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トレたび列車図鑑

【第36回】定期運行終了!寝台特急「あけぼの」*上野~青森間*

首都圏と津軽を結ぶ伝統のブルートレイン

 1970年7月1日から上野~秋田間の臨時列車として運転を開始し、1970年10月1日改正で上野~青森間を結ぶ定期寝台特急列車として登場したのが、東北・奥羽本線経由の寝台特急「あけぼの」。登場時は初代ブルートレインの20系客車を使用していたが、1980年10月には24系客車に置き換えられた。最盛期は上野~青森間に2往復、上野~秋田間に1往復の計3往復が運転されていた。1997年3月22日改正では、寝台特急「鳥海」が「あけぼの」に統合され、現在の上越・羽越本線経由の「あけぼの」となった。

 2002年12月1日の寝台特急「はくつる」の廃止により、首都圏と東北を結ぶ唯一の寝台特急列車として活躍。また、運賃と指定席特急料金でB寝台のベッドに横になって休める「ゴロンとシート」が好評を博して、女性専用の「レディースゴロンとシート」も登場した。

 しかし、車両の老朽化や乗客の減少により2014年3月15日改正で臨時列車化されることが決定し、3月14日に上野駅と青森駅を発車する列車で約44年の歴史に幕を閉じることになった。今後は多客時の臨時列車として運転される予定である。

1 24系客車

元祖ブルートレイン20系客車の後継車両のひとつとして登場。現在の「あけぼの」には白帯の24系客車と金帯の24系・24系25形客車が使用されている。

2 A寝台1人用個室

7号車に連結されるA寝台1人用個室の「シングルデラックス」。1車両に11室が設置されており、補助ベッドを使用すれば2人でも利用できる。

3 B寝台1人用個室

5・6号車に連結されるB寝台1人用個室の「ソロ」。1車両に28室が設置されており、奇数番号の個室は1階、偶数番号の個室は2階になっている。

4 B寝台

2~4・9・10号車に連結される開放式B寝台。上下の2段式ベッドが向かい合わせに設置され、4人(車端の一部は2人)が1ブロックとなっている。

5 ゴロンとシート

開放式B寝台から浴衣や毛布、シーツなどの寝台サービスを省き、横になって休める座席として使用。普通車指定席特急券で利用できることで人気がある。

6 レディースゴロンとシート

1・8号車に連結される熊のロゴが付いた「ゴロンとシート」。このうち1号車は女性専用の「レディースゴロンとシート」として使用されている。

DATA

車両形式:24系客車8両編成(多客時は10両編成)
デビュー年:1970年10月1日(1997年3月22日から羽越本線経由)
運転日:2014年3月14日までの毎日運転
運転区間:上野~青森間(東北本線・高崎線・上越線・信越本線・羽越本線・奥羽本線経由)
・JR東日本「寝台特急あけぼの」

「あけぼの」でめぐる津軽路の旅

秋田県立美術館

2013年9月に開館し、藤田嗣治画伯の大壁画『秋田の行事』が常設展示されている新しい県立美術館。建物は建築家・安藤忠雄による斬新なデザインで、千秋公園を眺められる空間がある。

ねぶり流し館

東北三大祭りのひとつ「秋田竿燈まつり」などの民俗芸能を展示する施設。祭りの様子を上映する映像シアターがあるほか、竿燈を担ぐ体験もできる。

きりたんぽ鍋

つぶしたご飯を杉の棒に巻き付けて焼いたものを鍋にした秋田県の郷土料理。鶏ガラ醤油ベースのダシ汁で鶏やゴボウなどの具材を一緒に煮込む。

弘前公園

藩政時代の弘前城の跡地を利用した公園。江戸時代に再建された弘前のシンボルの天守をはじめ、歴史的に貴重な文化財が多く残っている。

洋館さんぽ

明治時代に数多くの洋館が建築された弘前。現在もカトリック弘前教会(写真)をはじめ、当時の技術の粋を集めた洋館が市内各所に建っている。

八甲田丸

1988年3月まで青森と函館を結ぶ青函連絡船で活躍した八甲田丸を係留。往時の船内を見学できる日本初の鉄道連絡船ミュージアムになっている。

三内丸山遺跡

日本最大級の縄文時代前期から中期の集落跡。併設された縄文時遊館には、縄文時代の暮らしを学べるシアターやミュージアムもある。

のっけ丼

青森の新鮮な食材が揃った青森魚菜センターの名物丼。どんぶりご飯の上に、好きな具材を選んで好きなだけのっけるという究極のわがまま丼。

文・写真:結解喜幸 写真:裏辺研究所SONIC RAIL GARDEN、青森県、秋田観光こまち
※掲載されているデータは2014年2月現在のものです。

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