『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。

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東北新幹線 新青森延伸開業記念 新幹線からはじまる ローカル列車の旅 いよいよ八戸~新青森間が開通する東北新幹線。せっかくだから、この冬、本州最北端の青森県を旅してみたい。東京駅から最短3時間20分。新たな玄関口、新青森駅からローカル線に乗り換えて、
冬の青森の魅力を体験できる4コースを紹介します。

ストーブ列車・車内
列車内ではだるまストーブが赤々と燃える。車掌さんがストーブの石炭を補充する

斜陽館
太宰治記念館「斜陽館」では、太宰治が生まれた部屋などを見学できる

しじみラーメン
五所川原市市浦地区にある十三湖はしじみの名産地。風味たっぷりのしじみラーメンは絶品

旅のMEMO
観光の問合せ
五所川原市観光協会●TEL.0173-38-1515

せんべい汁
なべ用の南部せんべいを肉や野菜と煮込んだ「せんべい汁」。もちもちした食感が新鮮

陸奥湊朝市
夏は市内各所で朝市が開かれるが、冬の間は陸奥湊朝市のみ

お庭えんぶり
国の登録有形文化財「更上閣」で披露される「お庭えんぶり」。かつては地主や商家の土間や座敷で披露されていた

旅のMEMO
観光の問合せ
八戸観光コンベンション協会●TEL.0178-41-1661

白神トレッキング
冬の白神山地はすべてがトレッキングのフィールド。スノーシューを履いて歩こう

焼きイカ通り、イカのカーテン
国道101号沿いの焼きイカ通り。磯の香りとイカの焼ける匂いが食欲をそそる

不老ふ死温泉
日本海に突き出した露天風呂のある不老ふ死温泉は、青森を代表する温泉のひとつだ

旅のMEMO
観光の問合せ
深浦町観光協会●TEL.0173-74-3320
鯵ヶ沢町観光振興課●TEL.0173-72-2111(代表)

おすすめコース2 冬の風物詩・ストーブ列車に乗って、太宰、津軽三味線のふるさとへ奥羽本線・五能線&津軽鉄道:新青森→五所川原→金木

 新青森駅から進路を北にとり、五所川原駅へ。藩政時代から商業の街として栄え、津軽三味線発祥の地として知られる五所川原エリアの冬の名物は、なんといってもストーブ列車。石炭だるまストーブのある車内からは、岩木山や白銀の世界を一望できる。

 ストーブ列車の走る津軽鉄道は、津軽五所川原駅から津軽中里駅までの20.7km、12駅が営業区間。昭和5年(1930)に開通し、この年の冬から石炭ストーブを積んだ「ストーブ列車」が運行している。当時は暖房施設がなかったため、ストーブを乗せて走る地元の人たちの「生活の足」だったが、いまでは赤々と石炭が燃え、スルメやおにぎりを焼く香ばしい匂いが漂う観光列車として、遠くから足を運ぶお客で賑わっている。

 スルメや干しもちは車内で買えるほか、水や油が出ないものならば自由に焼いていい。地元産の食材を使った駅弁「ストーブ弁当」も人気だ(3日前までに要予約)。

 途中にある金木(かなぎ)は、小説家・太宰治の出身地。太宰の生家「斜陽館」をはじめ、疎開時に過ごした建物や寺などゆかりの地が点在する。それぞれの由緒や歴史を説明してくれるガイドとめぐる「太宰治ゆかりの地 文学散歩」は、太宰好きにはたまらない。また、金木地区は津軽三味線発祥の地とされており、「津軽三味線会館」では毎日生演奏を聞くことができる。

 ストーブ列車と並び、このエリアのもうひとつの冬の風物詩が、地吹雪だ。

 嘉瀬(かせ)駅を過ぎたあたりから車窓からの景色は白銀に染まり、津軽平野を吹き抜ける日本海からの風が大地の雪を吹き上げる。その勢いは「雪が下から降ってくる」といわれるほど。車両が古い津軽鉄道では、隙間から風と雪が入ってくることもあり、列車のなかで「地吹雪」を体験できるかも!?

 津軽鉄道では、平成23年3月末まで「奥津軽スタンプラリー」を開催中。斜陽館などでもらえるカードを提示するだけで、施設や商品が割引になるなどのサービスが受けられる。スタンプを集めて応募すると、抽選で「津軽鉄道1両貸切」などの賞が当たる抽選会もある。この冬は津軽鉄道を楽しみ尽くすチャンスだ。

おすすめコース3 横丁グルメと名物朝市、旨いものを求めて南部・八戸へ 奥羽本線&青い森鉄道:新青森→青森→八戸

 八戸~新青森駅間の新幹線開通と同時に、八戸~青森駅をつなぐ並行在来線が「青い森鉄道」に生まれ変わった。キャッチフレーズは、全長121.9kmを結ぶ「わ」の鉄道。「わ」とは青森県の方言で「私」のことだ。私=地域と一緒に歩む「輪」になるようにと名付けられた青い森鉄道の沿線には、青森市民の身近な行楽地の浅虫温泉郷や、下北半島への入口の野辺地(のへじ)などがある。

 新青森から約1時間半。藩政時代には南部藩の中心地として栄えた古都・八戸に着く。八戸市は今では全国的に有名になったB級グルメの祭典「B-1グランプリ」発祥の地として知られ、地元が誇る郷土料理のせんべい汁をはじめ、海、山、里の「旨いもの」が勢ぞろいする。

