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フルムーン夫婦グリーンパスで行く新幹線の旅 花より団子の「弾丸フルムーン」 ~愛媛・道後温泉から岩手・台温泉へ、列島縦断3600kmの旅~

  • 1日目 漱石ゆかりの 松山、道後温泉へ
  • 2日目 岡山に立ち寄り 新幹線で東京へ
  • 3日目 新潟へ出かけ 花見も寿司も
  • 4日目 白河で花を愛で 岩手、台温泉へ
  • 5日目 平泉を歴史散策 「はやて」で帰京

3日目 上越新幹線に乗って行く春の新潟 寿司に花見、名物団子の日帰り旅 上越新幹線[東京⇔新潟]

  • 2階建て新幹線が多く走っている上越新幹線。E4系車両のグリーン席も2階にあり、眺望抜群

  • E4系2階建て新幹線のグリーン席。窓も広く、2階から上越路の風景が存分に楽しめる

  • 日本海の味覚の宝庫、新潟。佐渡近海で獲れた甘エビは、とろけるような甘さがたまらない

  • 新潟では日本海の王様こと「ブリ」も味わってみたい。ほどよく脂がのった身は食べ応えあり

  • 新潟の桜名所では人々が車座になって花見の真っ最中。見ているこちらまで楽しい気分に

  • 笹の香りとヨモギの風味、そして餡が絶妙にマッチしておいしい新潟名物の「笹団子」

 南北に長い日本列島。南国、高知をスタートした今年の桜前線は、北海道東部にゴールするまで約2カ月かかるという。日本気象協会の予想(3月21日発表)によれば、福島あたりの開花は4月13日、新潟や仙台で同15日になっている。5日間の旅程で南の桜も北の桜も満開日に出かけるのは困難だが、桜には早咲きもあれば遅咲きもある。思い立った吉日に旅に出れば、どこかで桜が花を咲かせているだろう。

 また、このプランのように南も北も訪ねる場合、どちらかの満開に合わせて出発日を決め、一方は温泉やグルメを楽しむ「花より団子」の旅にするのもフルムーンらしい。

 さて、旅の3日目は日帰りで新潟へ。上越新幹線には2階建て新幹線が多く走り、2階のグリーン席は眺望抜群。この季節、上越国境、大清水トンネルをくぐり、残雪の越後湯沢にさしかかった時の車窓はお見逃しなく。小説『雪国』(川端康成作)の一節そのものの景色はまさに壮観の一言。

 新潟では日本海の美味が待つ。甘エビなどを堪能し、デザートには名物の笹団子。食後、市内を歩けば、桜名所の白山公園周辺で人々が車座になってお花見の真っ最中。見ているこちらまでハッピーな気分になってくる。

 新潟では、春の観光キャンペーン「うまさぎっしり新潟」を開催中。スタンプラリーもあって、旅がより愉快に。上越新幹線は本数も多く、東京からの所要時間も片道2時間ほどと近い。ご夫婦ごと、目的に合った時間帯の列車を選び、春の新潟を謳歌してほしい。

3日目●乗車距離:667.8km 運賃合計2人分:55,040円
【各区間ごとの運賃と乗車距離】
東京~新潟:@ 13,760円(乗5,460円 特グ8,300円) 乗車距離333.9km
新潟~東京:@ 13,760円(乗5,460円 特グ8,300円) 乗車距離333.9km
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数

モデルコース

<東京発5日間・後編 【旅の3日目】>
新潟へ出かけ、花見も寿司も
3日目 発着駅 時間 メモ
新潟へ、花より団子の日帰り旅(自宅泊)
~ E4系に乗車 ~
東京 発 9:28 上越新幹線【Maxとき315号】グリーン車(E4系)
新潟 着 11:31 新潟でもお花見
新潟 発 15:48 上越新幹線【Maxとき334号】グリーン車(E4系)
東京 着 18:00 自宅泊

