『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。

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    新幹線・特急で行く5日間! 夫婦フルムーンの旅 (4)ニッポン城と花めぐり

    君とレールと、どこまでも。

    この春、夫婦あわせて88歳以上になった。だから記念に旅に出よう。いつか話したフルムーン夫婦旅。ガタンゴトンと列車に揺られ、寝顔を見つめレールの上なら、今よりきっと、素直になれるはず。

    1日目 | 北海道エリア | 春絶景を求め、北へ。松前城の桜を愛で、血脈桜を観る

    1. 「さくら名所100選」にも選ばれた松前公園の桜
    2. 光善寺の「血脈桜」。濃厚な八重の桜で、見頃は5月初旬から
    3. 日が落ちる少し前から輝きが増すさまを眺めたい函館の夜景
    4. 青函トンネルをくぐり、北の大地へ向かう北海道新幹線「はやぶさ」

     日本の城は風格に満ち、どの季節も美しいが、春、周囲を桜に彩られた城の景観は白壁に薄紅色が映え、得もいわれぬ情景となる。その相性の良さは、まるで仲のいい夫婦のよう。「フルムーン夫婦グリーンパス」発売中の今、城と花の情景を求めて旅立とう。なかでも、今から旅の計画を練って出発できる北海道の「松前城」の桜景色からスタートする「城と花めぐり」に!

     北海道新幹線の登場で北の新たな玄関口となった木古内(きこない)駅からバスで、松前城へ。松前城は安政元年(1854)に完成した北海道唯一の日本式城郭だ。松前藩の時代に本州から渡ってきた人々が、江戸や京都を偲(しの)んで桜を植えたのがきっかけで、大正以降は市井の花守たちが桜の増殖に尽力。今では松前公園として整備された一帯に、約250種1万本以上の桜が咲き誇る。

     こぢんまりとかわいらしい趣もある天守閣(復元)と桜の光景は絶妙だ。松前公園近くの光善寺境内にある推定樹齢300年以上の血脈(けちみゃく)桜を親木とする八重桜の品種「南殿(なでん)」が有名だが、早咲き・中咲き・遅咲きの桜が揃うため、4月下旬から1カ月の間、花見を楽しむことができる。地元の桜研究家が全国各地から桜を収集し、品種改良によって生み出した新種の桜も多くあり、公園内の一角にある「桜見本園」ではとくに珍しい約140種480本の桜を観ることができる。

     城一帯の桜景色を満喫したら、光善寺の「血脈桜」へ。昔、寺の建て直しの際、桜の大木を切り倒そうとしていた前日の晩、桜模様の着物を着た美しい女性が死にゆく身だからと血脈(極楽浄土への証文)を求めた。翌日、桜を見上げると、昨晩与えた血脈が風に揺れており、住職は桜の伐採をやめた、という伝説が残る桜だ。

     松前城や伝説の血脈桜の余韻に浸りながら、バスと北海道新幹線で新函館北斗駅へ向かい、在来線に乗り換え、函館駅で下車。バスに乗り継ぎ、函館山へ。ロープウェイで展望台に昇り、扇形の光が広がる函館市街を漆黒の海が挟み込む夜景を、存分に味わおう。いくつもの麗しい景色に出合った旅の初日、いい夢が見られそうだ。

    本日の景色

    松前城

    ◎スポットの情報

    ~12月10日の9時~16時30分(ライトアップは通年で日没~21時)

    入館料:大人360円

    ◎アクセス

    北海道新幹線木古内駅前から松前出張所行き函館バス1時間29分の松城下車、徒歩6分

    詳細はこちら

    2日目 | 東日本エリア | 足利で夢のように美しい昼夜のフジに酔う

    1. 「あしかがフラワーパーク」の夜のフジは妖艶な表情を見せる。白藤の見頃は5月上旬
    2. 樹齢約150年の大藤が地面につかんばかりに一面に花を垂らす大藤棚。「あしかがフラワーパーク」内
    3. 新幹線を乗り継ぐ旅も楽しい。写真は「フルムーン夫婦グリーンパス」で乗車できる北陸新幹線グリーン車席
    4. 高崎駅からは在来線の両毛線に乗車

