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2019.09.06旅行この路線で行こう! 新潟・山形編 羽越本線の旅

北前船や城下町の文化や歴史が息づく新潟・山形の日本海沿岸エリア。車窓から見える海の絶景も魅力の羽越本線の旅

羽越本線は、新潟県の新津(にいつ)駅から、秋田県の秋田駅までの全長271.7キロメートルを結ぶ日本海沿岸の大動脈。
沿線には北前船の交易で栄えた酒田、城下町の歴史を今に伝える村上、新発田、鶴岡などの人気観光地があり、観光路線としての利用も多い。
車窓から見える日本海の雄大な絶景も魅力。
新潟駅の在来線ホーム高架化によって、一部の上越新幹線と羽越本線特急が同一ホームで乗り換えることができるようになり、利便性も高まった。
※写真は桑川駅~今川駅間

羽越本線路線図


羽越本線列車

海里


海里


海里車内食事サービス

2019年10月より新たに新潟駅~酒田駅間で運行する。新潟の食、山形の食、日本海の景観をコンセプトに、その魅力を凝縮した食事と風景を堪能できる。4両編成で、車体には夕日と新雪のダイナミックな融合をグラデーションで表現。4号車のダイニングでは、下りは「鍋茶屋」と「行形亭(いきなりや)」の100年以上続く新潟市の老舗の料亭料理を、上りは“奥田イタリアン”で知られる鶴岡市の「アル・ケッチァーノ」の料理を提供する。

羽越本線おすすめスポット情報

新潟市新津鉄道資料館

鉄道ファン必見のコレクションが充実


信越本線、羽越本線、磐越西線が交差する“鉄道のまち”新津。新潟市新津鉄道資料館では、新津の鉄道文化やその歴史、日本の鉄道文化史などの貴重な資料と共に紹介する。屋外常設展示の200系新幹線先頭車両や、C57形蒸気機関車19号機、国鉄DD14形式液体式ディーゼル機関車332号機など、間近に見る実物車両6両は迫力がある。


新潟市新津鉄道資料館

●交通アクセス
新津駅から新潟交通観光バス「沢海・横越経由新潟駅前・万代シテイ」行き、「京ヶ瀬営業所」行きまたはさくら交通バス「下新」行き約5分、新津工業高校前下車徒歩約1分
●URL
http://www.ncnrm.com/

大友稲荷

朱塗りの鳥居が続く奥の院も必見


鎌倉時代の建長年間に、大友東泉寺の守護神として創建。京都・伏見稲荷の分霊を祀り、正式名称を「大友御杉原稲荷(おおどもみすぎはらいなり)大明神」と言う。“大友稲荷”の名で親しまれ、家内安全、商売繁盛、交通安全、所願成就にご利益があるとされ、県内外から多くの参拝客が訪れる。奥の院には多くの鳥居が立ち、独特の雰囲気がある。


大友稲荷

●交通アクセス
新発田駅から車約15分
●URL
https://niigata-kankou.or.jp/spot/31019

新発田城

舟形城や菖蒲城などの別名をもつ名城


初代新発田藩主・溝口秀勝(みぞぐちひでかつ)が、1598(慶長3)年に築城開始。平地に築かれた平城で、石垣を隙間なく積んだ切込はぎという技法で、美観を重視した造りになっている。復元された、天守閣の代わりを果たした三階櫓(やぐら)は、3匹のしゃちほこを配する大変珍しい櫓で、往時の景観が偲ばれる。


乙宝寺

今昔物語にも登場する真言宗の古刹


行基菩薩とインド僧婆羅門(ばらもん)僧正が北陸一帯の安穏を祈願し、奈良時代に聖武天皇の勅命により創建。お釈迦様の左眼を納めて乙寺と名付けたと伝わる。2万5000坪もある広大な境内にある三重塔は1620(元和6)年に建立されたもので、絵様彫刻のない純和様式の美しい塔で、国の重要文化財に指定されている。


