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2016.10.14鉄道SLばんえつ物語―大正ロマンがあふれてやまない。子ども用スペースも豊富な車両のヒミツを徹底解説(THE列車)

阿賀野川沿いの景観を満喫できるSL列車

「森と水とロマンの鉄道」の愛称で呼ばれる磐越西(ばんえつさい)線で阿賀野川沿いの美しい風景を楽しめるSL列車が、C57形180号機が牽(けん)引する「SLばんえつ物語」です。12系の客車を改造した7両編成の列車は、会津若松寄りの1号車がオコジョ展望車両、2・3・5・6号車は4人用ボックスシートを備えた普通車指定席、4号車はフリースペースの展望車、新潟寄りの7号車は専用パノラマ展望室付きグリーン車指定席で、どの車両の車窓からも美しい景色を眺めることができます。

新潟駅を発車した上り列車は、新津駅から磐越西線に入ります。咲花駅付近から阿賀野川の流れが近づき、山都駅まで変化に富んだ川の流れと渓谷美を車窓に映します。飯豊(いいで)山をはじめとする山並みや田園風景も広がり、四季折々の変化に富む景色を楽しめます。

鉄道コンシェルジュ ミスターKのとっておき情報

上り列車の最後部は展望室付きグリーン車指定席


SLばんえつ物語1

7両編成の列車の新潟寄り7号車に連結されるのが、1列+2列で回転リクライニングシートをゆったりと配列したグリーン車です。グリーン車利用客専用のガラス張り展望室が設置されており、上り列車では流れゆく展望風景、下り列車では力強いドラフト音と汽笛を響かせて力闘する蒸気機関車の雄姿を間近に見ることができます。

2・3・5・6号車は大正ロマン風の普通車指定席


SLばんえつ物語2

列車全体が大正ロマンを彷彿とさせるレトロなインテリアでデザインされており、普通車指定席の4人掛けボックスシートも小粋なワインレッド系のモケットです。化粧板は木目調、天井の照明は丸型の白熱灯、客室とデッキを仕切る妻面にはガス灯を模した照明を設置。乗車した瞬間から、どこか懐かしい気分を味わうことができます。

下り列車の最後部はオコジョ展望車両(1号車)


SLばんえつ物語3

7両編成の会津若松寄りの1号車は、こどもが遊べるスペース「オコジョルーム」や、誰でも楽しめる「オコジョ展望室」を配置した「オコジョ展望車両」になっています。森をイメージした装飾と遊具が魅力的で、長い列車旅でもこどもが退屈しない楽園のようなスペースです。なお、下り列車では最後部になり、上り列車ではSLが目の前に連結されます。

阿賀野川の渓谷を楽しめるフリースペースの展望車(4号車)


SLばんえつ物語4

上流の福島県では阿賀川と呼ばれる阿賀野川沿いの風景を楽しむのに最適なフリースペースが、4号車の展望車両です。床が通常よりも高いハイデッカー仕様のサロンスペースのほか、乗車記念スタンプや郵便ポストが設置されています。郵便物を投函すると乗車記念のオリジナル消印が押されて配達されます。

駅弁や地酒も揃う売店を5号車に設置


SLばんえつ物語5

5号車に設置された売店では、「SLばんえつ物語弁当」「雪だるま弁当」など新潟の駅弁やお菓子類、ソフトドリンク、柿の種、笹だんご、「SLばんえつ物語」の記念品などが用意されています。さらに新潟県の地酒や地ビール、鮭の焼漬など酒の肴も揃っており、グラスを傾けながらSL列車の旅を楽しめます。

家族旅行がおトク! 首都圏からは「週末パス」


SLばんえつ物語6

関東甲信越・南東北エリアのJR線や14の会社線・第三セクター鉄道が、土曜・休日の連続する2日間乗り降り自由となる「週末パス」。別途特急券を購入すれば新幹線や特急列車、指定席券・グリーン券を購入すれば「SLばんえつ物語」も利用できる便利でおトクなきっぷです。


列車情報

運転日 毎年春から秋の観光シーズンの週末・休日を中心に運転
運転区間 信越本線・磐越西線 新津駅~会津若松駅間
運転時刻 往路(上り) 新津駅10:03発 → 会津若松駅13:36着
復路(下り) 会津若松駅15:27発 → 新津駅18:43着

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著者紹介

ミスターK(結解喜幸)

1953年、東京都出身。出版社勤務を経て旅行写真作家に。鉄道や時刻表のたのしさを知り尽くした鉄道の達人。現在は地酒とつまみを追い求める「飲み鉄」にはまっている。

  • 文・写真/ミスターK(結解喜幸)
  • 掲載されているデータは2016年10月現在のものです。
  • 運転日・運転区間等は変更となる場合があります。
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