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週末で南九州、よか旅ほかほか旅 高千穂・宮崎・日南編
出水・薩摩川内・指宿・知覧の旅|ぽかぽか陽気に誘われ 薩摩の自然と味覚を堪能

出水市ツル観察センター|毎年10月中旬~3月頃にかけ、ナベヅル、マナヅル、クロヅルが飛来。12月が飛来のピーク。観察センターからその姿を見学しよう。TEL.0996-85-5151。9:00~17:00、11月1日~翌年3月第4日曜まで開館(期間内無休)。210円(平成23年度は無料)

武家屋敷群|かつて薩摩藩は鹿児島の鶴丸城を本城とし、藩内に外城という行政区を設けた。肥後藩との国境である出水は最大級の外城で、今でも約150戸の武家屋敷が残っている。

箱崎八幡神社|伊勢神宮御鎮座2000年、今上天皇御即位10年の記念事業として神門と大鈴を竣工。鈴は青銅製で厚さは約1cm、表面は総金箔張りでツルが浮き彫りされている。TEL. 0996-62-2219。9:00~17:00(宝物殿)

<観光の問合せ>出水市観光協会●TEL. 0996-79-3030
1日目 出水・薩摩川内|海を越え、出水平野に 1万羽のツルがやってくる

 秋深まるころ、出水(いずみ)へやってくるのは旅行者だけではない。出水平野の水田地帯には、シベリア地方から越冬のために1万羽を超えるツルが飛来し、冬の到来を告げる。「ツル観察センター」は、そんなツルたちの美しき舞を眺める最高の観賞席。展示パネルや映像などでツルの生態を学んだら、展望台や屋上から実物のツルの気品ある姿を見てみよう。

 年明けより一足早く縁起の良いツルを観賞したら、出水駅方面に戻り、麓(ふもと)地区にある武家屋敷群を散策。東西750m、南北800mに渡り、武家屋敷が点在しており、武家門や石垣などが往時を偲ばせる。地区内には、竹添邸や武宮邸など一般公開している武家屋敷も。

 そこから北西側へ徒歩数分の場所にある箱崎八幡神社も必見。神門には高さ4m、直径3.4m、重さ5トンという日本一の大鈴がぶら下がっているほか、参道にも巨大鈴(モニュメント)があり、見つける度にビックリ!

1日目午後 指宿|砂むし温泉だけじゃない 指宿の新・魅力を発見!

 鹿児島中央まで南下し、そこで乗り換え列車の待つホームに急ぐと――そこには、白と黒のツートーン車両がまぶしい特急「指宿のたまて箱」の姿が! 大きな窓から錦江湾や桜島を望める海に面した座席や、指宿に関する書籍を集めた本棚が設置されているので、目的地の指宿までワクワクしっぱなしなのだ。

 指宿といえば、温泉が有名だけれど、まずは新名物で腹ごしらえ。市内飲食店17軒で味わえる「温たまらん丼」は、温泉卵を使ったご当地丼で、店舗によりそこに指宿の海や山の幸などが彩りよく添えられる。一方、甘党には、菓子店やパン屋などで買えるそら豆スイーツがおすすめ。収穫量日本一という指宿のそら豆を、プリンやタルト、どら焼きなどかわいらしいスイーツで堪能できるのだ。

 夜は指宿名物・砂むし風呂で、サウナみたいに体をあっためよう。最後は仕上げの湯として露天風呂などに浸かり、のんびりと指宿の夜を過ごす。

指宿のたまて箱|駅到着時、ドア上部からたまて箱の煙を思わせるミストが出るというニクい演出も。鹿児島中央9:54発、11:52発、14:01発、指宿10:53発、12:52発、15:06発の1日3往復。全車指定席

温たまらん丼|黒豚や地鶏をはじめ、各店独自に工夫した地元食材が集結した「温たまらん丼」。ピリ辛、洋風など味付けも各店さまざま。砂むし温泉の源泉で作った温泉卵を割って食べれば、思わず出る言葉は「指宿の食材のたまて箱や~」。

砂むし温泉|温泉で50~55度程度に温められた砂を全身にかけてもらう、砂むし温泉。10分ほど入っていれば、汗が全身から噴きだしてくる。砂の重みで指圧効果が働き、血行もよくなるのだとか。

