THE列車「やくも」

列車と沿線の見どころ

新幹線岡山駅連絡で山陽と山陰を結ぶ特急列車

山陽新幹線岡山駅と山陰本線米子駅・松江駅・出雲市駅を結ぶのが、カーブでも高速で走れる振子式装置を装備した381系電車で運転される特急「やくも」です。1972(昭和47)年3月の山陽新幹線岡山延伸開業時、岡山駅~出雲市駅~益田駅間を伯備線経由で結ぶキハ181系気動車で運転を開始しました。1982(昭和57)年7月の伯備線全線および山陰本線伯耆大山駅~知井宮駅(現・西出雲駅)間の直流電化の完成により、岡山駅~出雲市駅間を結ぶ381系電車使用の特急「やくも」が誕生しました。なお、列車名は島根県東部の旧国名・出雲にかかる枕詞の「八雲立つ」にちなんで付けられています。

岡山駅を発車した列車は山陽本線を西に向かい、倉敷駅から右手に分岐して伯備線に入ります。途中の新見駅まで高梁川(たかはしがわ)の渓谷に沿うように走るため、車窓に美しい渓谷美を楽しめます。高梁川に沿うようにカーブが連続しますが、振子式装置を装備した381系電車はあまりスピードを落とさずに通過していきます。新見駅を過ぎて岡山県から鳥取県に入ると、今度は日野川に沿って走ります。伯耆溝口駅(ほうきみぞぐちえき)では右手に伯耆富士の別名を持つ大山(だいせん)が姿を現し、列車は伯耆大山駅から山陰本線に入ります。そして、米子駅、松江駅などに停車し、右手に宍道湖が映し出されると、間もなく終着の出雲市駅に到着します。

鉄道コンシェルジュ ミスターKのとっておき情報

カーブを克服する振子式特急用電車

中国山地を越えて山陽と山陰を結ぶ伯備線には、高梁川や日野川の渓谷に沿ったカーブが連続するため、振子式装置を装備した381系電車が投入されました。車体の塗色は国鉄色、グリーン系の「やくも色」、パープル系の「スーパーやくも色」と変化してきましたが、現在は大山の冠雪の「白色」と出雲大社の巫女の「赤色」をイメージしたツートンカラーの「ゆったりやくも色」になっています。

前面展望を楽しめるパノラマ型グリーン車

「スーパーやくも」の運転開始に合わせ、前面展望が楽しめるパノラマ型グリーン車のクロ380形が登場しました。車内は2+1席配置の大型リクライニングシートを採用しています。なお、出雲市駅寄りの1号車がグリーン車ですが、パノラマ型と一般型の2タイプがあり、パノラマ型は9・25・8・24号および7・23・6・22号(一般型の日もある)に連結されます。

リニューアル工事を実施! 「ゆったりやくも」が誕生

「やくも」に使用される381系電車を対象としたリニューアル工事が実施され、工事が終了した車両には「ゆったりやくも」の愛称が付けられました。座席を北陸本線等の特急「サンダーバード」などで使用される683系電車と同等のものに交換し、和式トイレの洋式化や女性専用トイレの設置など、快適な乗り心地と車内サービスの向上が図られています。

ゆったりシートを採用 普通車指定席・自由席

4両編成の列車の2~4号車に連結される普通車指定席・自由席の車両は、リニューアルにより赤系統のモケットを採用した2+2席配置のリクライニングシートとなりました。車内の壁面や天井は白系統の明るい雰囲気で、明るさの中に落ち着きのある車内空間となっています。通常は4両編成ですが、多客時には増結して6両編成、7両編成、9両編成で運転する列車があります。

縁結びのパワースポット 出雲大社

縁結びの神社として名高い「出雲大社(いづもおおやしろ)」は、日本最古の歴史書『古事記』にその創建が記されるほどの古社です。『古事記』に記される国譲り神話では、大国主大神が高天原の天照大神に国を譲った時、造営された壮大な宮殿が出雲大社の始まりといわれています。近年は縁結びのパワースポットとして、荘厳な雰囲気の漂う出雲大社を大勢の参拝客が訪れています。

【もっと先まで】鳥取駅~出雲市駅~新山口駅間を結ぶ 特急「スーパーおき」

特急「やくも」の終着となる出雲市駅から西へは、鳥取~出雲市~新山口間を結ぶ特急「スーパーおき」に乗り継ぐことができます。日本海沿いに島根県西部の大田市駅や江津駅、浜田駅を経由し、益田駅からは山口線を走行します。津和野駅を発車した列車は、すぐに山口県に入り、山口駅や湯田温泉駅に停車した後、山陽新幹線や山陽本線などが接続する新山口駅に到着します。

インフォメーション【特急「やくも」】

◎運転日
毎日運転
◎運転区間
山陽本線・伯備線・山陰本線 岡山駅~出雲市駅間
◎運転時刻
【下り】1号:岡山駅7:05発→出雲市駅10:10着
    29号:岡山駅21:40発→出雲市駅0:37着
【上り】2号:出雲市駅4:42発→岡山駅7:41着
    30号:出雲市駅18:27発→岡山駅21:36着

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著者

ライター:ミスターK(結解喜幸)

1953年、東京都出身。出版社勤務を経て旅行写真作家に。鉄道や時刻表のたのしさを知り尽くした鉄道の達人。現在は地酒とつまみを追い求める「飲み鉄」にはまっている。

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