旅のメモ

観光の問合せ
■新潟:新潟観光コンベンション協会 TEL. 025-223-8181

花より団子コラム③ 中部&近畿の名物団子

 日本列島の中央にあって、北陸や東海も含まれる中部地方。まずは新潟名物の「笹団子」を食べてみたい。餡子の入ったヨモギの団子を笹の葉でくるみ、スゲの紐で巧みに縛って蒸し上げた伝統の和菓子だ。その歴史は古く、戦国時代の携行食として生まれたという。殺菌効果がある笹の香りとヨモギの風味が絶妙で、バナナのように笹の葉をむいて食べるのも楽しい。新潟駅などで購入でき、おみやげにも喜ばれそうだ。また、静岡県袋井市にある法多山尊永寺の名物「厄除だんご」も人々に親しまれている。

 近畿地方では、京都発祥の「みたらし団子」が有名。凛とした空気も清々しい下鴨神社、その境内にある御手洗池(みたらしのいけ)にちなむという。串の刺し方にも特徴があり、京都旅行の折に味わってみたい。

新潟名物の「笹団子」は、スゲの紐をほどき、バナナの皮のように笹の葉をむいていただく

4日目 白河、仙台を経て岩手・台温泉へ 1泊2日、春のみちのく夫婦二人旅 東北新幹線[東京⇒新白河⇒仙台⇒新花巻]

  • E2系新幹線のグリーン席。座席の間隔も広く、リクライニングシートでくつろぎのひと時を味わえる

  • かつて白河の関が置かれた、みちのくの玄関口、福島県白河市。桜の背後には残雪の山々も見える

  • 白河名物、南湖公園の「南湖だんご」。松平定信公にちなみ、200年の歴史を持つという

  • 仙台と聞くと、やはり牛たん料理が食べたくなる。ランチの「牛たん丼」もおいしく完食!

  • 岩手・台温泉の部屋付き半露天風呂。とうとうと湧く源泉かけ流しの湯にのんびりとひたる

  • 台温泉の宿、部屋でいただく夕食は岩手の味覚が並び、心もお腹も満月のように満たされる

 昨年3月に起きた東日本大震災。再び立ち上がる東北を桜もきっと見守っている。1泊2日のささやかな夫婦旅であれ、復興の一助になればうれしい。

 みちのくの玄関口、福島県白河市。かつて白河の関が置かれ、現在は新白河駅に東北新幹線がやってくる。ここ白河には桜名所、南湖公園(新白河駅から棚倉行きJRバスで約10分)があり、花見かたがた名物の南湖だんごで一服してみたい。白河藩主松平定信公にちなみ、200年の歴史を持つという南湖だんご。小豆の餡とみたらしのコンビは仲良し夫婦のようにも見える。

 岩手への道すがら、仙台で途中下車してランチタイム。牛たん料理で有名な仙台では、お目当ての「牛たん丼」を完食。おりしも「仙台・宮城【伊達な旅】春キャンペーン」が展開されている仙台。フルムーンパスなら仙台での滞在時間を増やすプランに変更するのも簡単だ。

 名湯ひしめく東北地方。新幹線で行きやすい新花巻駅周辺にも幾多の温泉がある。ひなびた雰囲気がお好みなら、花巻温泉の奥にたたずみ、こんこんと湯が湧く台温泉がおすすめ。新花巻駅発着の無料シャトルバス「湯ーハトーブ号」については詳細等ぜひご確認を。

 せっかくのフルムーン旅行、旅の最後の夜はちょっと贅沢をしてみたい。源泉かけ流しの半露天風呂がついた部屋を予約。あふれ出る温泉に心ゆくまでひたり、お楽しみの夕食は山海の幸を部屋食で。心もお腹も満月のように満たされ、至福の夜が更けていく。

 

4日目●乗車距離:500km 運賃合計2人分:44,960円
【各区間の運賃と乗車距離】
東京~新白河:@ 7,980円(乗3,260円 特グ4,720円) 乗車距離185.4km
新白河~仙台:@ 7,460円(乗2,940円 特グ4,520円) 乗車距離166.4km
仙台~新花巻:@ 7,040円(乗2,520円 特グ4,520円) 乗車距離148.2km
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数

モデルコース

<東京発5日間・後編 【旅の4日目】>
白河で花見、仙台でランチ、
そして、岩手の名湯、台温泉へ
4日目 発着駅 時間 メモ
白河、仙台に立ち寄り、
岩手、台温泉へ(台温泉泊)
~ E2系、E3系に乗車 ~
東京 発 8:20 東北新幹線【なすの253号】グリーン車(E2系+E3系)
新白河 着 9:46 お花見タイム
新白河 発 12:50 東北新幹線【やまびこ209号】グリーン車(E2系)
仙台 着 13:48 ランチタイム
仙台 発 14:42 東北新幹線【やまびこ61号】グリーン車(E2系)
新花巻 着 15:40 台温泉などでのんびり