     北の大地の桜が見頃の時期には、関東以西は春真っ盛りで、あちこちでさまざまな花々が咲き誇る。花好きなら誰しも見たいと思うのが、アメリカのニュース専門テレビ局CNNが選出した「2014年世界の夢の旅行先10カ所」のひとつで、日本から唯一選ばれた栃木県「あしかがフラワーパーク」のフジの絶景だ。

     北海道・東北新幹線と北陸新幹線を乗り継いだ後、高崎駅から素朴な両毛線に乗るのもなんだか楽しい。赤城山など上毛の山々を眺めながら、のどかな山里の景色のなかを走る。渡良瀬川を渡った先、桐生(きりゅう)駅からは足尾山地の縁に沿って進む。関東平野の周縁部でもある沿線は畑や田んぼも多く、車窓を眺めていると、のんびりとした心持ちになる。

     富田駅から徒歩13分で「あしかがフラワーパーク」へ。フジといえば紫のイメージが強いが、同園ではうす紅・紫・白・黄色の花が順に開花し、さまざまな色合いを楽しめる。総面積約1000平方メートルの藤棚や、世界でも珍しい八重の大藤棚、庭木仕立て、スクリーン仕立て、80メートルにわたって続くトンネルなど、どの姿も出合った瞬間、息をのむほどに美しい。見頃を迎える4月22日~5月14日は開園時間を21時まで延長。闇夜にライトアップされ、池に映った幻想的な姿など、妖艶なフジをいっそう楽しめる。

     パーク内にはレストラン「ウェステリア」や屋外フードブースがあり、和洋食や栃木名物の佐野ラーメンも味わえる。夜のフジを存分に楽しみ、夕食もパーク内で済ませて、両毛線で東北新幹線の停車駅である小山(おやま)駅へ移動して宿泊すれば、翌日の朝が少し楽になるだろう。

    本日の景色

    あしかがフラワーパーク

    ◎スポットの情報

    9~18時(季節により異なる。平成29年4月22日~5月14日は7~21時)

    入園料:大人300~1700円(季節により異なる)

    ◎アクセス

    両毛線富田駅から徒歩13分

    詳細はこちら

    3日目 | 東海エリア | 大河ドラマで話題!井伊家ゆかりの古刹でサツキを愛でる

    1. 「龍潭寺」の「新緑・さつき祭」期間中(~平成29年6月30日)は春の特別展示「井伊家展」も開催
    2. 「直虎シアター」や井伊谷の井戸端を再現したセットもある「『おんな城主 直虎』大河ドラマ館」
    3. 浜名湖を望む「舘山寺サゴーロイヤルホテル」の屋上露天風呂
    4. N700A車両で運転される東海道新幹線「ひかり」

     世界に誇るフジを楽しんだ翌日は、東北新幹線と東海道新幹線を乗り継いで、東海エリアの城と花の魅力が相まった見どころへと向かおう。平成29年NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』で話題の浜松へ!

     浜松駅前から遠鉄バスに乗車し、気賀駅前で下車。そこから徒歩3分の「『おんな城主 直虎』大河ドラマ館」で井伊直虎の人生を再確認。館内にはドラマ出演者の衣装展示や、パノラマシアターでメイキング動画などを楽しめる「直虎シアター」などがあり、見学すると今後の大河ドラマへの期待がさらに高まる。

     次に、井伊家の菩提寺「龍潭寺(りょうたんじ)」へ。大河ドラマ館の開館期間にあわせ、平成30年1月14日まで「大河ドラマ館」と「龍潭寺」を結ぶシャトルバスが運転されており、アクセス便利だ。龍潭寺第二世住職・南渓(なんけい)和尚は、度重なる悲劇から、直虎の甥にあたる幼い虎松を除いて跡取りとなる男子の途絶えた井伊家において、直虎を“女城主”に仕立てた立役者として知られる。歴史ファンなら、ぜひとも拝観したい。しかも、龍潭寺の庭園は小堀遠州作で東海随一の呼び声も高く、4月下旬~5月初旬はサツキが咲き誇る。歴史の地の花景色に夫婦揃って大満足だ。龍潭寺周辺には直虎の先祖、井伊家初代の共保(ともやす)が生まれたとされる井戸や井伊家居館跡など、ゆかりの地が多数あるので、時間の許す限り散策したい。

