『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。

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文士に愛された2つの港町
門司港駅・若松駅
JR鹿児島本線・JR筑豊本線
門司港の跳ね橋 門司港駅 九州鉄道記念館 九州鉄道記念館 三宜楼(さんきろう) 三宜楼(さんきろう) 三宜楼ランチ 林芙美子記念室 旧大連航路上屋 門司港ドリームギャラリー 門司港 若松駅 若松 南海岸通り 若松 南海岸通り 若松 南海岸通り 料亭 金鍋 料亭 金鍋 火野葦平(ひのあしへい)資料館 火野葦平旧居 河伯洞
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門司港の跳ね橋

第一船だまりに架かる跳ね橋「ブルーウィングもじ」。

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門司港駅

九州鉄道の起点、門司港に列車は帰り着き、また旅立っていく。

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九州鉄道記念館

平成15年、旧九州鉄道本社の地に開館。長さ約180mの車両展示場には、九州各地で活躍した歴代の実物車両が並ぶ。

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九州鉄道記念館

東海道・山陽本線などで活躍したSL、C591。ピカピカに磨き上げられた車体で来場者を迎える。

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三宜楼(さんきろう)

百畳間と呼ばれる大広間があり、現存する料亭としては九州最大級。

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三宜楼(さんきろう)

木造3階建ての内部は、その広さと高さに圧倒される空間。

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三宜楼ランチ

平日限定の三宜楼ランチ1620円(料理内容・金額は変更の場合あり)。11時30分~、13時~の2部制で90分以内。

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林芙美子記念室

三井物産の接客・宿泊施設だった旧門司三井倶楽部内にある。

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旧大連航路上屋

1階にある松永文庫では5月6日まで「高倉健映画資料展」を開催中。

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門司港ドリームギャラリー

国の重要文化財の門司港駅舎は平成30年3月まで保存修理工事中。その様子は展望デッキから見学できる。 現場を囲む壁面では国内外で活躍するデザイナー・森田恭通さんが監修した「門司港ドリームギャラリー」が登場。夜はライトアップされ、幻想的な空間でイラストレーター黒田征太郎さんの作品などを楽しめる。

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門司港

めかり公園から望む門司港。関門海峡を大小の船が行き交う。

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若松駅

現駅舎は3代目。貨物輸送が廃止された翌年の昭和58年に建て直された。

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若松 南海岸通り

若戸大橋を背景にした国登録有形文化財の旧古河鉱業若松ビルは、若松の象徴的な景色。

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若松 南海岸通り

石炭会館(旧若松石炭商同業組合事務所)は明治38年(1905)建築。

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若松 南海岸通り

海で石炭荷役をしていた労働者「ごんぞう」の詰所を模した休憩所がある。

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料亭 金鍋

黒漆喰と丸太材を使った「料亭 金鍋」の表門は往時の姿そのまま。

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料亭 金鍋

地元では「かしわ鍋」と呼んだ鶏水炊き。鍋に前菜、お造り、蒸し物など全6品がついて4752円。

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火野葦平(ひのあしへい)資料館

作家・火野葦平を知るならここ。写真パネルをはじめ、葦平が執筆していた河伯洞の書斎(復元)もある。

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火野葦平旧居 河伯洞

屋久杉や桜の一枚板などをふんだんに使った廊下、広い庭など見どころがたくさん。

駅から始まる港町さんぽ
~福岡県北九州市~

国際友好記念図書館(上)や旧門司税関など、歴史を伝える建物が「門司港レトロ」として整備されたのが平成7年。今年で20周年


数々の食堂車に乗務した九州鉄道記念館の宇都宮副館長。 鉄道に詳しい生き字引きだ

林芙美子研究者でもある今川館長は「芙美子は行動的で自立した女性。現代の女性も共感できるのでは」と語る
華やかな港町の磨かれし文化をたどる

 鹿児島駅から肥薩おれんじ鉄道を挟んで281・6km、95駅の鹿児島本線終着・門司港駅。駅を出ると、左手に関門海峡。青い海を大型船が悠々と進む。
 明治22年(1889)に国の特別輸出港に指定。明治24年に門司駅(現門司港駅)が開業して九州鉄道の起点になると、陸海の玄関口に大手企業や官庁が集積し、門司港は一気に華やいだ。
 まずは九州鉄道の本社社屋、現在は九州鉄道記念館。ゲートには宇都宮副館長が「九州の始まりの駅に、役目を終えてやって来た看板娘に息子」と呼ぶ、九州ゆかりの懐かしい電車がずらり。しばしタイムトリップをどうぞ。
 門司港の町は映画館や芝居小屋で賑わい、社交場として料亭も栄えた。その代表格が三宜楼(さんきろう)。「海賊とよばれた男」出光興産創業者の出光佐三も常客で、政財界の要人や文化人も多く訪れた。高い天井が醸す豪華さ、気品ある意匠。かの一流人と同じ空間で食事ができるとは、なんたる贅沢か。一度廃業したが地元有志の保存活動で蘇ったと聞けば、いっそう味わいも深まる。

