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フルムーン夫婦グリーンパスで行く新幹線の旅|「旬のうまいもの」フルムーン~ブリ、フグ、カニ、タラ、カキ、3900kmの旅~

  • 1日目|新潟へ日帰り旅 寒ブリを味わう
  • 2日目|愛知でトラフグ グルメの島々へ
  • 3日目|太良で温泉三昧 竹崎カニを堪能
  • 4日目|博多で旬の味覚 新幹線で東京へ
  • 5日目|宮城へ日帰り旅 カキも牛たんも

1日目|旬のうまいものを求め新潟日帰り 寒ブリを食べコシヒカリを土産に|上越新幹線[東京⇔新潟]

  • 上越新幹線で活躍中のE4系2階建て新幹線。2階のグリーン席からは越後路の風景が楽しめる

  • E4系2階建て新幹線、2階のグリーン席。大型のシートに腰かけて、ゆったりとした夫婦旅を

  • 「ブリトロ」はブリで最も脂がのったところ。醤油をはじくほどの脂といい、まさに絶品

  • 「ベニズワイガニ」もお手頃価格で売られている新潟。東京からも近く、買い出しにどうぞ

  • 日帰り旅行のメリットは旅装が少ないこと。だから新潟のおいしいお米だってお土産にできる

  • 日本海側にある新潟。夕日が美しい日本海側の都市だけあって、新潟駅前の夕景も旅情を誘う

 秋から冬にかけて、特に海の幸がおいしくなる日本。寒ブリ、フグ、カニ、タラ、カキなどなど、心に描くだけで食べたくなってくる。全国のJR線に乗車できるフルムーンパスで、速くて快適な新幹線を活用し、旬の幸を味わう贅沢な夫婦旅に出かけてみませんか?

 旅はまず上越新幹線「Maxとき」に乗って、米どころ新潟へ日帰りで。上越新幹線開業以前、在来線の特急「とき」は上野~新潟間が4時間15分ほど。それが新幹線では東京~新潟間が2時間と少し、なんと半分の時間で行き来できるようになり、新潟も本当に近くなった。

 この上越新幹線、現在では2階建て新幹線が走る唯一の路線となり、E4系車両の2階にある眺めのよいグリーン席から越後路の移ろう風景を楽しみたい。

 日本海に面した新潟は言わずと知れたグルメの街。これからの季節、味の横綱はブリ、それも寒ブリという方も多いのではないだろうか。東京など関東ではお正月によく新巻鮭をいただくが、西日本ではブリとなる。ブリ文化と鮭文化の境界線が長野や新潟にあるのだとか。魚へんに師と書く日本海の魚の王者、ブリ。出世魚のブリを寿司でも味わってみたい。もしブリトロもあれば、ぜひご賞味を。この脂ののりもたまりません。

 東京からも近くて行きやすい新潟。運転本数も多いので、ご夫婦お好みの時間の列車でどうぞ。そして、お土産には魚沼産などのコシヒカリを。日帰り旅行の良さは身軽なところ。コシヒカリだって持ち帰れますよ!

1日目●乗車距離:667.8km 運賃合計2人分:55,040円
【個別区間(列車)ごとの運賃と乗車距離】
東京~新潟:@13,760円(乗5,460円 特グ8,300円) 乗車距離333.9km
新潟~東京:@13,760円(乗5,460円 特グ8,300円) 乗車距離333.9km
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数

モデルコース

東京発5日間・前編【旅の1日目】

1

発着駅 時間 メモ

新潟で「寒ブリ」を味わう旅(自宅泊)
~ E4系に乗車 ~

東京 発 10:12 上越新幹線【Maxとき317号】グリーン車(E4系)
新潟 着 12:17 ランチに「寒ブリ」などを味わう
新潟 発 16:45 上越新幹線【Maxとき338号】グリーン車(E4系)
東京 着 19:00 この日は自宅泊

旅のメモ

観光の問合せ
■新潟:新潟駅万代口観光案内センター TEL. 025-241-7914

旬のうまいものコラム(1)ブリ(鰤)

 魚へんに師と書くちょっと偉そうな魚、ブリ。冬場に旬を迎え、脂ものったブリは一般に「寒ブリ」と呼ばれ、こってりした味わい。
 成長とともに呼び名が変わる出世魚であり、成魚は体長1m以上にもなるという。新潟県では佐渡市の魚にもなっているブリ、地方によって成長の各段階の呼び名が異なるのも面白く、それだけ人々の暮らしに深く溶け込んでいる魚だということがわかる。
 おいしい食べ方としては、刺身や寿司はもとより、照り焼きにしたり、また、大根と煮込む「ぶり大根」もごはんによく合う。この「ぶり大根」は富山県の郷土料理として選定もされている。
 ところで、東京では耳慣れないものの「年取り魚」という言葉がある。大晦日の年越しに欠かせない魚を意味し、主に西日本ではブリが「年取り魚」になっている。

新潟で見かけた出世魚のブリ。左がブリで右はブリになる前のイナダ。大きさの違いがわかる

2日目|知多の海に浮かぶグルメの島々へ トラフグを堪能して名古屋に宿泊|東海道新幹線[東京⇒名古屋]/名鉄線・船[名鉄名古屋⇔河和、河和港⇔日間賀島、篠島]