     シャトルバスで「大河ドラマ館」に戻ったら、同じく「大河ドラマ館」の開館期間中に運転されているシャトルバスで、今晩の宿の舘山寺(かんざんじ)温泉へと向かう。浜名湖畔に位置する舘山寺温泉には、湖を眺めながら浸かれる展望露天風呂を備える宿が多く、なかでもおすすめは「舘山寺サゴーロイヤルホテル」の屋上露天風呂「飛天」だ。地上40メートルから雄大な浜名湖の広がりを体感でき、昼間の明るい浜名湖はもちろん、男性専用時間にあたる夕暮れ時、女性専用時間にあたる朝焼け時ともに、いずれもうっとりするほどの景観を見せる。もちろん専用時間外にはホテル10階にある露天風呂付き展望大浴場に入れるので、屋上と10階、両方の露天風呂からさまざまな時間帯の浜名湖の景観を楽しもう。

    本日の景色

    龍潭寺

    ◎スポット情報

    拝観時間:9時~16時30分、8月15日、12月22~27日休

    拝観料:大人500円

    ◎アクセス

    東海道新幹線浜松駅前から遠鉄バス60分の気賀駅前下車、徒歩3分

    詳細はこちら

    4日目 | 西日本エリア | 世界遺産の白亜の城とSL「貴婦人」の姿に感激

    1. シラサギが羽を広げたような優美な姿の「姫路城」
    2. 姫路城を借景とする贅沢な日本庭園「好古園」
    3. 美しい姿から「貴婦人」の愛称で呼ばれるSL「やまぐち号」
    4. 温泉街に足湯や飲泉場が点在する湯田温泉

     城と花をめぐる列車旅において、新幹線で訪ねやすいロケーションにあり、城の風格としても日本随一を誇る「姫路城」を訪れないわけにはいかないだろう。そこで旅の4日目は、東海道・山陽新幹線で姫路へ。平成27年春に約5年半におよんだ平成の大修理を終え、真っ白く蘇(よみがえ)った白亜の城だ。

     菱(ひし)の門から入城し、いの門、ろの門をくぐれば、長い石垣の奥にそびえる天守がなんとも美しい。中に入ると、改修前は蛍光灯だった照明が行灯風のLEDに換わっており、各階にあった資料や展示物も最小限になるなど、創建当時により近い雰囲気となっている。5重7階の大天守の急な階段を昇るのは少々息が上がるが、それも約400年前そのままの姿と思うと、うれしくなる。

     城内を満喫したら、城の南西に位置する武家屋敷などの遺構を生かして造営された池泉回遊式の日本庭園「好古園(こうこえん)」を訪ねよう。約1万坪におよぶ広さで、池と木々が美しく配置された情緒豊かな日本庭園の向こうに、姫路城がそびえるさまは感動的。タイムスリップして、江戸時代に姫路城下で暮らした武士になったかのような気分を味わえる。

     「姫路城」と「好古園」を堪能したら、今晩宿泊する山口・湯田(ゆだ)温泉へ。姫路駅14時46分発の新幹線「ひかり469号」に乗車し、岡山駅で「さくら561号」に乗り継ぎ、新山口駅に17時8分着。「貴婦人」の愛称で親しまれるSLの到着を待つのだ。17時30分、新山口駅に「SLやまぐち号」がやってきた(運転日は~6月11日の土曜・休日)。今回の旅程では乗車しないが、やはり、その優美な姿は見ておきたい!

     「SLやまぐち号」がホームを離れ、姿が見えなくなるまで見送ったら、山口線の下り列車で、湯田温泉へ向かう。室町時代に傷ついた白狐が浸かっていたことから発見されたと伝わる湯田温泉。アルカリ性が強い泉質のためクレンジング効果が期待でき、美肌の湯といわれる。宿の湯にじっくり浸かるのはもちろんだが、温泉街には足湯が6カ所点在するので、散策がてら足湯を楽しむのもいいだろう。

    本日の景色

    姫路城

    ◎スポットの情報

    9~16時(4月27日~8月31日は~17時)

    入城料:大人1000円

    ◎アクセス

    山陽新幹線姫路駅前から城周辺観光ループバス5分の姫路城大手門前下車、登閣口まで徒歩5分

    詳細はこちら

    5日目 | 九州エリア | 花の島旅を楽しみ、熊本を旅して応援

    1. 「のこのしまアイランドパーク」の菜の花。見頃は4月中旬まで
    2. 「のこのしまアイランドパーク」のリビングストンデージー。赤・オレンジ・ピンク・黄・白色と多彩。
    3. 二の丸広場から望む「熊本城」。被災後も城は凛々しい
    4. 九州新幹線「さくら」「つばめ」に使用される800系