市井の人々を書き続けた林芙美子の原点

 門司ゆかりの作家、林芙美子も港町繁栄の象徴だ、というと強引だろうか。「賑わう門司港に仕事を求めて各地から労働者や商人が集まり、その中に四国生まれの行商人だった芙美子の父親がいました」と話すのは、林芙美子記念室を監修している北九州市立文学館の今川英子館長。門司生まれの説もあり、幼少期には下関、石炭景気に沸く若松などへ移り住んだ。自由に生き、市井の人々を書き続けた彼女の原点は? 記念室で探ってみよう。

門司ゆかりの作家・林芙美子
門司ゆかりの作家・林芙美子

明治36年(1903)生まれ。昭和5年に『放浪記』で流行作家に。昭和26年に47歳で急逝。写真は昭和7年頃、東京下落合の和様式洋館にて。

海峡沿いのレトロエリアを歩く

 最後に港へ。旧大連航路上屋は国際ターミナルだった。100mはあるという2階のデッキから関門海峡を一望。かつては岸壁に何隻もの大型客船が接岸したというからすごい。
 海峡沿いをレトロエリアの船だまりまで歩く。コンテナのない時代、船荷の積み卸しは人海戦術で、船だまりには黒崎や宇部の港へ荷を運ぶ船への艀(はしけ)がぎっしり停泊していたという。形に残らない歴史も、華やかな港を支えた。
 いつしか夕暮れ時。夕日を浴びて船が行き交う海景色を堪能したら、夜景の門司港を見てから帰ろうか。

九州鉄道記念館

明治24年(1891)に建てられた旧九州鉄道本社を本館に、九州鉄道の歴史を楽しみながら学べる記念館。九州ゆかりの車両9台が並ぶ展示場や運転体験施設は、大人も夢中に。

DATA

時間:9:00~17:00
休:第2水曜(祝日の場合は翌日) 300円
住所:福岡県北九州市門司区清滝2-3-29
アクセス:JR鹿児島本線門司港駅から徒歩3分
TEL.093-322-1006

三宜楼(さんきろう)

百畳間と呼ばれる大広間、眺望が見事な3階の俳句の間、下地窓や欄間の意匠など、見どころがたくさん。展示室には当時の器や芸妓の衣装、訪れた文化人の名刺などが展示され、往時をしのぶことができる。

DATA

時間:10:00~17:00
休:月曜(祝日の場合は翌日) 展示室は見学自由
住所:福岡県北九州市門司区清滝3-6-8
アクセス:JR鹿児島本線門司港駅から徒歩8分
TEL.093-321-2651

林芙美子記念室

北九州市が「林芙美子文学賞」を創設したのを機に展示室数を増やし、2月28日にリニューアルオープン。記念室は三井物産の接客・宿泊施設だった旧門司三井倶楽部2階にある。生誕から尾道時代、『放浪記』誕生まで、渡欧、戦争を挟んでの活動など、波瀾万丈だった芙美子の生涯を俯瞰できる。北九州市立文学館所蔵の『骨』の原稿(写真右下)も。

DATA

時間:9:00~17:00
休:なし 2階のみ100円
住所:福岡県北九州市門司区港町7-1 旧門司三井倶楽部2階
アクセス:JR鹿児島本線門司港駅から徒歩3分
TEL.093-321-4151

旧大連航路上屋

昭和4年、門司税関1号上屋として建てられた。1階に港の歴史や門司港に寄港した客船に関する展示や休憩スペース、昭和10年門司生まれの松永武さんが収集した映画・芸能関連の資料を展示する松永文庫がある。国会議事堂を手掛けた大熊喜邦の設計で、アール・デコ様式が特徴。上屋前の道端に立つ係船柱(写真右下)は、昔はここまでが岸壁だったことを表す。

DATA

時間:9:00~17:00
休:年4回休館日あり 無料
住所:福岡県北九州市門司区西海岸1-3-5
アクセス:JR鹿児島本線門司港駅から徒歩5分
TEL.093-322-5020(松永文庫は093-331-8013)

門司港へのアクセス&インフォメーション

門司港観光案内所 TEL.093-321-6110
交通:JR鹿児島本線門司港駅下車
北九州市 観光情報サイトはこちら

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