  • 東海道新幹線N700系の流れるような先頭車のライン。乗り心地抜群のグリーン車で名古屋へ

  • 田子の浦付近を走る東海道新幹線グリーン車から見た富士山。富士山も世界遺産になりました

  • フグもタコもおいしい日間賀島。島に上陸すると早速“ウエルカム・オクトパス”がお出迎え

  • 篠島で食べたタコの丸茹で。それはそれは美味で、日本一おいしいタコと実感

  • 日間賀島や篠島では、冬場、地元で獲れたトラフグ料理が昼から味わえる。てっさは繊細な味

  • 日間賀島の夕景。この海、遠州灘から三河湾、伊勢湾の海域で天然物のトラフグが獲れる

 2日目からは2泊3日で西へ。愛知でトラフグをフルコースで味わい、九州・佐賀では竹崎カニを同じくコースでいただく美食の旅。

 愛知でトラフグ?と思われるかもしれないが、実は三河湾や伊勢湾、遠州灘では天然物のトラフグが獲れ、知多半島沖に浮かぶ日間賀島(ひまかじま)や篠島なら、産地だけあってお手頃価格で満足できる。知多の島々は知る人ぞ知るグルメの宝庫、年中おいしいタコとともに味わってみたい。

 東海道新幹線N700系「ひかり」の快適なグリーン車で名古屋に向かい、コインロッカーに荷物を預け、身軽になって河和(こうわ)へ。ここからはいよいよ船で沖の島々へ向かう。

 島と聞くと遠い感じがするが、意外と近くて、乗船時間は日間賀島まで20分、さらに10分で篠島に到着。美食の島だけあって、さすがにどちらも料理旅館が多く、お昼にもフルコース(要予約)でいただける。日間賀島、篠島の選択はお好みでどうぞ。

 さあ、海を越えてやってきた島で、トラフグの繊細な身を、てっさ(薄造り)、てっちり(ふぐ鍋)などで味わってみよう。

 食後はちょっと島散歩。日間賀島は歓迎のモニュメントまでタコタコタコのタコの島。タコは漢字で「多幸」の字を当て、フグだって「福」につながる魚と言われている。旅の2日目は「福」も「多幸」も食べることができ、ハッピーな一日に。

 島を離れる船は、午後3時台、4時台、5時台とあるので、こちらもお好みで。名古屋に宿をとり、ぐっすりと休もう。

2日目●乗車距離:459.8km 運賃合計2人分:31,740円 ※私鉄分を含む
【個別区間(列車)ごとの運賃と乗車距離】
東京~名古屋:@14,070円(乗6,090円 特グ7,980円) 乗車距離366.0km
名鉄名古屋~河和:@900円(乗900円) 乗車距離46.9km
河和~名鉄名古屋:@900円(乗900円) 乗車距離46.9km
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数

モデルコース

東京発5日間・前編【旅の2日目】
2

発着駅 時間 メモ
愛知の島で「フグ」を食べる旅(名古屋泊)
~ N700系に乗車 ~
東京 発 7:33 東海道新幹線【ひかり503号】グリーン車(N700系)
名古屋 着 9:19 ゆっくり乗り換え
名鉄
名古屋 発
9:56 急行(名鉄)
河和 着 10:49 河和港へ(無料バスまたは徒歩7分) ※土休日は10:48着
河和港 発 11:05 名鉄海上観光船(日間賀島、篠島いずれも往復運賃2,610円)
日間賀島着 11:25 日間賀島でランチのご夫婦はここ(西港)で下船
篠島 着 11:35 篠島でランチのご夫婦はここで下船
篠島 発 15:30 名鉄海上観光船
日間賀島発 15:40 西港から乗船
河和港 着 16:00 河和駅へ(無料バスまたは徒歩7分)
河和 発 16:36 急行(名鉄)
名鉄
名古屋 着
17:28 この日は名古屋泊

旅のメモ

観光の問合せ
■日間賀島:日間賀島観光協会・案内所 TEL. 0569-68-2388
■篠島:篠島観光協会・案内所 TEL. 0569-67-3700

旬のうまいものコラム(2)フグ(河豚)

 漢字で「河豚」と書くのもユニークなフグ。どうやら中国には淡水で生きるフグ「メフグ」が生息し、この字が当てられたらしい。それはともかく、フグも冬場に旬を迎え、特に美味とされる「トラフグ」は、上品な身がグルメに愛されている。
 フグも各地に特有の呼び名があり、真っ先に思い浮かぶ下関では「福」にかけて「フク」、また、大阪では「てっぽう」と呼ばれ、長崎県島原地方では「がんば」に。大阪も島原もフグの毒に由来する呼び名のようだが、食用OKの身はすこぶるおいしく、こちらも今では冬に欠かせない食材に。
 食べ方を高級な「トラフグ」でみれば、美しく盛り付けられた「てっさ」(刺身)を筆頭に、「てっちり」(フグ鍋)、から揚げ、さらには「ひれ酒」まで。養殖物に加え、天然物の「トラフグ」も味わうことができる。

篠島で食べた「てっちり」も上品な味。「福」とも言うフグを食べれば気持ちもハッピーに

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