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フルムーン夫婦グリーンパスで行く新幹線の旅|日本一周夜行列車フルムーン~大阪発着、夜行列車を大活用して日本をめぐる8500kmの旅~

  • 1日目|JR最南端を経て夜汽車で東京へ
  • 2日目|函館を散策して夜汽車で札幌へ
  • 3日目|JR最北端を旅し夜汽車で青森へ
  • 4日目|東京周辺を観光夜汽車で札幌へ
  • 5日目|札幌市内を観光人気列車で帰阪

3日目|JR最北端の稚内や宗谷岬をめぐり|再び「はまなす」B寝台で青森へ
函館本線・宗谷本線[札幌⇔稚内]/千歳線・室蘭本線・函館本線・江差線・津軽海峡線・津軽線[札幌⇒青森]

  • 青森から札幌に到着した急行「はまなす」。のびのびカーペットカーは独特の外観をしている

  • 札幌と稚内を結ぶキハ261系の特急「スーパー宗谷」。写真の先頭車両にグリーン席もある

  • 「スーパー宗谷」のグリーン席は座席数が9席(横3席[2席+1席]で3列)と個室感覚の空間

  • 稚内では駅から近いノシャップ岬もおすすめのスポット。天気が良ければ利尻島がよく見える

  • 宗谷地区はホタテの産地としても有名。名物ラーメンにはホタテエキスがたっぷり

  • 夜、札幌駅では青森行きの急行「はまなす」が出発の時を待つ。またB寝台に乗って行こう

 旅の後半は北の都、札幌から。3日目はいよいよJR最北端の稚内を目指す。とはいえ、夜行列車を下車するとなぜか空腹感をおぼえるもの。札幌駅構内には早朝6時半より営業のおにぎりカフェがあり、おいしい北海道米のおにぎりや具だくさんの豚汁などが味わえる。

 腹ごしらえもできたところで、稚内行きの特急「スーパー宗谷1号」グリーン車に乗車。「スーパー宗谷」に使用される車両キハ261系のグリーン席(キロハ261形)は、2席+1席の横3席とゆったり。ただ、グリーン席は横3席×3列の計9席のみとなっており、予約はぜひお早めに。

 「日本のてっぺん」とも呼ばれる稚内。稚内駅は無論、日本最北端の駅。はるばる鹿児島県の枕崎からやってきただけに、感慨もひとしおだろう。稚内では最北端の宗谷岬を訪ねるのもよし、駅から近いノシャップ岬から利尻島を美しく望むもよし。また、名物「ホタテラーメン」を味わってみるのもおすすめ。ちなみに宗谷岬へ行く路線バスは駅前から13時20分に発車、宗谷岬には14時10分に着き、宗谷岬14時40分のバスで駅前には15時32分に帰ってくることができる。

 この日の夜は札幌に戻り、再び急行「はまなす」で青森へ向かうスケジュール。シャワー設備のない「はまなす」だけに、お風呂大好きな方は、稚内駅から徒歩約15分のところにある日帰り温泉施設「港のゆ」で入浴をどうぞ。北の最果てでのひと風呂、これもきっと良き旅の思い出に。

 ここでちょっと注意点を。帰りの特急「スーパー宗谷4号」と急行「はまなす」の札幌駅での接続時間は5分と短い。あせらずとも乗り換えはテキパキと!

3日目●乗車距離:1271.5km 運賃合計2人分:88,120円
【個別区間(列車)ごとの運賃と乗車距離】
札幌~稚内:@14,040円(乗7,340円 特グ6,700円)乗車距離396.2km
稚内~札幌:@14,040円(乗7,340円 特グ6,700円)乗車距離396.2km
札幌~青森:@15,980円(乗8,200円 急B寝7,780円)乗車距離479.1km
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数

モデルコース

日本一周夜行列車フルムーン 3日目
3

発着駅 時間 メモ
稚内をめぐり、再び「はまなす」の夜
(急行「はまなす」車中泊)
札幌 発 7:48 特急【スーパー宗谷1号】グリーン席
稚内 着 13:00 日本最北端の街、稚内を観光
稚内 発 16:51 特急【スーパー宗谷4号】グリーン席
札幌 着 21:55 乗り換え
札幌 発 22:00 急行【はまなす】B寝台
青森 着 5:39 車中泊で青森着

