屈指のバーテンダーが
集まるカクテルの街・宇都宮

カクテルの街・宇都宮を牽(けん)引するオーセンティック・バー「パイプのけむり 池上町本店」。厳しい修行に耐えた数々のバーテンダーがここから巣立ち、宇都宮市ほか、各地に店を構える。

ベースとなる酒に、果汁と氷を加えてシェーカーを振る。素材のバランス、氷の溶け具合、シェーカーの振り方など、バーデンダーは簡単なようでいて、一挙一動に細やかな気遣いと知識が必要とされる。

地元産の果実や野菜を用いた「宇都宮カクテル」は、『宇都宮カクテル倶楽部』が提供したレシピを元に、地元酒類卸売業「横倉本店」が開発。全12種。150ml 515円~。ギフトセットもあり。

2008年から始まった「宇都宮カクテルカーニバル」。宇都宮カクテル倶楽部に加盟するバーが出店し、店舗ごとにイチオシのカクテルを提供。次々と繰り広げられるステージアクトも必見だ。

イベント会場や市内に点在するバーをまわるなら、市内循環バス「きぶな」が便利。JR宇都宮駅を中心に、西口の公共施設や主要商業施設をめぐる。運賃は1回乗車150円均一。

確かな腕と心、地元の果実を盛り込んだ色とりどりの極上カクテル

 宇都宮といえば餃子として有名だが、じつはカクテルの街でもある。というのも、バーテンダーの技能を競う全国大会で、数多くの優勝者を輩出しているのだ。一流のバーテンダーが、なぜ宇都宮に多く集まっているのだろう。

 その歴史は、1軒のバーから始まったという。それは、1974年創業の「パイプのけむり」だ。店を開いた大塚徹さんは、かつて東京で働いていたときにカクテルに魅せられ、バーテンダーの道へ進んだ。1977年、バーデンダーの技能を競う全国大会で優勝を果たすと、翌年には、世界大会で銀メダルに輝いた。そしてそこから、後進の指導に力を注ぐようになったという。
 厳しい修行を乗り越えた弟子たちは、大塚さんの背中を追うように次々と快挙を成し遂げ、1987年から4年連続で全国大会優勝の偉業を果たした。宇都宮が「カクテル王国」「カクテルの街」と呼ばれるようになった瞬間だ。

 さらに1999年には、お店の垣根を超えて『宇都宮カクテル倶楽部』が創設された。宇都宮のバー文化を発展させたいと願う、バー店主有志が立ち上げたもので、加盟店は現在、32店舗。彼らは「カクテルの街・宇都宮」を広めるため、さまざまな企画や商品開発を進めている。

 まず企画したのが、宇都宮オリジナルのご当地カクテルだ。2009年からは毎年、栃木産とちおとめを用いた「とちおとめカクテル」を考案。また地元産の果実や野菜を用いて、地元酒類卸売業者と開発した本格カクテル「宇都宮カクテル」も開発。こちらは手みやげにもうってつけと、人気を呼んでいる。 

バーを飛び出しバーテンダーが集結する

 『宇都宮カクテル倶楽部』が宇都宮観光コンベンション協会と市の協力を得て、毎年5月に催しているのが「宇都宮カクテルカーニバル」だ。中心街に位置するアーケード型商店街にあるオリオンスクエアに、市内バーテンダーが集結。ステージには、シェイカーなどを用いて曲芸的なパフォーマンスを魅せるフレアバーテンダーが登場するほか、ダンスやバンド演奏なども繰り広げられる。

 出展ブースには、各店ごとに趣向をこらしたカクテルが販売される。すべて1コイン(チケット制、1枚500円)なうえ、ノンアルコールも用意されているので、お酒に弱い人でもカクテルを楽しめる。カクテルに合う軽食の販売もあるのも嬉しい限り。
 普段は夜に営業のバーでしか出会えないバーテンダーと、青空の下、開放的な気分で語りあうのも愉しみ。世界レベルの味わいをぐるりと飲み歩きたい。

【宇都宮カクテルカーニバル 2015】
日時:2015年5月24日(日)12:00~18:00
場所:オリオンスクエア(宇都宮市江野町8-3)
問合せ:宇都宮観光コンベンション協会 TEL.028-632-2445

宇都宮カクテル倶楽部 加盟店で味わえる宇都宮オリジナルカクテル
マロニエリーフ(とちの葉)

ジンをベースに、青リンゴやメロンリキュールを加えた、フルーティーな香りが印象的。県庁から市役所に至るシンボルロードの並木道をイメージして考案された。

ビッグツリー(大いちょう)

宇都宮市役所前に雄々しく立つ、樹齢400年以上の大イチョウをイメージ。ブランデーベースにアプリコットリキュールを加え、どっしりとしながらも、爽やかな後味だ。

かまがわプロムナード(釜川)

町の中央を流れる釜川。その清らかさをブルーキュラソーで演出。ウォッカベースに、オレンジリキュールのコアントローを加え、甘くさっぱりとした味わいに仕立てた。

とちおとめカクテル

栃木産とちおとめを用いた2015年版のカクテルは、ムーンベリー(左)とノンアルコールのスターベリー(右)。イチゴのシーズンのみ味わえる季節限定カクテルだ。

宇都宮カクテルと楽しむ! 特選ご当地自慢
宇都宮餃子|餃子王国で名店の味を堪能すべし!

各店を食べ歩くのもいいが、まずは「来らっせ本店」をめざすべし。店には宇都宮餃子会に加盟する32店の味も日替わりで登場。酢だけ、店舗で異なる自家製ラー油の底に沈むジャリジャリ(砂)だけで味わう通もいる。餃子グッズも要チェック!

■来らっせ本店

餃子一皿:250~400円(店舗による)
住所:宇都宮市馬場通り2-3-12 MEGAドン・キホーテラパーク宇都宮店地下1階
時間:11:00~21:00(L.O.20:30)
休み:なし(一部施設を除く)
交通:JR東北本線宇都宮駅から市内循環バス「きぶな」で約15分の日野町通り下車、徒歩約3分
TEL.028-614-5388
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天開山 大谷寺(おおやじ)(大谷観音)|洞穴に建てられた古刹

古代の横穴式住居を利用して、凝灰岩の洞穴に建てられた珍しい寺は、弘法大師により810年に創建。洞窟内には、壁面に彫られた高さ4mもの千手観音のご本尊をはじめ、石仏が居並び、荘厳だ。すべて国指定の重要文化財。坂東三十三箇所第19番札所。

■天開山 大谷寺(大谷観音)

拝観料:大人300円、中学生100円、小学生70円
住所:宇都宮市大谷町1198
時間:8:30~17:00(10~3月は9:00~16:30)
休み:12月19~31日、1~3月の第2・第4木曜
交通:JR東北本線宇都宮駅から大谷立岩行き関東自動車バスで約30分の大谷観音前で下車、徒歩3分
TEL.028-652-0128
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取材・執筆:佐藤さゆり(teamまめ) イラスト=オギリマサホ
協力:宇都宮観光コンベンション協会、宇都宮餃子会、天開山大谷寺
※掲載されているデータは2015年4月現在のものです。
※イベント内容は変更される場合があります。事前にご確認のうえおでかけください。
※本事業は、酒蔵ツーリズム推進協議会に協力しております。本連載により生じる直接または間接の損害等については、酒蔵ツーリズム推進協議会(またはそのメンバー)では何ら責任を負うものではありません。


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