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トレタビ列車図鑑

第4回 「海洋堂ホビートレイン」

「海洋堂ホビートレイン」*窪川~宇和島(JR四国)*

四万十川を走る予土線のアミューズメント列車

 平成23年7月9日の海洋堂ホビー館四万十の開館にあわせ、予土線(しまんとグリーンライン)窪川~宇和島間で運転を開始したのが、車内に世界的フィギュアメーカー・海洋堂のフィギュアを展示する「海洋堂ホビートレイン」だ。キハ32形の車内にフィギュアの展示ケースを設置した“走るアミューズメント列車”で、予土線窪川~宇和島間では1日1往復が運転されている。それでは宇和島駅から乗車し、予土線の旅を楽しんでみよう。

 予讃線と分岐して山間の風景を抜けると、駅舎に足湯や温泉施設がある松丸駅に到着。そして、江川崎駅からは最後の清流と呼ばれる四万十川に沿って走り、車窓の右左に四万十川流域の自然景観が映し出される。観光シーズンには元祖トロッコ列車の運転もあり、爽やかな川風を満喫することができる。四万十川の清流を眺めるうちに、列車は、海洋堂ホビー館四万十行きのシャトルバス(特定日運転)が発着する打井川(うついがわ)駅(駅から観タクン高知を利用する場合は、土佐大正駅または窪川駅で下車)に到着する。

1 海洋堂ホビートレイン

車内に海洋堂のフィギュアを展示するアミューズメント列車。外観デザインもホビー館をイメージしたフルラッピング仕様となっている。

2 海洋堂ホビートレイン車内

車内の座席シートに恐竜をデザインして恐竜世界を演出。天井や床にもリアルな恐竜フィギュアの世界が描かれた“魅せる車内”となっている。

3 フィギュアショーケース

四万十川流域の豊かな自然の中で育ったヒノキ材を使用したショーケースを設置。ケース内には海洋堂のフィギュア数百体が展示されている。

4 清流しまんと

2軸の無蓋貨車を改造した元祖トロッコ車両で運転される列車。下りは土佐大正→江川崎間、上りは十川→土佐大正間でトロッコ車両に乗車できる。

5 清流しまんと車内

無蓋貨車に簡単な屋根と椅子を取り付けたトロッコ車両。ガタンゴトンと走る2軸貨車独特な揺れと車窓に広がる四万十川流域の景観が楽しめる。

6 四万十トロッコ

夏休み期間中などの多客期に大型トロッコ車両で運転される列車。下りは窪川→宇和島間、上りは宇和島→土佐大正間でトロッコ車両に乗車できる。

DATA

デビュー年:2011年7月9日
運転日:2012年7月頃までの毎日(一般車両で運転する日もある)
運転区間:予土線 窪川~宇和島、江川崎~宇和島(1日各1往復)
車両形式:キハ32形4

「海洋堂ホビートレイン」でめぐる予土線の旅

海洋堂ホビー館四万十

世界的なフィギュアメーカー・海洋堂の一大コレクションが集結したミュージアム。廃校になった小学校の体育館を改築してオープンした。

四万十川の沈下橋

四万十川の増水時に川に沈むように設計された欄干のない橋。江川崎駅周辺には長生(ながお)、中半家(なかはげ)、半家(はげ)の3つの沈下橋がある。

四万十・川の駅カヌー館

江川崎駅近くにあるカナディアンカヌー体験などができる川の駅。館内に四万十川の魚が泳ぐ水槽や喫茶・軽食コーナーなどがある。

JR松丸駅

松野町ふれあい交流館との合築駅舎。館内には温泉施設「森の国ぽっぽ温泉」のほか、無料で休息できる足湯が設置されている。

鉄道写真作家 結解喜幸の
「海洋堂ホビートレイン」マル得利用術

 週末の予土線の旅では、JR四国全線などが乗り放題となる普通列車用の「四国再発見早トクきっぷ」や特急列車用の「週末乗り放題きっぷ」を利用できるが、平日利用や海洋堂ホビー館の入館を予定している場合は「海洋堂ホビー館きっぷ」(松山駅からおとな8,800円、こども4,400円)が便利でおトクだ。発駅からフリー区間まで特急列車普通車自由席が利用できるほか、駅から観タクン「海洋堂ホビー館と四万十川コース」が割引となる補助券が付いてくる。

文・写真:結解喜幸 写真協力:高知県観光コンベンション協会
※掲載されているデータは平成23年8月現在のものです。
※平成23年8月末までの土・日曜・祝日は、海洋堂ホビー館来館のための車両(バイクを含む)の乗り入れができません。

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