旬たび☆日本列島(13)

2018年晩秋の茨城旅歴史と芸術と自然 三位一体の魅力を味わう茨城

太平洋の美景と味覚とレジャーを満喫し、徳川光圀や、最後の将軍・慶喜を育てた徳川斉昭の足跡など歴史を探訪

太平洋に面した茨城県は岡倉天心が愛した五浦(いづら)や大洗水族館、那珂湊おさかな市場など、海にまつわる魅力が満載。その一方、花貫(はなぬき)渓谷のように山間の景勝を楽しめるスポットも多く、秋は美しい紅葉も存分に味わえる。徳川光圀(みつくに)が『大日本史』編纂の過程で水戸学を興し、徳川斉昭(なりあき)が発展させるなど学問も盛んな土地柄で、名君2人の足跡を訪ねるのも興味深い。県南部は首都圏からもほど近いので、時間を気にせずにゆっくり遊んで帰路につけるのもいい。小野小町伝説の残る土浦市で「常陸秋そば」を食べたり、そば打ち体験したり、また気軽に訪れてみよう!

写真は土浦市「小町の館」の水車小屋

紅葉と憩いの町歩きを楽しむ旅Plan 1

海辺の町の絶景紅葉を楽しみ、茨城ならではの魅力を満喫

  1. 名馬里ヶ淵(なめりがふち)・花貫ダムから小滝沢キャンプ場まで続く花貫渓谷。渓谷に枝をのばす紅葉はもちろん、吊り橋の橋板や公園の地面に散り敷かれた紅葉の美しさも圧巻。11月1~30日には「花貫渓谷紅葉まつり」を開催
  2. 水戸城を守る天然の堀、農業用水源としての役割を担ってきた千波湖。12月頃から3月頃まで白鳥の姿も見ることができ、夕暮れ時も、朝焼け(写真)のなかの散策も絶好。8~22時には噴水があがり、日没以降はライトアップもされる
  3. 約580種6万8000点の、世界の海の生物に出合える「アクアワールド茨城県大洗水族館」。日本一のサメの飼育数を誇り、シロワニやレモンザメ、アカシュモクザメ、ネコザメなど、違いを見分けてみるのも一興
  4. 那珂湊漁港前に鮮魚店と飲食店12店舗が軒を連ねる「那珂湊おさかな市場」。秋、那珂湊に揚がる旬の魚は茨城名物のアンコウやヒラメのほか、イカ、カレイ、サンマ、シラス、ホウボウ、マアジ、カニなど

「特急ひたち」で快適に訪れることのできる高萩市は、風光明媚な海岸線に恵まれた町。高戸小浜海岸など、海辺の散策も楽しいが、秋にぜひ訪れたいのが内陸に入った山間にある花貫渓谷。渓谷沿いに大小さまざまな淵と滝が連なり、四季折々の渓谷の自然を満喫できる。長さ約60mの汐見滝吊り橋からの眺めが素晴らしく、秋の紅葉は言葉を失うほど。

常磐線で水戸まで戻り、納豆料理や黄門料理などの美味いものを楽しんだり、町歩きを楽しむ。千波湖を含む偕楽園公園は、都市公園としてはニューヨークのセントラルパークに次ぐ世界第2位の広さを誇り、さわやかで心癒やされる環境。「好文cafe」で湖を眺めながら寛ぐのも絶好だ。

憩いの町歩きを堪能したら、のどかなローカル線「鹿島臨海鉄道大洗鹿島線」に乗車。大洗駅からバスで「アクアワールド茨城県大洗水族館」を訪ねる。大洗の魚たちが悠々と泳ぐ水量1300tの大水槽のある「出会いの海ゾーン」や「イルカ・アシカオーシャンライブ」などが、なんとも楽しい。

バスで那珂湊へ向かい、本町南バス停で下車すると、那珂湊おさかな市場まで徒歩3分ほど(バスの本数が少ないので、状況によりタクシーを利用)。名産のアンコウや県の魚であるヒラメなど、お土産をたっぷり買って帰ろう!

吊り橋からの絶景紅葉に感動!

花貫渓谷

スポットの情報

見学自由。例年の紅葉の見ごろは11月中旬~下旬

アクセス

常磐線高萩駅から車で約25分(11月10・11・17・18日は「高萩駅~花貫渓谷シャトルバス」の運行あり)

詳細はこちら

琴線に触れる歴史と芸術をめぐる旅Plan 2

五浦で海岸の景勝と日本芸術を堪能し、近代日本の礎を築いた水戸の歴史を体感

  1. 風光明媚な五浦海岸に立つ六角堂「観瀾亭」。対岸から青い海、白い波と朱色の建物の、一幅の日本画のような光景を望む。天心が思索した建物の内部(東日本大震災により流失し、その後再建)を見学してみるのも感慨深い
  2. 旧水戸藩の藩校「弘道館」。江戸幕府最後の将軍・慶喜も父・斉昭の教育方針で弘道館において英才教育を受けた。文化庁の「近世日本の教育遺産群―学ぶ心・礼節の本源―」の構成文化財として「日本遺産」に認定されている
  3. 「茨城県立歴史館」では茨城の原始から近現代までの歴史を展示。写真は展示施設のひとつで、明治初期の小学校建築の形態を保存している「旧水海道小学校本館」。11月の歴史館は庭園のイチョウ並木が黄葉を迎え見事
  4. 小野小町伝説が残る土浦市小野地区の「小町の館」。のどかな里の風景が広がり、展示コーナーや小町ギャラリーで小野小町伝説について知ることができる。月に数回、「小町そば打ち体験1回コース」などのイベントを開催(要予約)

茨城県北茨城出身の日本画家・飛田周山(ひだしゅうざん)の案内で五浦を訪れた岡倉天心は、太平洋に面した五浦の地を気に入り、六角堂と邸宅を建築。横山大観、下村観山らを呼び寄せ、新しい日本画の創造を目指した。六角堂「観瀾(かんらん)亭」は天心の思索のための場所で、太平洋に張り出した岩場の上に彼が設計した建物が立つ。

風雅な六角堂の光景と、「茨城県天心記念五浦美術館」で天心ゆかりの作品を堪能したら、水戸に移動。時代劇のモデルにもなっている常陸水戸藩2代藩主・徳川光圀は『大日本史』の編纂など学問を隆盛させたが、光圀に倣って学問の隆盛に力を入れた江戸時代後期の名君が水戸藩9代藩主・徳川斉昭。「偕楽園」を造園するとともに、「弘道館」を設け、水戸学を発展させた。その思想が吉田松陰や西郷隆盛など、多くの幕末の志士に影響を与えたと言われ明治維新の原動力になっていったことを思うと、非常に感慨深い。「茨城県立歴史館」で、そんな茨城の歴史を常設展やテーマ展などでじっくり学ぼう。

旅の締めくくりに土浦市の「小町の館」に立ち寄る。平安時代の和歌の達人で絶世の美女といわれる小野小町の経歴は定かではないが、小野地区には小町が越えたとされる峠道や墓と伝えられる五輪塔など、数々の小町伝説が残る。周囲の山並みと直径7mの水車の光景や、そば処「小町庵」で常陸秋そばを使用した手打ちそばを味わって大満足。今度はそば打ち体験にも訪れてみよう!

風光明媚な海岸に立つ思索の場

六角堂

スポットの情報

8時30分~16時30分(時期で変動、入場は閉館の30分前まで)、月曜(祝日の場合は翌日)・年末年始休。入場料300円。

アクセス

常磐線大津港駅から車で約5分

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