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フルムーン夫婦グリーンパスで行く新幹線の旅カキを求めて5000kmのフルムーン~三重、広島、佐賀、札幌、仙台で味わう旬のカキ(牡蠣)~

  • 1日目|三重県的矢にて 絶品のカキ料理
  • 2日目|広島で途中下車 カキ&広島焼き
  • 3日目|佐賀県多良にて 炭火焼きのカキ
  • 4日目|北海道、札幌で 厚岸産のカキを
  • 5日目|みちのく仙台で カキも牛たんも

3日目|博多駅から『たらカキ焼海道』へ
豪快にカキを食べて、一旦、帰京|鹿児島本線・長崎本線[博多⇔多良]/山陽・東海道新幹線[博多⇒東京]

  • 多良駅に到着した特急「かもめ」。多良には冬場、上下各2本の特急「かもめ」が臨時停車する

  • 多良駅の駅舎。多良駅は佐賀県太良町にあり読み方はいずれも「たら」。駅と町では字が異なる

  • 多良名物の一つ「竹崎カキ」。『カキ焼海道』の店ではカゴ単位等で購入し炭火焼きで味わう

  • 『たらカキ焼海道』の店で楽しむ炭火焼きの「竹崎カキ」。自分で焼いて食べると一段と旨い

  • 乗り慣れた700系「ひかり」で新大阪から東京へ。乗車の際、なんとなく我が家へ帰った気分に

  • 開業当時の姿によみがえった東京駅丸の内「赤レンガ駅舎」。ライトアップされて夜空に輝く

 九州といえば南国、暖かい土地のイメージ。カキと聞いてもピンとこないかもしれない。しかし、実は北部九州ではカキ養殖も盛んで、福岡県の糸島半島、長崎県の九十九島、佐賀県太良(たら)町の有明海などが有名どころ。旅の3日目は九州のカキを豪快に味わってみたい。

 博多駅から特急に乗って、向かうは佐賀県最南端の太良町。ここは竹崎漁港周辺で水揚げされる竹崎カキや竹崎カニ(ワタリガニの一種「ガザミ」)が一大ブランドに。シーズンともなると町内を通る国道207号沿いにはカキ焼き小屋が並び、一帯は『たらカキ焼海道』と呼ばれている。

 太良町の玄関は、同じ読み方でも字が異なる長崎本線の多良駅。普段は特急列車は通過するが、嬉しいことに冬場は上下各2本の特急列車が臨時停車(平成25年2月28日まで)する。博多から乗車した「かもめ13号」も多良駅に臨時停車するものだ。

 さて、多良でカキといえば炭火で豪快に焼くカキに尽きる。カゴに盛られたカキをカゴ単位で買うなりし、セルフで焼いて食べるスタイルがとても楽しい。火力の強い炭火が竹崎カキの旨味を引き出し、ほてった身体に染み渡るビールも最高!

 焼きガキを多良でたらふく食べ、一路、東京へ。この秋、東京駅丸の内「赤レンガ駅舎」は開業当時の姿によみがえった。駅舎には全面改装された東京ステーションホテルもあり、もし予約ができればこの日は自宅泊ではなく、“東京駅泊”とするのもいいだろう。

3日目●乗車距離:1367.5km 運賃合計2人分:92,220円
【各区間ごとの運賃と乗車距離】
博多~多良:@3,670円(乗1,770円 特グ1,900円)乗車距離96.3km
多良~博多:@3,670円(乗1,770円 特グ1,900円)乗車距離96.3km
博多~新大阪:@20,380円(乗9,350円 特グ11,030円)乗車距離622.3km
新大阪~東京:@18,390円(乗8,510円 特グ9,880円)乗車距離552.6km
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数

モデルコース

「カキ三昧フルムーン」3日目
多良で焼きガキを楽しみ、東京へ
(自宅泊)
佐賀県多良にて、炭火焼きのカキ
3

発着駅 時間 メモ
多良で焼きガキを楽しみ、東京へ
(自宅泊)
~ N700系、700系に乗車 ~
博多 発 9:55 特急【かもめ13号】グリーン車 885系「白いかもめ」
※多良駅臨時停車は平成25年2月28日まで
多良 着 11:04 駅からはタクシー等で、名物の焼きガキを食べに行こう (路線バスの便もあり)
多良 発 15:04 特急【かもめ26号】グリーン車 885系「白いかもめ」
※多良駅臨時停車は平成25年2月28日まで
博多 着 16:13 新幹線に乗り換え
博多 発 16:38 山陽新幹線【さくら562号】グリーン車(N700系)
新大阪 着 19:21 乗り換え
新大阪 発 19:40 東海道新幹線【ひかり482号】グリーン車(700系)
東京 着 22:40 この日は自宅泊

