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秋の日帰り&1泊旅 トクトクきっぷで行く 紅葉ウォーキング
秋の日帰り&1泊旅 トクトクきっぷで行く 紅葉ウォーキング
舟でしか行けない紅葉スポットも! 錦秋の亀山湖で秘境探検!? ●千葉県君津市


亀山湖 房総半島のほぼ中央に位置する面積139haの湖。湖岸には広場やオートキャンプ場があり、釣りやボート遊びなど、アウトドア体験が楽しめる。鏡のような湖面に鮮やかな色を落とす紅葉はぜひ船上から楽しみたい(写真=山口秀輝)。●JR久留里線上総亀山駅から徒歩10分

亀山湖周辺の立ち寄りスポット


亀山やすらぎ館 観光案内所やレストランがある亀山湖観光の拠点。11月13日~12月4日の「亀山オータムフェスティバル2011」期間中には朝穫り野菜や特産品の物産市、写真展なども開催予定。レストランではトンテキ定食1100円が好評。●TEL.0439-39-2969。10:00~16:00(レストランは10:00~15:30)、火・水曜休(フェスティバル期間中は無休)。JR久留里線上総亀山駅から徒歩5分


亀山湖紅葉狩りクルーズ 期間●11月13日~12月4日。乗船料●1000円(1ドリンク付き)。出航時間●10:00~15:00の1時間ごと。乗船場●各ボート店桟橋。問合せ●TEL.0439-39-2535(君津市観光協会亀山支部)


湖水亭 嵯峨和 地下200mから湧く自家源泉の黒湯が楽しめる宿。眺望抜群の露天風呂とガラス張りの開放的な内湯があり、男女日替わり。日帰り利用は原則として11:00~18:30だが、混雑状況により変更あり。●TEL.0439-39-3222。1泊2食7,350円~、日帰り入浴700円。ナトリウム炭酸水素塩泉。JR久留里線上総亀山駅から徒歩15分


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ローカル線とボートに揺られ 息を呑む秋景色の中へ

 ディーゼルカー特有の振動とかすかな軽油の匂いに包まれて、2両編成のJR久留里(くるり)線はゆったりと木更津駅を出発した。収穫が終わった水田の間を走り、久留里駅を過ぎると次第に列車は山間部へ。赤や黄に染まった山が近づいては遠ざかり、車窓は飽きない。

 

 約1時間で終点の上総亀山(かずさかめやま)駅に到着。3分ほど歩くと、目的地である亀山湖のほとりに出た。入り組んだ地形に沿って広がる県内最大のダム湖で、その湖面は広くなったり狭まったり、広い砂浜や緑地があるかと思えば急峻な断崖があったり……実に複雑な様相を見せている。


 亀山やすらぎ館で地図を手に入れ、川俣大橋を渡って押切沢橋から月毛(つきげ)公園へ湖畔を散策。湖の中心にあたるこのあたりは湖面が広く、紅葉した山並みを映す茫洋とした風景が美しい。


 湖畔からも十分紅葉が楽しめる亀山湖だが、この時期の目玉は何といっても「紅葉狩りクルーズ」。複雑な形の亀山湖には舟を使わないとアプローチできない紅葉スポットも多く、そこへ案内してくれる乗合船が各ボート店から運航されている。


 押込橋たもとのボート店から、さっそく乗船。小月橋をくぐって笹川渓谷に入ると、色付いた木々が両側から迫ってくる。進行方向の後ろから日が当たるので、順光に照らされた紅葉が目に痛いほど鮮やか。湖面に映る“逆さモミジ”、航跡にゆらぐ赤や黄の木々など、「こんな紅葉の楽しみ方があったの!?」驚きと感動の連続だ。


 やがてグッと狭い水路に入ると、岩壁にぽっかり口を開けた天然のトンネルが現れた。伝宝洞と呼ばれるこのコースのハイライト。折り重なる紅葉の木々、垂直に切り立った岩壁に岩のトンネル……。この眺めを秘境といわずして何といおう。東京から普通列車でわずか2時間半の秘境だけに、なおさら貴重な自然といえるだろう。


 さて、締めくくりはやっぱり温泉だ。というわけで湖を見下ろす高台の「湖水亭 嵯峨和」へ。ヨード成分を大量に含んだラジウム鉱泉の黒湯に浸かり、天然のイノシシを自家製味噌で煮込んだ名物鍋に舌鼓。名水で仕込んだ地酒も楽しみつつ、帰りの列車まで極楽時間を過ごした。


 紅葉と地酒でほろ酔いになった体に、ディーゼル列車の揺れがことのほか気持ちよかった。

今回のコースへのアクセス●JR久留里線上総亀山駅下車
観光の問合せ●君津市観光協会亀山支部TEL.0439-39-2535(亀山やすらぎ館内)
霊峰を望む荘厳と浪漫の世界へ 越後のパワスポ・弥彦へお参りに ●新潟県弥彦村


弥彦公園 JR弥彦駅の近くにある16万㎡の広大な公園。園内には滝や渓流などがあり、四季折々散策が楽しめる。「もみじ谷」は紅葉の名所としても有名で、紅葉の時期にはライトアップも実施される。●JR弥彦線弥彦駅から徒歩1分