旅のメモ

観光の問合せ
■白河:白河観光物産協会 TEL. 0248-22-1147
■仙台:仙台市総合観光案内所(JR仙台駅2F) TEL. 022-222-4069
■台温泉(花巻):花巻観光協会 TEL. 0198-29-4522

花より団子コラム④ 中国地方の名物団子

 山陰と山陽からなる中国地方。ここにも名物団子がある。山陰側では、やはり鳥取県倉吉市の「打吹公園だんご」になるだろう。小さな三色(白餡、小豆餡、抹茶餡)の団子で、四国・松山の「坊っちゃん団子」に似た感じ。ただ、こちらは三色の団子の並び順が3通りあって、見た目も美しく、食べるのが惜しいほど。倉吉駅をはじめ、米子駅や鳥取駅でも購入できる。
 山陽側では岡山の「吉備団子」が真っ先に思い浮かぶ。おとぎ話の桃太郎と、和菓子の「吉備団子」に関係はないそうだが、素朴な食感はおとぎ話によく似合う。こちらは岡山駅でさまざまなタイプが販売されており、旅の途中の“おやつ”にうってつけだ。

岡山駅でおみやげに購入した名物の「吉備団子」。おとぎ話のような素朴な味わいがいい

5日目 台温泉から盛岡、一ノ関、平泉へ 岩手の魅力に触れ、新幹線で帰京 東北新幹線[新花巻⇒盛岡⇒一ノ関]/東北本線[一ノ関⇔平泉]/東北新幹線[一ノ関⇒東京]

  • 台温泉では朝風呂も楽しみたい。チェックアウトの時間までのんびり過ごすのも贅沢な気分

  • いい温泉に入るとなぜか朝から食欲もりもり。ついついご飯をお代わりしてしまう

  • 盛岡で食べた岩手のブランド牛、前沢牛の炙り寿司。さっと炙った肉は旨味が一段と増す

  • しっとりと咲く平泉の桜。世界遺産の地を歴史散策すれば、出会う桜の美しさにも心なごむ

  • 一ノ関駅の豪勢な駅弁「平泉」。ウニを散らしたご飯にアワビが輝く、まさに金色の駅弁

  • 5日間の旅から東京へ帰る新幹線。E2系グリーン車は快適そのもので、また旅に出たくなる

 2012年4月1日から6月30日まで岩手で開催の「いわてデスティネーションキャンペーン」。旅の最終日は、キャンペーンで盛り上がる岩手の魅力に触れて帰京しよう。

 台温泉で朝からのんびり過ごした後、ランチを食べに盛岡へ。三大ご当地麺(盛岡冷麺、盛岡じゃじゃ麺、わんこそば)や、ご当地ブランド牛の前沢牛を味わってみたい。

 午後、一ノ関で在来線に乗り換えて平泉へ向かう。昨年6月、「平泉 - 仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群」の名で世界遺産リストに登録された平泉。これは岩手のみならず、日本全体にとって明るいニュースとなった。花見ともども歴史散策をすると、中尊寺界隈で咲く桜も登録を喜んでいるように見えた。

 ところで、岩手といえば「雨ニモマケズ」の宮沢賢治という方も多いと思う。台温泉のある花巻は宮沢賢治生誕の地でもあり、プランを変更し、清廉な生涯をおくった彼の足跡をたどってみるのもいいだろう。また、岩手といえば、石川啄木のファンも多い。上野駅を詠んだ歌「ふるさとの訛(なまり)なつかし停車場の…」には、せつないほど郷里への想いが漂っている。盛岡や渋民へ行って彼の原点を訪ねてみたい。さらに、民話がお好きなご夫婦には遠野がおすすめ。花巻あるいは新花巻から釜石線で1時間ほどと行きやすい。

 春の観光シーズン、各地で開催されるイベントが旅に彩りを添えてくれる。それらも上手くプランに組み入れ、花も団子も、そして、花も実もあるフルムーン旅行にぜひお出かけを!