乙宝寺

●交通アクセス
平木田駅から車約10分
●URL
http://oppouji.info/index.html

イヨボヤ会館

村上藩士が礎を築いた鮭文化を知る


三面川(みおもてがわ)の畔にある「鮭公園(サーモンパーク)」の中心施設で、日本で最初の鮭の博物館。施設名のイヨボヤとは、村上地方の方言で鮭のことを言う。産卵のため遡上してきた鮭の様子を観察できるほか、村上の鮭の歴史や文化を学ぶことができる。ご当地キャラグッズや鮭の料理本、おみやげ品等の販売コーナーもある。


イヨボヤ会館

●交通アクセス
村上駅から徒歩約20分
●URL
https://www.iyoboya.jp/

黒塀通り(安善小路)

芭蕉もかつて歩いたという小路


旧町人町と寺町を結んだ小路。安善寺に由来し、古くから安善小路と呼ばれた。日本一の大きさの土蔵造りの本堂を持つ浄念寺や国の登録文化財の古民家など歴史的建造物が集まる。城下町らしい風情を今に残しており、散歩が楽しい。毎年10月には、約2万本の竹灯籠が灯される「むらかみ宵の竹灯籠まつり」が開催される。


黒塀通り(安善小路)

●交通アクセス
村上駅から徒歩約20分
●URL
https://www.sake3.com/spot/2460

千年鮭 きっかわ

鮭の伝統料理を今に伝える名店


村上の鮭料理には1000年の歴史があるといわれる。千年鮭 きっかわは1626(寛永3)年創業で、鮭を使った加工品の製造、販売の老舗。看板商品で名物の「鮭の塩引き」は昔ながらの製法を用い、塩をすり込んだ鮭を北西の風に約3週間晒し、自然素材で発酵、熟成させる。うま味が凝縮し、塩気がほどよく、ご飯のお供に最適。


千年鮭 きっかわ

●交通アクセス
村上駅から徒歩約25分
●URL
https://www.murakamisake.com/

笹川流れ観光汽船

夕暮れ時のクルーズも美しい


「笹川流れ」とは、約11キロメートル続く美しい海岸線で、1972(昭和47)年に国の名勝、および天然記念物に指定された。遊覧船は、約40分のコースで、海の透明度や、起伏に富んだ岩場の風景を満喫することができる。船上からはカモメの餌付けも楽しめる。遊覧船の待合所は2階建てで1階は休憩所、2階はお食事処とカフェになっている。


笹川流れ観光汽船

●交通アクセス
桑川(くわがわ)駅から徒歩約15分
●URL
https://www.sasagawanagare.co.jp/

あつみ温泉

美肌美人になれる湯


温海(あつみ)川沿いに広がる古湯で、今から約1000年前に、弘法大師により開湯と伝わる。江戸時代には山形藩により湯役所が設けられ、湯治場として栄え、松尾芭蕉や与謝野晶子、横光利一(よこみつりいち)など多くの文人墨客を魅了した。毎分1300リットルと、豊富な湯量を誇る。温泉街には7つの宿泊施設と3つの共同浴場、足湯がある。


あつみ温泉

●交通アクセス
あつみ温泉駅からすぐ
●URL
https://atsumi-spa.or.jp/about_atsumispa

鶴岡市立加茂水族館

磯の生き物にふれあえるコーナーも魅力


世界最大級のクラゲの水族館。クラゲは、60種類以上も展示している。様々な成長段階のクラゲを観察できるほか、クラゲの餌やその食べ方についての解説も行う。ほかにも山形の淡水魚や海水魚、アシカやアザラシの解説プログラムなどもあり、見応えがある。館内併設のレストランではクラゲラーメンやクラゲアイスを食べることができる。


鶴岡市立加茂水族館

●交通アクセス
鶴岡駅から山形交通バス「湯野浜温泉」行き約30分、加茂水族館下車すぐ
●URL
https://kamo-kurage.jp/

善寳寺

曹洞宗三大祈祈祷所の一つ


古来より龍神様を祀り、江戸時代からは漁師を中心に信仰を集めてきた。広大な境内には、国の登録有形文化財を含む大小30棟の堂塔伽藍を有する。龍王殿は1446(嘉吉3)年に竜宮城を模して造られたといわれる。また500体以上の羅漢像を安置する五百羅漢堂は、北前船で財をなした商人たちの寄進によって1855(安政2)年に建立。