旅のメモ

観光の問合せ
■稚内:
稚内市観光案内所 TEL. 0162-22-2384

夜汽車設備案内(3)洗面所&トイレ

 このモデルコースで乗車する夜汽車では、フルムーンパスで追加料金なしに利用する場合、トイレや洗面所は共用スペースのものを使用。ほぼすべての車両に共用のものが備わっており、特段の不便はないはず。
 もし“専用”で使えるトイレ付き設備を希望する場合は、寝台特急「北斗星」であればA寝台1人用個室「ロイヤル」(2名でも利用可)、「トワイライトエクスプレス」であれば同じく「ロイヤル」(2名でも利用可)か、さらなる上位設備であるA寝台2人用個室「スイート」のご利用を。フルムーンパスでは、これら上位設備に乗車の際は乗車券部分のみ有効に。別途必要な料金券を購入すれば乗車できる。また「サンライズ瀬戸・出雲」と急行「はまなす」では、トイレは全設備とも共用で利用となる。

追加料金が必要な一部個室以外は共用トイレや洗面所を利用。写真は「北斗星」の洗面所

4日目|東北新幹線「はやぶさ」で東京へ 関東を観光し「北斗星」で札幌へ|奥羽本線・東北新幹線[青森⇒新青森⇒東京]/寝台特急「北斗星」[上野⇒札幌]

  • 新青森からまたまたE5系「はやぶさ」の旅。E5系の運転席はジェット機のコクピットのよう

  • 「グランルーフ」ができた東京駅八重洲口。赤レンガの丸の内駅舎に続き、東京駅の新観光スポットに

  • 東京でのランチは銀座でお寿司でも。上物の本マグロもランチならお値打ち価格で味わえる

  • 東京で1日過ごすなら、夕刻は浅草で。浅草寺界隈の独特な雰囲気が一段と艶やかさを増す

  • 上野駅に入線した寝台特急「北斗星」。2人用B寝台個室デュエットに乗って再び札幌へ行こう

  • 「北斗星」の食堂車でパブタイムに食べたソーセージ盛り合わせ。ビールにもよく合います

 旅の4日目、初めて青森で迎えた朝。札幌を観光したかったと思われる方もご安心を。札幌観光のお楽しみはまだまだこれから確保してありますから。

 さあ4日目は朝イチの東北新幹線「はやぶさ4号」で東京へ行こう。快適なグリーン車でもう一眠りするうちに盛岡、仙台と過ぎ、ほどよい時間に東京へ到着。

 東京はダイナミックに姿を変えていく都。東京に馴染みのあるご夫婦も、時には観光してみるのも面白い。東京スカイツリーなどの街の新しい景観と、変わらない浅草寺のたたずまい。街の新旧のコントラストが際立つ浅草界隈もおすすめのスポットだ。そして、お昼ごはんは銀座でお寿司でも。すぐ隣の築地市場には最も上物の本マグロが入荷するといわれ、ランチなら本マグロもお値打ち価格で味わえる。

 午後はお好みで横浜へ。フルムーンパスだから、首都圏のJR線も自由に乗り降りできる。もちろん東海道本線の普通列車グリーン車も乗車OK。文明開化の余韻が感じられる港町・横浜を歩き、東京とは異なるハイカラな雰囲気に触れてみたい。

 夕刻、上野駅に戻り、この日の“ホテル”となる札幌行き寝台特急「北斗星」に乗車。「北斗星」には、フルムーンパスなら追加料金不要で利用できる2人用B寝台個室デュエットがあるので、ぜひご予約を。個室内にトイレやシャワーはないものの、まったりとした夫婦の時間を夜汽車で過ごせる。