5日目●乗車距離:585km 運賃合計2人分:48,380円
【各区間ごとの運賃と乗車距離】
新花巻~盛岡:@ 3,440円(乗650円 特グ2,790円) 乗車距離35.3km
盛岡~一ノ関:@ 4,410円(乗1,620円 特グ2,790円) 乗車距離90.2km
一ノ関~平泉:@ 190円(乗190円) 乗車距離7.2km
平泉~一ノ関:@ 190円(乗190円) 乗車距離7.2km
一ノ関~東京:@ 15,960円(乗7,140円 特グ8,820円) 乗車距離445.1km
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数

モデルコース

<東京発5日間・後編【旅の5日目】>
平泉を歴史散策 「はやて」で帰京
5日目 発着駅 時間 メモ
盛岡から平泉をまわり、「はやて」で帰京
~ E2系、E3系に乗車 ~
新花巻 発 10:53 東北新幹線【はやて103号】グリーン車(E2系+E3系)
盛岡 着 11:04 ランチタイム
盛岡 発 12:10 東北新幹線【やまびこ56号】グリーン車(E2系)
一ノ関 着 12:47 在来線に乗り継ぎ
一ノ関 発 13:26 東北本線・普通列車
平泉 着 13:33 中尊寺などを歴史散策
平泉 発 16:27 東北本線・普通列車
一ノ関 着 16:35 東北新幹線に乗り継ぎ
一ノ関 発 17:06 東北新幹線【はやて110号】グリーン車(E2系)
東京 着 19:24 花より団子フルムーンの終わり

旅のメモ

観光の問合せ
■盛岡:盛岡観光コンベンション協会 TEL. 019-621-8800
■平泉:平泉観光協会 TEL. 0191-46-2110

花より団子コラム⑤ 四国&九州の名物団子

 明治の文豪、夏目漱石。彼は若き日に英語教師として、四国は松山、そして、九州は熊本に赴任したが、そのいずれの都市にも今や名物団子が定着している。東京の「羽二重団子」といい、夏目漱石は団子と深い縁があるようだ。
 松山といえば彼の小説『坊っちゃん』にちなむ「坊っちゃん団子」が名物になっている。道後の温泉街で買い求め、湯あがりにも食べてみたい。
 一方、熊本の名物団子といえば「いきなり団子」。こちらは輪切りにしたサツマイモに餡をのせ、小麦粉の皮でくるんで蒸かしたもの。「いきなり」には短時間でできるという意味もあるのだとか。サツマイモと餡子の相性も良く、もし漱石がいたら、熊本駅で購入し、きっと九州新幹線で食べていただろう。

熊本名物「いきなり団子」を半分にしたところ。中味のサツマイモや餡の様子がよくわかる

<東京発5日間の運賃総額、JR総乗車距離>
JR運賃総額:277,460円(2名分合計 通常期で算出)
JR総乗車距離3647.4km ※運賃計算キロ
お得になった金額:196,960円(JR運賃総額-フルムーン5日間パス80,500円)
乗車倍率:3.44倍(JR運賃総額÷フルムーン5日間パス80,500円)
※運賃計算キロは、JR東日本のサイト、えきねっと「乗換・運賃案内」で表示のものです

● 旅人(著者)紹介 相澤秀仁&相澤京子

写真家、パズル作家。日本のすべての都道府県を夫婦で3巡している。これまでに100日「フルムーン旅行」をし、JR路線も約9万キロ乗車。著書(夫婦の共著)は写真集『猫ヶ島』、『わらいねこ』をはじめ、『旅してでも食べたい 地もの旬もの回転寿司』など。また、英語クロスワードパズルを新聞に17年に渡って連載。
ホームページhttp://www.aizawa22.com

 

文・撮影:相澤秀仁&相澤京子
※掲載されているデータは平成24年3月21日現在のものです。
※JRの時刻データは平成24年3月17日ダイヤ改正後のデータです。
※『JR時刻表』3月号を使用。到着時刻等、一部時刻未掲載のものは、えきねっと「乗換・運賃案内」で表示の時刻を使用。
※運賃は通常期の「平成24年4月7日」をモデルに算出しました。

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