善寳寺

●交通アクセス
鶴岡駅から山形交通バス「善宝寺経由湯野浜温泉」行き約30分、善宝寺下車すぐ
●URL
http://ryuoson.jp/

富樫ろうそく店

色彩華やかな絵ろうそくを手みやげに


江戸時代の参勤交代の際に幕府への献上品として扱われた絵ろうそく。花紋燭(かもんしょく)とも呼ばれ、御所車や蓮華、花模様などの絵柄を顔料で描いたもので、300年の歴史がある。和ろうそくだけでなく、様々な色や形のものが売られている。体験も可能で、1時間程度でオリジナルの絵ろうそくを作ることができる。


富樫ろうそく店

●交通アクセス
鶴岡駅から徒歩約15分
●URL
https://sannou-st.com/togashirousoku/

酒造資料館 蔵探訪館

酒田の豊かな風土が生んだ銘酒を知る


2019年に発表された全国新酒鑑評会において、金賞を受賞した「初孫」で知られる、東北銘醸株式会社が酒造りや歴史などを紹介している資料館。展示室では、日本酒造りの歴史や工程をわかりやすく紹介するほか、きき酒コーナーでは、様々なタイプの日本酒の飲み比べができる。工場見学は事前予約が必要。


酒造資料館 蔵探訪館

●交通アクセス
酒田駅から車約15分
●URL
http://www.hatsumago.co.jp/kuratanbo/

相馬樓

紅花染めの畳を敷いた大広間が美しい


江戸時代、1808(文化5)年に開業した料亭。現存する主屋は、1894(明治27)年築のもので、登録有形文化財に指定されている。1階は「茶房くつろぎ処」として開放し、2階は酒田舞娘の踊りと食事を楽しめる演舞場となっている。また、竹久夢二美術館も併設され、夢二の美人画や写真なども見ることができる。


相馬樓

●交通アクセス
酒田駅から徒歩約20分
●URL
https://www.somaro.net/

本間美術館

芸術と、自然、歴史が融合する美術館


江戸時代の豪商・本間家が創始者となり、1947(昭和22)年に開館した美術館。本間家に伝わる、諸藩からの拝領品を中心に、篤志家から寄贈された美術品約3000点を中心に企画展を開催する。併設する4代本間光道(こうどう)が築造した池泉回遊式庭園「鶴舞(かくぶ)園」や京風木造建築の別荘「清遠閣」も風情があり、散策も楽しみの一つ。


本間美術館

●交通アクセス
酒田駅から徒歩約5分
●URL
http://www.homma-museum.or.jp/

山居倉庫

日本一と評された山居米の巨大倉庫


1893(明治26)年に、旧庄内藩主・酒井家により、最上川と新井田川(にいだがわ)に挟まれた通称“山居島”に建てられた酒田米穀取引所の付属倉庫。建設された14棟のうち12棟が現存し、そのうち1棟は山形米歴史資料館として、倉庫の歴史や米の歴史、米作りなどを分かりやすく展示。木造の倉庫と最上川側のケヤキ並木が織りなす風景は風情がある。


山居倉庫

●交通アクセス
酒田駅から徒歩約25分
●URL
https://www.pref.yamagata.jp/ou/shokokanko/110001/him/him_05.html

地図

  • 文:千葉 香苗(アド・グリーン)
  • 写真協力:東日本旅客鉄道株式会社、SONIC RAIL GARDEN、新潟市新津鉄道資料館、新発田市観光協会、新発田市文化行政課、乙宝寺、イヨボヤ会館、村上市観光協会、千年鮭 きっかわ、笹川流れ観光汽船、あつみ観光協会、鶴岡市立加茂水族館、善寳寺、富樫ろうそく店、酒造資料館 蔵探訪館、相馬樓、村上市神林支所産業建設課、阿賀野川あきはなびまつり実行委員会、株式会社アド・グリーン
  • 掲載されているデータは2019年8月現在のものです。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください。
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