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銘菓通王が選ぶ ニッポン 駅スイーツ図鑑

旅先で、出張先で、何をお土産に買おうか迷ったことはありませんか? せっかく買うなら、その土地ならではの美味を買いたいもの。このコーナーでは毎回、全国のスイーツを食べ歩く銘菓通王・中尾隆之さんに、駅や駅周辺で買えるオススメの駅スイーツを厳選紹介していただきます。

※値段・営業時間等は平成21年4月現在の情報です。来店の際には、事前にご確認ください。

Vol.1 姫路駅で買えるおいしい和スイーツ

4~6月、「あいたい兵庫デスティネーションキャンペーン」開催中の兵庫県。中南部に位置する姫路市は世界遺産「姫路城」で知られる県内屈指の都市です。その表玄関の姫路駅がリニューアルされ、ショッピングエリアも充実。スイーツの種類もバラエティ豊かです。

玉椿(御菓子司 伊勢屋本店)

黄身あんが愛らしい一口大の愛らしい求肥餅

 菓名のとおり、小振りで愛らしい餅菓子です。原材料は餅米粉、大手亡(おおてぼう)豆、白小豆、砂糖、水飴、卵黄など。黄色みを帯びたしっとりした甘味のあるあんにはほんのり卵黄の風味があり、やわらかくてコシのある舌触りの中から奥ゆかしいおいしさが広がります。

 天保年間(1830~1843)、姫路藩15万石の酒井家の御用菓子司だった伊勢屋が、5代藩主酒井忠学(ただのり)と11代将軍徳川家斉の娘・喜代姫の婚礼の際に創製したもので、見事な出来栄えに家老から菓名をいただいたといいます。

“白鷺(はくろ)城”と呼ばれる優美な世界遺産・姫路城をシンボルとする城下町らしい風雅な銘菓は、お茶うけにぴったり。特に女性に喜ばれること請け合いです。日持ちは7日間。

データ
値段
1個125円。6個入り760円など
販売場所
姫路駅フェスタガーデン、キヨスク売店など
本店所在地
兵庫県姫路市西二階町84(西二階町商店街)
TEL.079-288-5155
8:15~18:45、元日休

御座候(御座候)

とろりと甘い粒あんがたっぷりの回転焼

 安くておいしいジャンボ餃子や担々麺で評判の店、御座候。店名を冠し、創業以来、不動の人気を誇るスイーツが、あんがたっぷり入った関東でいう今川焼の「御座候」。

 2つに割ると、ふっくらとして粒々感を残した小豆の粒あんがタップリ詰まっていて、ズシッとくるあんの多さ、旨さ、安さにうれしくなります。小豆の赤あんと白手亡豆の白あんの2種類があり、名産地の北海道十勝産の豆を使っていてどちらも美味です。

 姫路駅フェスタ地下の実演販売コーナーは休日ともなると常に行列ができ、箱詰めが飛ぶように売れる人気ぶり。焼き立ては熱々で、とろりとした甘さが口とお腹をたっぷり満たしてくれます。賞味期限は当日限りですが、レンジで温めても美味しさは損なわれません。1個から買えます。

データ
値段
1個80円。箱入り4個320円など
販売場所
姫路駅フェスタB1味楽街、山陽百貨店など
本社所在地
兵庫県姫路市阿保町611-1
TEL.079-282-2311
ホームページ
http://www.gozasoro.co.jp/

はりま(白鷺陣屋)

ほっこりの黄身あんにバター風味の焼菓子

 創業60年余の姫路の老舗・白鷺陣屋(はくろじんや)。海苔の風味あふれる最中種と求肥、粒あんが生み出す独特な風味で知られる「五拾萬石」と並ぶこの老舗の代表菓が「はりま」です。

 原材料は小麦粉に白あん、砂糖、水飴、練乳、卵、バターなど。卵をたっぷり使った黄身あんをバター風味の生地で包みあげた、洋風を漂わす和スイーツです。

 甘さもほどほど、クセのない万人向けの味わいで、職場などへのお土産としてもおすすめです。表面に浮き彫りされている「五三桐」は豊臣秀吉が朝廷から賜った家紋で、秀吉築城の伏見桃山城に多数使われた家紋瓦から採り入れられました。和菓子はそんな歴史がさりげなく込められた奥深いものです。

データ
値段
1個105円。1箱4個入り420円など
販売場所
姫路駅フェスタガーデン、新幹線姫路駅ステーションプラザ店ほか
本店所在地
兵庫県姫路市若菜町2-18
TEL.079-222-1883
8:00~17:00、無休

銘菓通王・中尾隆之
北海道生まれ。
1年の3分の1を町並み、和菓子、鉄道、温泉などの取材で全国各地飛び回る旅行作家。
テレビ東京系列の『TVチャンピオン2』の全国土産銘菓通選手権で優勝、チャンピオンに。

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