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景色に眼福 おなかも満腹!ご当地グルメ列車Part2|最近、全国で魅力的な観光列車が続々デビュー!なかでも、地元の名産など美味なる料理を車内で味わえる「グルメ列車」に注目。流れゆく車窓を楽しみながら、さて、どの列車で美酒、美食、美スイーツを味わいましょうか。

お座敷列車北三陸号 飯山線観光列車「おいこっと」 観光特急「しまかぜ」 JRKYUSHU SWEET TRAIN 或る列車

北限の海女スタイルでアテンダントさんが車窓案内や車内販売を行なう
三陸の海を望み、堀内駅のすぐそばを走行する「お座敷列車北三陸号」
左から、ほたて弁当、うにあわび弁当、うに丼(写真はイメージ)

オススメ観光pick-up

 高さ200mもの断崖が約8kmも続く北山崎。三陸鉄道田野畑駅から乗合観光タクシーで約20分の北山崎展望台からの眺望(写真)が抜群。田野畑駅から徒歩10分の羅賀(らが)漁港または駅からタクシー10分の机漁港から船出するサッパ船アドベンチャーズを楽しむのもいい。小型の漁船で遊覧するため、奇岩岩穴をくぐるので、臨場感満点。隣の鳥越駅から徒歩5分の鳥越港からは北山崎断崖クルーズ観光船も出航する。

三陸鉄道|岩手県/JR八戸線久慈駅・JR山田線宮古駅からアクセス|お座敷列車北三陸号

三陸の海の幸、ウニ・アワビ・イクラをお座敷で!

 放送は2年前の2013年だというのに、まだまだ懐かしく語るファンも多いNHK連続テレビ小説『あまちゃん』。ドラマにも登場したお座敷列車が、三陸鉄道北リアス線で今年も運転されている。通路より一段高くなった座敷席は掘りごたつ式で、座布団に座って4人で向かい合えば和気あいあい。

 前日の13時までに予約をすれば、駅でお弁当を受け取れる。うに丼のほか、うにあわび弁当はイクラ・カニの身・ウニ・アワビが並び、ほたて弁当はイクラ・サケのほぐし身・ホタテがたっぷりのっている。ウニもイクラもホタテも三陸の名物。楽しいお座敷列車のなかで、地元の名物に舌鼓を打つ時間は至福そのもの。車内では、アテンダントが久慈の“北限の海女”のスタイルで車窓案内を行うほか、グッズや飲み物、おつまみも販売する。

列車DATA

運転日●2015年8月22日~11月3日の土・日曜、祝日(11月1日を除く)
運転区間●久慈(12:13発)→宮古(13:54着)、宮古(15:05発)→久慈(16:46着)
料金●2350円(久慈~宮古間の片道運賃、お座敷列車指定券料金込)
弁当代●うに丼1700円、うにあわび弁当1600円、ほたて弁当1200円
問合せ●三陸鉄道 TEL.0193-62-8900
詳しくはコチラ

あわせて使いたいおトクなきっぷ情報

沿線4駅で停車するごとに飯山の郷土料理が運ばれる。写真は笹ずし
列車は民家の襖(ふすま)や障子をイメージ。“日本の故郷”を連想させる
唱歌『故郷』に登場するウサギも描かれている

オススメ観光pick-up


 JR飯山線「おいこっと」は長野から新潟の十日町までを運転。十日町の名物といえば、つなぎに布海苔を使ったへぎそば。観光案内所や町内そば店では、おトクに食べ歩きできる「へぎそば・生そば食べ歩き周遊チケット」を販売中。びゅう旅行商品ではこのチケットが付いた食べ歩きコースも。
 その他、沿線おすすめは、津南(つなん)駅からタクシー約15分の「日本名水百選」の龍ヶ窪。毎分約30トンもの地下水が湧く沼で、ブナやスギで覆われた佇まいは幻想的。

JR東日本|長野県・新潟県/JR飯山線 長野駅~十日町駅|飯山線観光列車「おいこっと」

観光列車「おいこっと」が「走る農家レストラン」に

 JR飯山線長野~十日町間を1日1往復する飯山線観光列車「おいこっと」は、古民家風の内装デザインで田舎のおばあちゃんの家に遊びにきたような懐かしさを醸し出す。野沢菜漬けのミニパックが配られたり、もんぺ姿のアテンダントさんが沿線案内や地元ゆかりの商品を車内販売したりと、温かいおもてなしを受けられる。地元の人による歌やオカリナの演奏や、下り列車の飯山駅停車時間には日本酒やおにぎりのお振る舞いもある。

