トレたび JRグループ協力

2019.10.01鉄道海里―車体はオレンジと白、これは新潟のアレとアレがモチーフ!? 車内もちょっと覗いてみよう(THE列車)

新潟・庄内の食と日本海の景観が楽しめる観光列車

新潟・庄内の食と日本海の美しい景観が楽しめる列車として登場したのが、首都圏方面からの上越新幹線と接続して新潟駅~酒田駅間を結ぶ新しい観光列車「海里」です。4両編成の列車には、最新のディーゼルハイブリッド車両のHB-E300系が使用されています。車両エクステリアは、「夕日」と「新雪」のダイナミックな融合をグラデーションで表現し、新潟の新たな風景の創出となるようなデザインになっています。なお、列車名の「海里(かいり)」は、新潟県や山形県庄内地方にある豊かな海や里の美味しいものや、美しい景色を楽しんでもらえるように付けられました。また、旅行商品として発売する4号車「ダイニング」では、列車のコンセプトである「新潟の食」「庄内の食」と「日本海の景観」の魅力を感じることができる食事が提供されます。

新潟駅を発車した列車は白新線を経由し、新発田駅から酒田駅まで羽越本線を走行します。通常ダイヤでは夕日が美しい桑川駅で下り20分、上り31分の停車時間があり、駅舎や駅前から日本海の海辺の景色を堪能できます。さらに桑川~今川~越後寒川間は「笹川流れ」と呼ばれる景勝地で、車内から日本海の景観を存分に楽しむことができます。すぐに山形県の庄内地方に入り、広々とした田園風景の中を快走すると、列車は終着の酒田駅に到着します。

鉄道コンシェルジュ ミスターKのとっておき情報

指定席券で乗車できる1・2号車の普通車指定席


海里2号車

乗車券+指定席券で乗車できるのが、2人掛けのリクライニングシートを左右に配置した1号車と4人掛けのコンパートメントシート(個室)を配置した2号車です。広々とした空間の1号車は景観を楽しめるよう座席を窓側に向けた設計となっています。また、2号車は座席を引き延ばしてフルフラットにすることができますので、足を伸ばしてくつろぐことができます。

売店とイベントスペースを設置した3号車


海里売店

「新潟の食」「庄内の食」をメインに提供する売店と、「食」と「景観」の旅を演出するイベントスペースを設けた車両です。売店では、海里オリジナル商品やドリンク、お菓子類を販売しています。なお、弁当は事前予約制で、下り列車は新潟加島屋こだわりの味を詰め込んだ「海里特製 加島屋御膳」、上り列車では庄内の豊富な食材を活かした「海里特製 庄内弁」が用意されています。

旅行商品で販売される4号車「ダイニング」


海里4号車

「新潟の食」「庄内の食」とドリンク類をセットにした旅行商品として販売されるのが、2人掛けと4人掛けのテーブル席を配置した4号車の「ダイニング」です。下り列車は新潟の料亭が点在する花街の100年以上続く歴史と格式がある3つの料亭が調理した日本料理、上り列車は奥田政行氏のレストラン「アル・ケッチァーノ」の在来作物にこだわった珠玉のイタリアンが楽しめます。

4号車で提供される月替わりの日本料理


海里料理

下り列車では新潟ならではの日本料理を四季折々のメニューで提供します。2019年10月と12月は300年以上の歴史がある「日本料理 行形亭(いきなりや)」、11月は170年以上にわたる伝統の味と技、風格を受け継ぐ料亭「新潟 鍋茶屋(なべぢゃや)」の日本料理が用意されています。また、2020年3月以降は料亭「一〆(いちしめ)」の日本料理も提供される予定です。

米どころ庄内を象徴する山居倉庫


山居倉庫

1893(明治26)年に建てられ、米どころ庄内のシンボルとなっています。白壁、土蔵づくりの建物12棟が建ち並び、現在はそのうちの9棟が米保管倉庫として、18万俵の米を蓄えることができます。夏の高温防止のためのケヤキ並木、湿気防止の二重屋根など、先人の知恵が生かされた低温倉庫となっています。なお、敷地内に酒田市観光物産館「酒田夢の倶楽」と庄内米歴史資料館が併設されています。

【もっと先まで】最上川の景観が楽しめる陸羽西線の普通列車


陸羽西線

羽越本線余目駅と奥羽本線(山形新幹線)新庄駅を結ぶのが陸羽西線です。酒田駅発着で運転される列車が多いので、「海里」から乗り継いで新庄駅に向かうことができます。秋は紅葉、冬は雪景色が美しい最上川に沿って走り、四季折々の車窓の旅を満喫できます。なお、途中の高屋駅から最上川船下り(義経ロマン観光)、古口駅から最上川舟下りを利用することもできます。


列車情報

運転日 金曜・土曜・日曜・祝日を中心に運転
運転区間 白新線・羽越本線 新潟駅~酒田駅間
運転時刻 【下り】新潟駅10:11発→酒田駅13:27着
【上り】酒田駅15:03発→新潟駅18:38着
※ダイヤが一部変更となる日があります。詳細なダイヤは「詳しくはこちら」よりご確認ください

詳細はこちら


著者紹介

ミスターK(結解喜幸)

1953年、東京都出身。出版社勤務を経て旅行写真作家に。鉄道や時刻表のたのしさを知り尽くした鉄道の達人。現在は地酒とつまみを追い求める「飲み鉄」にはまっている。

  • 写真/交通新聞
  • 本記事は2019年10月に公開いたしましたが、2023年4月19日にトレたび編集部により情報を更新いたしました。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください。
  • 運転日・運転区間等は変更となる場合があります。
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