<観光の問合せ>指宿市観光協会●TEL. 0993-22-3252

芋の発泡酒|紫イモを使用し、上品な芳香を楽しめるパープル(写真)のほか、ラガータイプのゴールド、黒ビールタイプのブラックという3種の地発泡酒が揃う花渡川ビアハウス。TEL.0993-72-4741。11:00~21:00、年末年始休

西大山駅|JR最南端の駅・西大山駅付近では、開聞岳の秀峰が車窓に現れるので、うたた寝厳禁! 駅前には「愛する人へ手紙を送ろう」というテーマで設置された黄色いポストもあるので、ぶらり途中下車も一興。

枕崎お魚センター|枕崎の食材の顔といえばカツオ。枕崎お魚センターではプリップリの「ぶえん鰹」の売店など鮮魚料理が目白押し。TEL.0993-73-2311。売店9:00~17:00(レストラン11:00~15:00)、年中無休

<観光の問合せ>枕崎市観光協会●TEL. 0993-72-1111

心ほかほかパワスポCOLUMN 阿蘇神社

ニニギノミコトを祀る薩摩国一ノ宮。標高70mの神亀山(しんきざん)山頂にあり、長い参道を上ると、その風格ある社殿にたどり着く。交通安全、五国豊穣、大漁などに御利益ありとされるほか、本殿近くの子だき狛犬を撫でると安産の御利益もあるとか。境内には御神石や樹齢650年以上という御神木があり、神聖な空気が漂う。九州新幹線川内駅からタクシーで5分、バスで20分ほど。TEL.0996-22-4722。拝観無料

2日目 知覧|プリップリのカツオと シュワシュワ地酒で極楽気分

 翌日は針路を西にとり、枕崎へ。途中、西大山駅あたりでは、富士山のようにきれいな円錐の山容を誇る開聞岳が車窓に登場。

 枕崎での一番のお目当ては、カツオ料理。日本有数の水揚げ量を誇る枕崎のカツオを味わいたいなら、枕崎漁港に隣接の「枕崎お魚センター」がいい。1階でカツオの刺身や本枯節などを購入できるうえ、2階レストランでは、一本釣りしたカツオを船上で活きジメした後、急速冷凍した枕崎ブランドの「ぶえん鰹」の刺身のほか、名物料理・びんた味噌煮やカツオ丼などを味わえるのだ。

 旅の最後は、「花渡川(けどがわ)ビアハウス」で地元のお酒を。芋焼酎「さつま白波」で有名な薩摩酒造運営の同施設では、なんとサツマイモが原料の発泡酒を楽しめる。しかも肴にぴったりの黒豚やカツオの料理が揃うので、お酒がさらに旨い! ほろ酔い気分で帰りの列車に揺られ、開聞岳や太平洋をまったりと眺められるなんて、ああ、最高の幸せ。

  駅名 時間 旅のひとことアドバイス


博多発 8:27 新幹線「みずほ」601号に乗車(新大阪から向かう場合は6:00発)、熊本で新幹線「つばめ」333号に乗り換え
出水着 9:39 タクシーかツル観光周遊バス(12~2月運行)で「出水市ツル観察センター」に向かい、飛来したツルを観賞。出水武家屋敷群や日本一の大鈴で有名な箱崎八幡神社も巡ろう
出水発 13:23 新幹線「さくら」413号に乗車
鹿児島
中央着
13:48  
鹿児島中央発 14:01 特急「指宿のたまて箱」5号に乗車
指宿着 14:58 温たまらん丼やそら豆スイーツなどご当地グルメを。指宿温泉の宿で一泊し、名物「天然砂むし風呂」を満喫


指宿発 11:19 山川駅で乗り換え。西大山駅あたりでは車窓に開聞岳の秀峰が登場
枕崎着 12:49 「枕崎お魚センター」などでカツオ料理を堪能。「薩摩酒造 明治蔵」の見学や「花渡川ビアハウス」など、酒党垂涎のスポットも
枕崎発 15:52 鹿児島中央で新幹線「みずほ」606号に乗り換え
博多着 21:12 新大阪の場合は23:37着

文・構成=鈴木健太
写真協力=鹿児島県観光連盟、JR九州、薩摩酒造
※掲載されているデータは平成23年11月現在のものです。

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