 旅の4日目、東京観光をパスするスケジュールの選択肢も。弘前へ出かけたり、仙台、松島を観光するプランもいい。これらの場合も夜は下りの「北斗星」にご乗車を。

4日目●乗車距離:1932.5km 運賃合計2人分:103,360円
【個別区間(列車)ごとの運賃と乗車距離】
青森~新青森:@1,730円(乗190円 特グ1,540円)乗車距離3.9km
新青森~東京:@21,970円(乗10,150円 特グ11,820円)乗車距離713.7km ※「はやぶさ」の運賃
上野~札幌:@27,980円(乗18,440円 特B寝9,540円)乗車距離1214.9km ※1
※1 青い森鉄道(距離121.9km、運賃等@3,120円)、IGRいわて銀河鉄道(距離82km、運賃等@2,360円)分を含む
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数

モデルコース

日本一周夜行列車フルムーン 4日目
4

発着駅 時間 メモ
東京エリアを観光し、「北斗星」で札幌へ 
(寝台特急「北斗星」車中泊)
~ E5系に乗車 ~
青森 発 5:43 特急【つがる2号】グリーン車
新青森 着 5:48 乗り換え
新青森 発 6:17 東北新幹線【はやぶさ4号】グリーン車
東京 着 9:23 東京エリアを自由観光し、上野へ
上野 発 19:03 寝台特急【北斗星】2人用B寝台個室デュエット
札幌 着 11:15 車中泊で札幌着

旅のメモ

観光の問合せ
■東京:
東京観光情報センター TEL. 03-5321-3077

夜汽車設備案内(4) シャワー

 世界で最もお風呂好きな国ともいわれる日本。夜汽車にだってお風呂があればと思う人は多いでしょう。このモデルコースの利用列車では、さすがにバスタブはないものの、急行「はまなす」以外ではシャワー(有料)を完備。
 寝台特急「トワイライトエクスプレス」や「北斗星」では食堂車でシャワーカードを購入し、時間を予約しての利用となる。また寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」では、車掌さんからシャワーカードを購入しての利用に。
 そして、シャワーのない急行「はまなす」では、駅近くの銭湯や温泉施設で汗を流してからの乗車がおすすめ。特に青森発の下り「はまなす」に乗車の際は、駅近くの「青森まちなかおんせん」が便利。弱アルカリ性の天然温泉で、体がポカポカになりますよ!

寝台特急列車ではシャワーを浴びることもできる。シャワーで汗を流し、いい気分で夢路へ

5日目|札幌を散策し、クライマックスは「トワイライトエクスプレス」で|寝台特急「トワイライトエクスプレス」[札幌⇒大阪]

  • 札幌駅に到着の「北斗星」。先頭のDD51形ディーゼル機関車(重連)は青い馬のように見えた

  • 札幌のクラーク像。博士といえば「少年よ、大志を抱け」の名言で知られている

  • 春の札幌、ラベンダーに似た「ムスカリ」が可憐に咲いていた。ムスカリの開花は例年5月頃

  • 札幌での滞在時間、食いしん坊のご夫婦なら名物の「ジンギスカン」を豪快に食べてみよう

  • 長いようで短かった旅をしめくくるのは大阪行きの寝台特急「トワイライトエクスプレス」

  • 動くホテルこと「トワイライトエクスプレス」にふさわしいサロンカー「サロンデュノール」

 フルムーンパスなら追加料金不要で利用できる寝台特急「北斗星」デュエット(2人用B寝台個室)の旅。お目覚めは函館の手前あたりだろうか。

 寝台特急「北斗星」の旅は目覚めた後も楽しめる。食堂車へ出向いて朝食(予約不要)をいただくのもよし、個室で再び眠るのもよし。函館を出発すると、ほどなく道南の名峰、駒ヶ岳が姿を見せ、森駅あたりからは噴火湾(内浦湾)が車窓に迫る。噴火湾はボタンエビや毛ガニなどが獲れる豊かな海だ。

 「北斗星」の札幌到着は11時15分。旅のクライマックスとなる寝台特急「トワイライトエクスプレス」の発車時刻まではおよそ3時間。これだけ時間があれば札幌駅周辺の主な観光スポットは見て回れるだろう。また、グルメ派であれば名物のジンギスカンに舌鼓を。