 10月17日(土)・11月21日(土)には、びゅう旅行商品として「おいこっと」の車両で「走る農家レストラン」が運行される。新幹線や普通列車で長野駅に着いたら、いよいよ「走る農家レストラン」に乗車。替佐(かえさ)駅で前菜、飯山駅で小鉢、戸狩野沢(とがりのざわ)温泉駅で焼き物・揚げ物、西大滝駅でさらなる料理とデザートが提供される。飯山の食文化を伝えようと活動する「飯山食文化の会 菜の花」や割烹料理屋「つるのゆ」による料理は温かみにあふれ、なぜか懐かしい味わい。ツアー出発地は長野・上田・佐久平・松本・上諏訪駅から選べる。

列車DATA

飯山線観光列車「おいこっと」
10月以降の運転日●10~11月の土・日曜・祝日(10月17日、11月21・22日を除く)
運転区間●長野(9:15発)→十日町(11:46着)、十日町(15:30発)→長野(18:05着)
びゅう旅行商品 料金●たとえば「十日町へぎそば・生そば食べ歩き」コースの場合、長野駅から乗車でおとな1名4900円
※詳しくは「おいこっと」専用パンフレットをご覧ください。
問合せ●JR東日本 長野支社
詳しくはコチラ

走る農家レストラン
運転日●[秋コース]2015年10月17日(土)、[晩秋コース]2015年11月21日(土)
運転区間●[秋コース]長野(11:05頃発)→森宮野原(12:57頃着)→森宮野原(13:35頃発)→(上境駅からバスで移動)→飯山(17:21頃発)→長野(18:05頃着)
[晩秋コース]長野(11:05頃発)→森宮野原(12:57頃着)→森宮野原(13:35頃発)→(希望観光地により上境駅から徒歩または信濃平駅からバスで移動)→飯山(17:21頃発)→長野(18:05頃着)
料金●長野駅発着9000円、上田駅発着1万1000円、佐久平駅発着1万3000円、松本駅発着1万600円、上諏訪駅発着1万1400円
問合せ●びゅう予約センター TEL.026-227-6809
詳しくはコチラ

あわせて使いたいおトクなきっぷ情報

魚介類をトッピングした海の幸ピラフ1340円はミネラルウォーター付き
6枚のガラスを用いた多面体のフロントフェースは、シャープさと躍動感を表現
2階建てのカフェ車両にも上質な雰囲気が漂う(写真は2階)

オススメ観光pick-up

 伊勢神宮(JR参宮線伊勢市駅または近鉄宇治山田駅下車)や鳥羽水族館(JR参宮線または近鉄鳥羽駅下車)など、沿線には魅力的な観光スポットが豊富。プレミアムな列車旅を最大限満喫するなら終点・賢島(かしこじま)まで乗車しよう。賢島は真珠の養殖が盛んで、遊覧途中に真珠工場で真珠の核入れ作業を見学できる賢島エスパーニャクルーズは楽しさ格別。海辺や高台から望む多島美や夕日の光景は息をのむ美しさ。写真は近鉄鵜方(うがた)駅からタクシー5分の横山展望台

近畿日本鉄道|大阪府・京都府・奈良県・三重県・愛知県/東海道新幹線名古屋駅・京都駅、JR関西本線難波駅からアクセス|観光特急「しまかぜ」

伊勢志摩の美景を望むプレミアムなカフェ車両で舌鼓

 平成25年の伊勢神宮の式年遷宮にあわせてデビューした近畿日本鉄道「しまかぜ」はプレミアム感満載の観光特急。本革を使用したプレミアムシートはふんわりと柔らかく、シートピッチ(配置間隔)は私鉄最大の125cmを確保。グループ利用に便利な和風個室や洋風個室、サロン席などもある。先頭・最後尾の1・6号車は床を72cm高くしたハイデッカー構造の展望車両で、大きな窓からの眺望は臨場感たっぷり。