旅のメモ

観光の問合せ
■多良(太良町):太良町観光協会 TEL.0954-67-0065

カキが食べたいコラム 3  カキの産地

 日本で一般的なカキである「マガキ」の産地を北から南に見れば、北海道では厚岸や道南の知内(しりうち)、東北地方では石巻や松島エリアが知られている。また、新潟県佐渡の加茂湖もカキ養殖が盛んだ。
 東海地方というと三重県が代表格。志摩市の的矢湾で養殖される「的矢カキ」を筆頭に、鳥羽市浦村のカキも続く。西日本では瀬戸内海を忘れてはいけない。兵庫県の播磨灘、岡山県の日生(ひなせ)、広島県の広島湾などなど。特に広島は日本最大のカキ産地として名をはせている。
 九州北部も知る人ぞ知るカキの産地。博多の西、糸島半島や長崎県佐世保の九十九島、佐賀県太良町の有明海などのカキがいい。
 一方、「イワガキ」で見れば、隠岐など島根から、秋田、象潟(きさかた)にかけての日本海側に主な産地がひしめく。

日本最大のカキ産地、広島。広島湾にもカキ養殖イカダが浮かぶ。冬場はまさに書き入れ時だ

4日目|いよいよ北国のカキを味わう旅へ 
厚岸のカキに満たされる札幌の夜|東北新幹線[東京⇒新青森]/奥羽本線・津軽線・津軽海峡線・江差線・函館本線・室蘭本線・千歳線・函館本線[新青森⇒札幌]

  • 東北新幹線では「はやぶさ」「はやて」等のグリーン車でドリンクのサービスが受けられる

  • 新青森駅に到着したE5系が奥のE2系と並ぶ。E5系先頭車はいかにも速そうな表情をしている

  • 厚岸産のカキもおいしい。生ガキもよし、焼きガキもよし。プリプリでペロリと食べられる

  • 純厚岸産のブランドカキ「カキえもん」も美味。小ぶりだが濃厚で、まさしく「海のミルク」

  • 厚岸のカキを用いた「カキめし」もなかなかのもの。カキ好きの人はお代わりもしたいところ

  • 夜に華やぐ札幌、すすきの。ここはジンギスカンからカキまで北海道の味覚がみんなそろう街

 旅の後半、北国の海に育まれたカキを求め、北海道と東北へ。東京駅8時12分発「はやぶさ1号」グリーン車で出かけよう。

 東北新幹線E5系「はやぶさ」は最高時速300kmで走行、東京~新青森間を最短3時間10分で結ぶ。新青森からは在来線特急に乗り継ぎ、青函トンネルをくぐり、噴火湾に沿い、変化に富んだ車窓を楽しみながら札幌へ。札幌駅には17時29分に到着する。

 昭和56年(1981)秋、まだ東北新幹線未開業の時代に誕生したフルムーンパス。昭和57年(1982)4月の時刻表によれば、当時の花形列車、上野駅7時33分発「はつかり1号」の青森到着は16時22分、17時ちょうど発の青函連絡船25便が陸奥湾を航行中、現代ならその時間、とっくに札幌に到着してしまっている。これこそが新幹線の速さ、素晴らしさなのだろう。ちなみに青函連絡船25便の函館到着は20時50分。当日中、札幌までたどり着く列車はその先なかった。

 さて、北のグルメ都市、札幌。このところ根室や厚岸(あっけし)など道東勢の札幌進出もめざましい。回転寿司しかり、カキもしかり、まるで札幌が根室や厚岸になったようだ。道東と同等の新鮮さで味わえ、ここでは一般のカキのみならず、純厚岸ブランドのカキ「カキえもん」も食べておきたい。この「カキえもん」、低水温でじっくりと育ち、身は小ぶりながらも芳醇でプリプリ、なまら(北海道弁で「すごく」の意)旨かった。

 なまら広い北海道。次の機会にはフルムーンパスで道東をめぐり、厚岸をはじめ、釧路や根室、網走なども訪ねたい。

4日目●乗車距離:1196.7km 運賃合計2人分:81,880円
【各区間ごとの運賃と乗車距離】
東京~新青森:@21,360円(乗9,870円 特グ11,490円)乗車距離713.7km ※「はやぶさ」の運賃
新青森~函館:@7,500円(乗3,150円 特グ4,350円)乗車距離164.3km
函館~札幌:@12,080円(乗5,560円 特グ6,520円)乗車距離318.7km
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数