 旅の時間はあっという間に流れていく。大阪行きと表示された寝台特急「トワイライトエクスプレス」に乗車する時、きっとそう思われるだろう。長いようで短かった5日間8500kmの大旅行。JR最南端の枕崎から最北端の稚内まで訪ね、青函トンネルをくぐること計6回、そして東京、横浜、函館、札幌も観光。夜行列車があるからこその旅だ。

 最後に注意点を。フルムーンパスで有効期間の最終日に乗る夜行列車は、途中で下車しない限り終着駅まで乗車OK。また「トワイライトエクスプレス」は臨時列車の扱いなので、通常、札幌発の運転日は火・木・土・日曜日と特定日。従って旅を開始する大阪発の曜日にはご注意を。そしてくれぐれも体調管理には気を付けて、楽しく無理のない旅を!

5日目●乗車距離:1495.7km 運賃合計2人分:52,700円
【個別区間(列車)ごとの運賃と乗車距離】
札幌~大阪:@26,350円(乗16,630円 特B寝9,720円)乗車距離1495.7km
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数

モデルコース

日本一周夜行列車フルムーン 5日目

5

発着駅 時間 メモ
札幌を観光し、「トワイライトエクスプレス」で帰阪 
(寝台特急「トワイライトエクスプレス」車中泊)
札幌 発 14:05

寝台特急「トワイライトエクスプレス」B寝台 

※運転日注意
大阪 着 12:53 旅の終わり

旅のメモ

観光の問合せ
■札幌:
北海道さっぽろ観光案内所
(札幌駅西コンコース北口) TEL. 011-213-5088

夜汽車設備案内(5)ロビーカー

 “走るホテル”にもたとえられる寝台特急。このコースで利用する各列車には、共用のロビー空間が備わっている。急行「はまなす」にもミニラウンジがある。
 寝台特急「北斗星」では6号車が半室ロビー(ミニロビー)になっており、ソファでくつろいで車窓を楽しむことができる。
 「トワイライトエクスプレス」では4号車がサロンカー「サロンデュノール」になっていて、上質の雰囲気とともに大きな窓からの眺めが楽しめる。また、7号車にもミニサロンがあるなど豪華版だ。
 そして「サンライズ瀬戸・出雲」には、瀬戸編成、出雲編成ともに1か所ずつラウンジ(3号車と10号車)がある。
 寝台特急とはいえ、寝ているだけではちょっともったいない。ロビーカーも利用してみよう。

寝台特急「北斗星」のロビーカー(ミニロビー)。寝台からとは一味違う車窓風景が楽しめる

<大阪発「日本一周夜行列車」フルムーンの運賃総額、総乗車距離>
JR運賃総額:499,580円 (2名分合計 通常期で算出) ※運賃総額には青い森鉄道、IGRいわて銀河鉄道分を含まない
JR総乗車距離:8563.9km ※運賃計算キロ ※総乗車距離には青い森鉄道、IGRいわて銀河鉄道分を含まない
お得になった金額:416,780円 (JR運賃総額-フルムーン夫婦グリーンパス料金 [5日間用])
乗車倍率:6.03倍 (JR運賃総額÷フルムーン夫婦グリーンパス料金 [5日間用] )
※運賃計算キロは、JR東日本のサイト、えきねっと「乗換・運賃案内」で表示のものです。

● 旅人(著者)紹介 相澤秀仁&相澤京子

写真家、パズル作家。日本のすべての都道府県を夫婦で4巡している。これまでに120日フルムーンパスでの旅をし、JR路線も約11万km乗車。著書(夫婦の共著)は写真集『猫ヶ島』『わらいねこ』をはじめ、『旅してでも食べたい 地もの旬もの回転寿司』など。また、英語クロスワードパズルを新聞に17年にわたって連載。
夫婦旅ブログ http://fullmoon.aizawa22.com

 

文・撮影:相澤秀仁&相澤京子
※掲載されているデータは平成26年4月現在のものです。
※時刻は、JR時刻表平成26年4月号、えきねっと「乗換・運賃案内」、JRおでかけネット「マイ・ダイヤ」等のものを使用。
※運賃は消費税改定後の平成26年4月10日をモデルに算出しました。



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