 2階建てのカフェ車両では、沿線の地産グルメを美しい車窓を眺めながら味わえる。一番人気は「海の幸ピラフ」。エビやアサリなど海の幸がのり、魚介類のダシが効いたピラフがとても美味。松阪牛カレーや、三重県または愛知県産のうな重も捨て難い。お手頃なところでは、三輪のにゅう麺に伊勢志摩のアオサと鳥羽の浦村カキのしぐれ煮をトッピングした「あおさとカキのにゅう麺」もいい。カフェのシートはもちろん窓側を向いて設置されている。流れゆく車窓や穏やかな伊勢湾の眺望もご馳走だ。

列車DATA

運転日●近鉄名古屋発着は木曜・大阪難波発着は火曜・京都発着は水曜を除く毎日運行
※春休み・ゴールデンウィーク・夏休み・年末年始などは運休日なしで運行
運転区間●近鉄名古屋(10:25発)→賢島(12:26着)、賢島(15:40発)→近鉄名古屋(17:47着、土・日曜・祝日は17:44着)、大阪難波(10:40発)→賢島(13:02着)、賢島(16:00発)→大阪難波(18:22着、土・日曜・祝日は18:21着)、京都(10:00発)→賢島(12:47着)、賢島(14:50発)→京都(17:38着)
料金●近鉄名古屋~賢島4610円、大阪難波~賢島4950円、京都~賢島5560円、(運賃・特急料金、しまかぜ特別車両料金込)
問合せ●近鉄旅客案内テレフォンセンター名古屋 TEL.052-561-1604、近鉄旅客案内テレフォンセンター大阪 TEL.06-6771-3105
詳しくはコチラ

豪華列車で、世界に名を轟かせるシェフ監修によるオリジナルスイーツを
金と黒に唐草模様があしらわれた「或る列車」。100年の時を越え蘇った
格天井やメープル材、花の文様の絨毯がクラシカルでロマンチック(写真は1号車)

オススメ観光pick-up

 「或る列車」の起点のひとつ、日田(ひた)は鵜飼が行われる水郷。日田温泉の旅館・ホテルの屋形船乗船プランを利用し、鵜飼観覧や夕闇が次第に濃くなる三隈川の遊覧を心ゆくまで楽しむのがいい。日中は日田鮎やな場(写真)で鮎のつかみ取りや鮎料理を味わいたい。日田温泉街の路地裏は古い町並みが残り情緒漂う。「ガイド付き三隈川と温泉街路地裏散策ツアー」への参加もおすすめ。

JR九州|大分県/JR日豊本線大分駅・JR久大本線日田駅からアクセス|JRKYUSHU SWEET TRAIN 或る列車

世界的シェフが厳選した九州食材スイーツを新D&S列車で

 九州に新たな魅惑のD&S(デザイン&ストーリー)列車がデビュー! 東京・南青山のレストラン「NARISAWA」のオーナーシェフ・成澤由浩氏がスイーツコースを演出する「或る列車」だ。コースはサンドウィッチやサラダなどの軽食とスープからスタートし、旬のフルーツをたっぷりと使ったスイーツ3品、ミニャルディーズ(お茶菓子)へと続く。素材は成澤氏が実際に九州各地の生産者を訪れ、五感で確かめたものも多い。器もすべて九州の職人たちにより特別に制作されたオリジナルだ。

 九州鉄道ブリル客車、通称「或る列車」は明治時代に九州鉄道がアメリカに発注し、到着したものの営業運転されることのなかった幻の客車。世界的に有名な鉄道模型の大家である故・原信太郎氏が制作し、横浜の「原鉄道模型博物館」に展示している模型を、水戸岡鋭治氏が実際の車両として再現した。

 幻の列車を再現したラグジュアリーな車内で、今まで体験したことのない、驚嘆の極上スイーツを味わえる。

列車DATA

運転日●2015年8月8日~10月12日の月・水・金・土・日曜を中心に運転
運転区間●JR久大本線 大分(9:46発)→日田(12:07着)、日田(14:48発)→大分(17:12着)
※2015年11月1日~2016年3月30日はJR佐世保線・大村線・長崎線 佐世保駅~長崎駅間で運転
料金●2万円~(片道運賃、スイーツコース、ドリンク代込)
問合せ●JR九州「或る列車」ツアーデスク TEL.092-289-1537(10:00~17:30、水・日曜・祝日休)
※JR九州企画実施分は大分コース・長崎コースともに満席だが、その他旅行会社の旅行商品でも販売
詳しくはコチラ

文=大友康子
写真提供=JR東日本、JR九州、津南町観光協会
※掲載されているデータは2015年9月現在のものです。

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