     最終日は関門海峡を渡り、九州へ。博多駅からバスと能古島行きフェリーを乗り継ぎ、春の花が咲き乱れる「のこのしまアイランドパーク」へ。約17万平方メートルの敷地内は、エリアごとにさまざまな花が咲く楽園だ。春は菜の花に始まり、桜、ツツジ、5月上旬まで見られるポピーやリビングストンデージー、4月下旬~7月下旬に見られるマリーゴールドと、いずれも圧倒的な花景色を見せる。菜の花やリビングストンデージー、マリーゴールドの花畑は海が見える場所に位置するため、花畑越しに青い海を望むことができ、この上ない感動を味わえる。

     そして旅の最後の最後、あの、気になる城のある地へ足を踏み入れよう。平成28年春、熊本地震により大きな被害を受けた「熊本城」だ。西南戦争の戦火をくぐり抜け、加藤清正が築城した当初から残る国指定重要文化財の宇土櫓(うとやぐら)や、史実に忠実に再現された本丸御殿など以前は見どころが豊富であったが、現在は城内のほとんどのエリアに立ち入ることができない。しかし、城ファンとしては、立ち入り可能な二の丸広場や加藤神社から天守閣や櫓などを遠望し、一日も早い復興を心から応援したい。

     また、城のふもとにある飲食・みやげ物店が集まる複合施設「桜の馬場 城彩苑」を訪れてみよう。苑内の歴史文化体験施設「湧々座(わくわくざ)」1階で「復興城主」(一口1万円~)に申し込むと、仮の城主手形が発行され、市内の観光施設で特典を受けられる(後日、本城主手形と本城主証も送られてくる)。また「熊本城バーチャルリアリティー」の映像などさまざまな設備も備わっており、体験しながら熊本城の歴史に触れてみたい。毎日11時30分、14時30分から行なわれる「熊本城おもてなし武将隊」の演舞も楽しみだ。

     時間が許せば、加藤家の次に熊本藩主となった細川家が築いた名庭「水前寺成趣(じょうじゅ)園」を散策し、熊本駅から新幹線で帰路につこう。城と花の景色を思う存分満喫し、満足感でいっぱいの夫婦フルムーンの旅。帰りのグリーン車では、旅の思い出話に満開の花が咲くことだろう。

    本日の景色

    のこのしまアイランドパーク

    ◎スポットの情報

    9時~17時30分(日曜・祝日は~18時30分)、無休

    入園料:大人1200円

    ◎アクセス

    九州新幹線博多駅前から能古渡船場行き西鉄バス約42分の終点下車、フェリーに乗り継ぎ10分の能古島渡船場下船、アイランドパーク行き西鉄バス約13分の終点下車すぐ

    詳細はこちら

    今回の旅程のうち、バス乗車および能古島~姪浜間フェリー乗船料金は「フルムーン夫婦グリーンパス」の適用外です。ご利用の際は別途料金が必要になります。

    JR「フルムーン夫婦グリーンパス」発売中!

    JRでは、お二人の年齢合わせて88歳以上のご夫婦を対象に、JR線のグリーン車(新幹線「のぞみ」「みずほ」など一部列車、設備を除く)およびBRT(バス高速輸送システム)ならびにJR西日本宮島フェリーに有効期間内に自由に乗り降りできる「フルムーン夫婦グリーンパス」を発売しています。

    『トレたび』では、全国の素敵な「宿」や「夜景」など、ユニークな旅のテーマを掲げた新しい夫婦旅を提案。ご夫婦そろって新しいフルムーンの旅をはじめませんか?

    ◎種類とねだん(2人分)
    フルムーン夫婦グリーンパス
    【5日間用】82,800円(一般用)
    【7日間用】102,750円(一般用)
    【12日間用】127,950円(一般用)

    お二人のうちどちらかが70歳以上の場合、よりおトクな「フルムーン夫婦グリーンパス(シルバー用)」を利用できます。

    ◎発売期間
    平成29年5月31日(水)まで
    ◎利用期間
    平成29年6月30日(金)までの連続した5・7・12日間

    「フルムーン夫婦グリーンパス」の詳細はこちら

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