モデルコース

「カキ三昧フルムーン」4日目
札幌で北海道のカキを存分に味わう
(札幌泊)
北海道、札幌で厚岸産のカキを
4

発着駅 時間 メモ
札幌で北海道のカキを存分に味わう
(札幌泊)
~ E5系に乗車 ~
東京 発 8:12 東北新幹線【はやぶさ1号】グリーン車(E5系)
新青森 着 11:22 在来線に乗り換え
新青森 発 11:34 特急【スーパー白鳥15号】グリーン車
函館 着 13:44 乗り換え
函館 発 14:00 特急【北斗11号】グリーン車
札幌 着 17:29 厚岸産のカキを食べ、この日は札幌泊

旅のメモ

観光の問合せ
■札幌:札幌観光協会 TEL.011-211-3341

カキが食べたいコラム 4 カキの食べ方

 本当にさまざまな料理法があるカキ。一番シンプルな食べ方といえば「生ガキ」だろう。出荷されるカキは生食用と加熱用に大別され、「生ガキ」を味わうのなら生食用を購入。通常、生食用のカキは紫外線で殺菌した海水で浄化されるなどし、安心できる。さっとレモンを絞った「生ガキ」や、酢の風味爽やかな「酢ガキ」で味わいたい。
 カキは一般に加熱用のほうが身がプリプリだといわれている。こちらは「焼きガキ」に「蒸しガキ」、「カキの土手鍋」、「カキフライ」、「カキめし」とレシピは盛りだくさん。三重県志摩地方ではカキを炊き上げた「しぐれ煮」が後を引く旨さで、岡山県日生地方では、カキがたっぷりと入ったお好み焼き「カキオコ」がそれは美味だった。
 シンプルな食べ方から手の込んだ料理まで、カキは日本の食卓を賑やかにしてくれる。

さまざまな食べ方があるのもカキの特徴の一つ。カラリと揚げた「カキフライ」も人気上々

5日目|最終日、仙台に立ち寄って東京へ みちのくのカキと牛たんを夕食に|函館本線・千歳線・室蘭本線・函館本線・江差線・津軽海峡線・津軽線・奥羽本線[札幌⇒新青森]/東北新幹線[新青森⇒仙台⇒東京]

  • 札幌駅でまもなく発車の時を迎える函館行き「スーパー北斗」。北海道を代表する特急の一つ

  • 函館へ近づくにつれ函館本線の車窓を駒ヶ岳が飾る。北海道らしい雄大な風景に目を奪われる

  • 函館駅で購入の駅弁「函館夜景物語」。函館の夜景さながら、美しい海鮮五目ちらしに舌鼓

  • 仙台で食べた宮城県産カキの軍艦巻き。宮城のカキももちろんジューシーでおいしかった

  • なぜだろう、仙台では名物の牛タン焼きも無性に食べたくなる。伝統の店で生ビールとともに

  • カキ三昧のフルムーン、フィナーレはE5系「はやぶさ」で東京駅へ。また夫婦旅に出かけたい

 三重、広島、佐賀、北海道とカキ三昧の弾丸フルムーン、旅の締めくくりに東北地方のカキを食べて東京に帰ろう。

 東北新幹線の花形列車「はやぶさ」「はやて」も必ず停車する杜の都、仙台。一番の名物、牛タン焼きと並び、石巻などで水揚げのカキも味わえる。

 東日本大震災で大きな被害を受けた宮城のカキ。それまで宮城は日本で2番目のカキ産地だった。最近のニュースによれば、まだ震災前の水準には及ばないものの、石巻産カキの出荷が今年も始まったという。東北の人は寡黙で働き者といわれる。そう遠くない将来、カキも完全復活を遂げると思う。

 駅周辺にも飲食店が多く集まる仙台。駅西口、ペデストリアンデッキを降りてすぐのところよりアーケード街が広がり、一番町といった繁華街を散策するのもわくわく。カキにせよ牛タン焼きにせよ、夕食は好みの店にお出かけを。

 仙台では毎年12月、「SENDAI光のページェント」を開催。27回目の今年は12月7日~31日、時間は17時30分~22時(31日は23時)まで、定禅寺通の夜が光輝く。このイベントに合わせて旅のスケジュールを組むのもおすすめだ。

