THE列車「指宿のたまて箱」

列車と沿線の見どころ

薩摩半島に伝わる「竜宮伝説」を再現した特急列車

鹿児島中央駅と指宿温泉の玄関口となる指宿駅を結ぶのが、車体の半分に白色、残り半分に黒色の塗色をデザインした特急「指宿のたまて箱」です。薩摩半島に伝わる「竜宮伝説」をテーマにした列車で、乗車時にドア上から浦島太郎の「たまて箱」の煙をイメージした白い霧がシューっと出る仕掛けが話題となっています。1・2号車ともに海を眺めるのに最適なカウンター席が設けられ、2号車のフリースペースには子ども用に背の低いカウンター席もあります。1号車と2号車では車内のデザインの趣も異なり、行きと帰りで異なる号車を選べば旅の楽しさが倍増することでしょう。

鹿児島中央駅を発車した列車は鹿児島本線と分岐し、市街地を抜けると錦江湾に近づきます。進行方向左手の車窓には青く輝く錦江湾の風景が広がり、さらに天気が良ければ噴煙たなびく桜島の雄姿を見ることができます。海側の車窓風景に釘付けとなっているうちに列車は終着の指宿駅に到着します。この先は普通列車に乗り継いで「JR日本最南端の駅」の標柱が立つ西大山駅、カツオの街の玄関口として知られる枕崎駅まで向かうこともできます。

鉄道コンシェルジュ ミスターKのとっておき情報

海側と山側で異なるデザインを採用

車両の正面から海側の半分が白色、山側の半分は黒色という大胆なデザインを採用した2両編成のD&S列車。海側から横位置で車両を見ると白色、山側からは黒色、正面からは半分ずつという、見る角度によって異なる列車のように感じます。また、列車の乗降時にドアが開くと、浦島太郎の「たまて箱」の煙に見立てたミストが、ドアの上部から噴霧されるという楽しい演出もあります。

指宿駅寄りの1号車車内インテリア

車内に客船やヨットに用いられるチーク材を使用した落ち着いたインテリアの1号車。両側に2人掛けのリクライニングシートが並ぶほか、海側を向いたカウンターに回転椅子が設置されています。また、車椅子1台分のフリースペースがあり、車椅子のままでも海の風景が楽しめます。なお、山側中央には指宿に関する書籍を集めた本棚とソファーが設置されています。

鹿児島中央駅寄りの2号車車内インテリア

車内に南九州産の杉材を明るいインテリアの2号車。海側を向いたカウンターに回転椅子が設置され、海の眺望が楽しめる配置となっています。車端のカウンター前に子ども椅子やベビーサークル、山側にフリースペースのソファーがあります。このほか、山側には2人掛けのリクライニングシートと本棚・玉手箱のあるソファーコーナーが設置されています。

スイーツやサイダーなど充実した車内販売

1号車のサービスカウンターでは、フレッシュな卵と牛乳で作られたクレームアムリと黒ゴマが2層になった「いぶたまプリン」や、浦島太郎を竜宮城へ招待した亀を見立てて作られた「カメロンパン」、甘さ控えめな「指宿温泉サイダー」、特産品にこだわって作られた「いぶたまスイーツ」などを販売。また、乗車記念に最適な「いぶたまストラップ」や「ピンバッジ」があります。

名物「天然砂むし温泉」がある指宿温泉

300年の昔から指宿温泉へ湯治に訪れる人々に愛されてきた入浴法が、浴衣を着て温かい砂の中で血液循環を高める「砂むし」です。最近の医学的研究では、砂むしに入ると心拍出量が増え、体の深いところの体温が上がり、いろいろな効能が得られるとのことです。老廃物の排出や炎症性・発痛性物質を洗い出し、十分な酸素栄養を供給することでリフレッシュすることができます。
※画像はイメージです

【もっと先まで】肥薩線の歴史ある駅を楽しめる観光特急「はやとの風」

錦江湾や桜島、さらに霧島連山を車窓に映して走るのが、鹿児島中央駅と吉松駅を日豊本線・肥薩線経由で結ぶ観光特急「はやとの風」です。車体は漆黒ですが、車内は木材を多用して木の温もりのある空間を演出しています。なお、途中停車駅の嘉例川駅や大隅横川駅は、100年以上の歴史を誇る木造駅舎があり、停車時間を利用してレトロな雰囲気を味わうことができます。

インフォメーション【指宿のたまて箱】

◎運転日
毎日運転*車両検査などで編成が変更される場合がある
◎運転区間
指宿枕崎線 鹿児島中央駅~指宿駅間
◎運転時刻
【下り】1号:鹿児島中央駅9:55発→指宿駅10:47着
    3号:鹿児島中央駅11:57発→指宿駅12:47着
    5号:鹿児島中央駅14:02発→指宿駅14:58着
【上り】2号:指宿駅10:57発→鹿児島中央駅11:48着
    4号:指宿駅12:56発→鹿児島中央駅13:49着
    6号:指宿駅15:07発→鹿児島中央駅16:00着

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著者

ライター:ミスターK(結解喜幸)

1953年、東京都出身。出版社勤務を経て旅行写真作家に。鉄道や時刻表のたのしさを知り尽くした鉄道の達人。現在は地酒とつまみを追い求める「飲み鉄」にはまっている。

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