弥彦周辺の立ち寄りスポット


彌彦神社 天香山命を祀る弥彦山全体を祭神とする越後国一ノ宮。2000年来の神領地として朝廷や幕府から崇拝され、繁栄した。古木に覆われた境内は神聖な雰囲気が漂う。●TEL.0256-94-2001。参拝自由(宝物館300円、9:00~16:00)。JR弥彦線弥彦駅から徒歩15分


弥彦パワーグッズ 彌彦神社のシンボルである大鳥居をデザインしたオリジナルパワーグッズ。弥彦温泉の旅館の女将で作る「おかみ会」が手がけただけに、そのご利益は実証済み!? 神社周辺の旅館や土産物店で購入できる。●弥彦温泉おかみ会オリジナル手ぬぐい(840円)・ポーチ(1050円)。TEL.0256-94-3154。(弥彦観光協会)


弥彦山ロープウェイ 標高634mの弥彦山山頂まで5分で連れていってくれる。山頂には祭神「天香山命」と妃神「熟穂屋姫命(うましほやひめのみこと)」の2人を仲良く祀る御神廟があり、縁結びの名所として知られる。360度の大パノラマが楽しめる展望台やレストランもある。●TEL.0256-94-4141。8:40~17:10、無休。片道700円、往復1300円。JR弥彦線弥彦駅から徒歩15分


弥彦桜井郷温泉 さくらの湯 露天風呂を始め、寝湯や壷湯、サウナなどさまざまな浴槽で天然温泉を満喫できる。天照石やゲルマニウムなど5種類の岩盤浴、足湯テラスのほか、リクライニングシートと大画面TV完備のラウンジ、レストランがある。TEL.0256-94-1126。10:00~22:00(受付は~21:15)、年5回程度のメンテナンス日休。950円。ナトリウム・カルシウム塩化物泉。JR弥彦線弥彦駅から車5分

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老樹が生い茂り、 運気が漂う聖域でパワーを授かる

 弥彦駅のプラットホームに足を着いた瞬間、気というか荘厳さというか、何とも言えない気配を確かに感じた。レトロな社殿造りの駅舎(大正5年建築)と、眼前にそびえる霊峰弥彦山のせいだろうか……。駅舎を見上げると、鬼瓦に描かれたウサギが「ようこそ!」と笑ったような気がした。


 神宿る山といわれる弥彦山の麓に広がる弥彦は、彌彦神社の門前町として発展した歴史と信仰の街。神代、この地に降臨した天香山命(あめのかごやまのみこと)が村人に製塩法や漁法、農耕技術などを伝授し、越後文化の基盤を築いたといわれている。そのため古くから「越後文化発祥の地」といわれ、時の権力者から手厚く庇護されてきた。その神々しい歴史や由緒こそ北陸随一ともいわれるパワースポットの所以(ゆえん)だろう。


 駅前から参宮通りを歩き、旅館や土産物店が並ぶ神社通りに出ると、右手にど~んと朱塗りの彌彦神社一の鳥居が現れた。親柱を両脇の稚児柱が支える両部型鳥居で、よく見ると親柱が地面から6㎝ほど浮いている!? 雪から腐食を防ぐためと、地震で折れないようにこのようになっており、気がつきにくいが、見どころのひとつだ。


 一礼して入った境内は、樹齢400~500年の杉や檜が頭上を覆い、緑に囲まれた参道が奥へ続いている。森閑とした趣はまさに神域にふさわしく、体を包み込む冷気にも底知れぬパワーを感じる。継ぎ目のない一枚岩の石橋、願い事を思い描いて持ち上げ、軽く感じると「成就」、重ければ「否」を占う「火の玉石」など、境内にはパワースポットが目白押しだ。


 随神門に守られた優美な拝殿に参拝。ピンと張りつめた空気に包まれて拝礼していると、厳かな気持ちが胸いっぱいに込み上げてきた。


 彌彦神社をあとにして街を散策。樹齢800年の大ケヤキが茂る住吉神社、日蓮上人ゆかりの聖人清水と歩いて弥彦公園へ。滝や渓流、木々に包まれた広さ16万㎡の自然公園で、秋はもみじ谷の紅葉が見事だ。赤や朱、黄色に染まった木々を、観月橋や見晴台などいろいろな角度から眺められる。


 公園から少し歩いた、弥彦温泉発祥の地といわれる湯(ゆ)神社(通称・石薬師様)へも足を延ばしたい。境内の石を拾って病の部分を撫でると治るといわれ、体内に新しい力をもたらすパワースポットとして人気が高い。これでパワー充填100%! 力強い足取りで駅へ向かった。

memo

今回のコースへのアクセス●JR弥彦線弥彦駅下車
観光の問合せ●弥彦観光協会TEL.0256-94-3154

文・撮影=五十嵐英之
※掲載されているデータは平成23年11月現在のものです。
※月刊「旅の手帖」2010年11月号より転載、再構成。

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