 スケジュールといえば、本プラン各地のカキは例年11月には食べ頃の時期を迎えるが、出荷状況を事前にチェックしておけば安心できる。そして、安心といえば、もし体調がすぐれない時などは加熱されたカキをいただくようにしよう。

 栄養豊富でプリプリのカキ、フルムーンパスで日本のおいしいカキを存分に楽しみたい。

5日目●乗車距離:1196.7km 運賃合計2人分:96,300円
【各区間ごとの運賃と乗車距離】
札幌~函館:@12,080円(乗5,560円 特グ6,520円)乗車距離318.7km
函館~新青森:@7,500円(乗3,150円 特グ4,350円)乗車距離164.3km
新青森~仙台:@14,190円(乗6,090円 特グ8,100円)乗車距離361.9km
仙台~東京:@14,380円(乗5,780円 特グ8,600円)乗車距離351.8km ※「はやぶさ」の運賃
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数

モデルコース

「カキ三昧フルムーン」5日目
仙台で宮城のカキを食べ、帰京
みちのく仙台でカキも牛たんも

5

発着駅 時間 メモ
仙台で宮城のカキを食べ、帰京
~ E5系に乗車 ~
札幌 発 8:34 特急【スーパー北斗6号】グリーン車
函館 着 11:53 乗り換え
函館 発 12:04 特急【スーパー白鳥30号】グリーン車
新青森着 14:15 新幹線に乗り換え
新青森発 14:28 東北新幹線【はやて30号】グリーン車(E5系)
仙台 着 16:25 締めくくりに宮城のカキを堪能
仙台 発 19:49 東北新幹線【はやぶさ6号】グリーン車(E5系)
東京 着 21:24 カキ三昧フルムーンの終わり

旅のメモ

観光の問合せ
■仙台:仙台市総合観光案内所(JR仙台駅2F) TEL.022-222-4069

カキが食べたいコラム 5 カキめしの作り方

 カキの食べ方で、おすすめの一つが「カキめし」。では簡単にできるレシピをご紹介。
 材料は、お米、カキ、調味料(しょう油、酒、みりん、塩)。カキは普通なら加熱用を使いたいところ。もし生食用だった場合は、多めに用意し、いくつかを「酢ガキ」等にすれば、カキ料理が2品できて楽しめる。
 材料の分量はきっちり厳密に計量しなくとも大丈夫な感じ。お米を研いでザルにあげておき、カキを下洗い。調味料でカキを下煮して取り出し、その煮汁を含め水加減して、炊飯器でお米を炊く。炊き上がった頃、先に取り出したカキを加えて混ぜ混ぜすれば出来上がり。仕上げにお好みで刻んだ万能ネギや紅ショウガを添えてみたい。
 カキはどうしても身が小さくなってしまうので、多めに用意するのがいいだろう。ぜひお試しを。

写真は我が家の「カキめし」。レシピも簡単なので、ぜひお試しを。カキの風味が最高です

<東京発 「カキ三昧フルムーン」 の運賃総額、JR総乗車距離>
運賃総額:379,520円 (2名分合計 通常期で算出)※伊勢鉄道、近鉄線分を含む
JR総乗車距離:5136.2km ※運賃計算キロ ※総乗車距離-伊勢鉄道、近鉄線分
お得になった金額:295,580円(運賃総額-{フルムーン5日間パス定価80,500円+伊勢鉄道、近鉄線分})
乗車倍率:4.67倍(JR運賃総額÷フルムーン5日間パス定価80,500円)
※運賃計算キロは、JR東日本のサイト、えきねっと「乗換・運賃案内」で表示のものです

● 旅人(著者)紹介 相澤秀仁&相澤京子

写真家、パズル作家。日本のすべての都道府県を夫婦で3巡している。これまでに110日「フルムーン旅行」をし、JR路線も約10万キロ乗車。著書(夫婦の共著)は写真集『猫ヶ島』、『わらいねこ』をはじめ、『旅してでも食べたい 地もの旬もの回転寿司』など。また、英語クロスワードパズルを新聞に17年に渡って連載。
ホームページhttp://www.aizawa22.com

 

文・撮影:相澤秀仁&相澤京子
※掲載されているデータは平成24年(2012)10月19日現在のものです。
※JR時刻表10月号を使用。到着時刻等、一部時刻未掲載のものは、えきねっと「乗換・運賃案内」等で表示の時刻を使用。
※時刻および運賃は通常期の「平成24年(2012)11月11日」をモデルに算出しました。

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