旬たび☆日本列島(12)

2018年秋の福島旅雄大な紅葉景色と雅な紅葉情緒が共存する福島。素朴な温泉で癒やされ、地元グルメを満喫

水郡線の車窓の紅葉から矢祭山、いわきへと紅葉三昧。吾妻連峰山中の温泉で夢心地

日本百名山の吾妻山、磐梯山など数々の名山を有する福島県は秋、圧倒的な紅葉景色を見せる。「東北の耶馬渓」とも呼ばれる矢祭山は山全体が紅葉に染まるとともに、印象的な橋の周囲の雅な紅葉情緒も魅力。本宮市の「蛇(じゃ)の鼻」、いわき市の白水阿弥陀堂・中釜戸のシダレモミジもめぐり、紅葉三昧を楽しもう。さらに、紅葉に染まった吾妻連峰ただなかの土湯温泉や高湯温泉で体を癒す。紅葉を眺めながら名湯に酔いしれ、福島名物・円盤餃子を味わえば、満ち足りて心も丸くなる。

写真は矢祭山公園から見た水郡線。

紅葉に目を奪われる旅Plan 1

水郡線から車窓の紅葉を楽しみ、福島の紅の彩りを満喫する

  1. 奥久慈県立自然公園の中にそびえる矢祭山。一帯は矢祭山公園として整備されている。古くから紅葉の名所として知られ、「見ぬ人に何を語らむ みちのくの矢祭山の秋の夕暮れ」と詠んだ徳川光圀や西行法師らの歌碑が立つ
  2. 福島県本宮の豪農・伊藤弥(わたる)の別荘として贅を尽くして建てられた御殿と庭園を、今に伝える花と歴史の郷「蛇の鼻」。樹齢100年を超えるカエデが約400本あり、秋にはいっせいに紅く染まる
  3. 藤原清衡の娘・徳姫が、夫・岩城則道の供養のために建立したと伝わる「白水阿弥陀堂」。現存する平安時代の阿弥陀堂は数少なく、国宝に指定されている。堂内には国指定重要文化財の阿弥陀三尊を安置。御堂や池の周囲を紅葉が彩る
  4. いわき市渡辺町中釜戸の観音堂敷地内にあるシダレモミジ。樹高6.8m、幹周り3.5mの巨木は樹幹が白くねじれ曲がり、コブがあり枝が枝垂れている。枝の広がりは東西約10mにもなり、傘を広げて見る者を迎え入れるかのよう

福島への旅は東北新幹線で郡山駅や福島駅、常磐線でいわき駅を起点にしたり、はたまた新潟まわりで磐越西線のSLで会津若松を訪ねるなど、目的地によりさまざまなルートがあるが、今回は常磐線を水戸駅で途中下車し、水郡線に乗車。

奥久慈清流ラインの愛称がある水郡線の車窓から紅葉を堪能しつつ矢祭山駅に降り立ち、「東北の耶馬渓」とも称される矢祭山へ。山中の紅葉の彩りは圧倒的で、月見橋や夢想橋、あゆのつり橋など絵になるスポットでは、雅な美しさに感激する。

水郡線の終点・郡山駅から東北本線に乗り換えて向かう、花と歴史の郷「蛇の鼻」も素晴らしい紅葉名所。豪農・伊藤家の屋敷であった「蛇の鼻御殿」や園の内側に大きく広がる池と紅葉とのコントラストが絶妙だ。

磐越東線でいわきに移動し、白水阿弥陀堂を参拝する。永暦元年(1160)建立と伝わる御堂はさすがの風格。歴史的な価値に加え、境内の紅葉も見事だ。

同じくいわき市内の渡辺町にも、ぜひとも訪れたい紅葉名所がある。「中釜戸のシダレモミジ」だ。イロハカエデが突然変異したもので、枝垂れるカエデは植物学的にも珍しく、国の天然記念物に指定されている。威容を誇る紅葉の巨樹を目に焼き付け、福島の旅を締めくくる。

久慈川の清流を従えてそびえる

矢祭山

スポットの情報

入山自由。例年の紅葉の見ごろは10月下旬~11月中旬

アクセス

水郡線矢祭山駅から徒歩1分

詳細はこちら

極上の温泉に癒やされグルメを満喫する旅Plan 2

紅葉大絶景広がる吾妻山麓の温泉をめぐり、円盤餃子に舌鼓

  1. 土湯温泉は大穴貴命(おおあなむちのみこと)が荒川のほとりを鉾(ほこ)で突いて開湯したとも、聖徳太子の近臣である秦河勝(はたのかわかつ)が夢枕に現れた太子のお告げにより発見したとも伝わる。写真は「ホテル山水荘」の露天風呂「太子の湯」
  2. 福島屈指の名湯と名高い高湯温泉。山峡の狭いエリアに自然湧出の源泉が10カ所あり、温度の低い源泉「熱湯」以外の9泉が各施設に引湯されている。写真は1868年創業の「旅館玉子湯」。創業時から変わらぬ湯小屋が湯治場の雰囲気を今に伝える
  3. 福島名物の「円盤餃子」。白菜やキャベツなど野菜がたっぷりで、油をあまり使わずに焼くのでサクサクとヘルシーなのが特徴。野菜の甘みと肉汁がジュワッとうまい! 食べ歩きは「ふくしま餃子の会」オフィシャルマップを参考に。夜から営業する店が多い
  4. 日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征の際に湯治したとも伝わる飯坂温泉は摺上川沿いに旅館が立ち並ぶ。写真の鯖湖湯は日本最古の木造建築共同浴場として親しまれてきたが、1993年に明治時代の共同浴場を再現して改築された

福島県内には飯豊(いいで)山・吾妻山・安達太良山・磐梯山・会津駒ヶ岳という5山の日本百名山がそびえ、いずれも秋の紅葉が素晴らしい。

吾妻山連峰に囲まれた絶好のロケーションを誇るのが土湯温泉。1400年以上の歴史と多くの源泉をもち、10種類以上の泉質が湧き出す。紅葉に染まる「男沼女沼ハイキング」など秋の魅力は絶大だ。遠刈田、鳴子と並ぶ三大こけし発祥地でもあり、素朴なムードも心を癒してくれる。

同じく吾妻山連峰のただ中に位置する高湯温泉は、2010年に東北初の「源泉かけ流し宣言」を発表。各宿に薬効成分の高い白い湯がかけ流されている。秋は高湯不動滝への散策が絶好で、約30mの高さから水しぶきを上げて落ちる滝の姿はもちろん、紅葉の森の中に続く約2kmの遊歩道の往復も満足度が高い。

紅葉の山中の温泉を存分に楽しんだら、福島市内で名物「円盤餃子」に舌鼓。1953年創業の「満腹」が発祥の店で、今では多くの店がその味を競っている。

お腹が満たされたら、福島交通飯坂電車に乗り、飯坂温泉へ。趣向さまざまな9つの共同浴場があり、波来(はこ)湯が300円で、ほかはすべて入浴料200円。松尾芭蕉が浸かったとされる鯖湖湯など、旅のスケジュールが許すかぎり歴史の湯めぐりを大満喫しよう!

磐梯吾妻スカイライン入口の名湯

土湯温泉

スポットの情報

公衆浴場2カ所、ホテル・旅館17軒

アクセス

東北新幹線福島駅から土湯温泉行き福島交通バス40分の終点「土湯温泉」下車

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