 そんな八戸の食がすべて集まるのが「八食(はっしょく)センター」。新鮮な魚介類から八戸せんべい、お土産まで何でも揃うほか、買った食材をその場で炭火焼にできる「七厘村」もある。水温が低いため、脂がのった美味しいサバとして知られる八戸前沖さばや、日本一の水揚げ量を誇るイカがおすすめだ。

 イサバのカッチャ(漁商の母さん)の呼び声が響く、陸奥湊の名物・朝市もぜひ体験したい。夜明け前から新鮮な魚介類や加工品がずらりと並び、食事どころで朝ごはんにするのもいい。煮干をふんだんに使った醤油ベースのスープと細めのちぢれ麺が特徴の「八戸らーめん」、ウニとアワビの贅沢なお吸い物「いちご煮」は、ぜひ食べたい。ホテルから乗り合いタクシーに乗って、朝市と銭湯(朝風呂)をめぐるミニツアー「八戸あさぐる」も企画されているので、うまく利用しよう(協賛ホテルで前日までに要予約)。

 平成23年2月17~22日には、八戸に春を告げる祭り「八戸えんぶり」が行なわれる。八戸えんぶりは、冷害や凶作による農業被害が絶えない地域特性から、農民が烏帽子をかぶり農具をもって豊作を祈る神事だ。800年にわたって農民に継がれてきた神事として、国の重要無形民俗文化財に指定されている。街には太鼓やお囃子にあわせて「シャンシャン」というジャンギの音が響き、情緒あふれる舞いがあちこちで見られる。

-東北新幹線全線開業記念-八戸らーめん探訪ポイントラリー開催期間●平成22年12月1日(水)~平成23年1月31日(月)
八戸らーめん

 昭和3年ごろに誕生し、東北新幹線八戸延伸開業を機に開発・復刻された「八戸らーめん」。醤油ベースに近海で獲れた煮干を使い、鶏ガラと豚骨でダシをとった昔懐かしいラーメンだ。
 今回のポイントラリーは、「八戸らーめん」を1杯食べるごとにポイントシールが1枚もらえ、集めたポイントシールの枚数で素敵な賞品が抽選でプレゼントされるというもの。食べれば食べるほど、賞品がグレードアップしていくので、いろいろなお店のラーメンを食べ比べてみては?

賞品 ●
【特賞】2名様  ※応募資格=ポイントシール10枚
「八戸らーめん100食分無料チケット」または「32型液晶テレビ」
【1等賞】25名様  ※応募資格=ポイントシール3枚
「八戸らーめん5食分無料チケット」または
「八戸らーめんお土産品5食入りセット+オリジナル丼1個」
【2等賞】50名様  ※応募資格=ポイントシール1枚
「八戸らーめん2食分無料チケット」または「八戸らーめんオリジナル丼1個」
参加店●八戸らーめん会加盟20店
問合せ●八戸らーめん会事務局(八戸商工会議所業務課内) TEL.0187-43-5111
八戸らーめんの詳細はこちら

おすすめコース4 冬の白神山地をトレッキング「リゾートしらかみ」で日本海へ 奥羽本線・五能線(リゾートしらかみ):新青森→鯵ヶ沢→深浦

 津軽平野から白神山地、日本海へと風光明媚な景色が続く人気のローカル線「五能線」。東北新幹線の新青森駅開業にあわせて、五能線を走る臨時快速「リゾートしらかみ」に新型車両が登場した。外観は現行の「青池」のデザインを踏襲するが、展望室や個室、車内モニター、津軽三味線の演奏などができるイベントスペース、電動車椅子に対応した大型トイレなどを新設。ハイブリッドシステムの搭載で燃料消費量が1割削減するなど、自然への負荷を減らしたのが大きな特徴だ。新型車両に乗ってぜひ、世界自然遺産の白神山地を訪れたい。

 雪深い冬の白神山地は、すっぽりと雪に覆われた色も音もない世界。しかし、厳しい自然環境だからこそ、雪のなかに垣間見える動物の姿や、新雪に残された足あとからは強い生命力を感じることができる。

 2月1~28日に開催される「ミニ白神トレッキング」は、そんな白神山地をガイドと一緒に歩くツアーだ。鯵ヶ沢(あじがさわ)駅から車で約30分のブナ林を歩き、ブナの冬芽や小動物の観察をする(要予約)。雪に守られた空間で、非日常を感じてほしい。

 白神山地の玄関口となる鯵ヶ沢・深浦地区は、日本海の海の幸、白神山地から湧き出る水の恵みを受けた山の幸など、四季折々の食材に恵まれている。このため「海彦山彦食の旅」ののぼりを掲げた地元の飲食店では、さまざまな地元産の食材を使ったメニューが食べられる。

 また、藩政期に交易港として栄えた港を持つ鯵ヶ沢は、新鮮なイカを日本海の潮風にさらして作るイカの生干しで有名。生干しイカを焼く店が軒を連ねる通りは、「焼きイカ通り」の名前がつくほどだ。香ばしく焼いたイカをほお張るついでにぜひ会いたいのが、イカ焼き店の看板犬として人気を集めている、ぶさかわいい(=不細工だけど可愛い)犬の「わさお」。平成23年3月には、本人ならぬ「本犬」が出演する映画『わさお』が全国公開される。

 青森西海岸の旅の終わりは、深浦の不老ふ死温泉でしめよう。手を伸ばせば触れられるくらいに目の前が日本海、というロケーションにある露天風呂は、黄金色で少ししょっぱい。沈む夕日を眺めながら、ゆっくりと冷えた身体をあたためたい。

文・構成:本間朋子
写真協力: 青森県
※掲載されているデータは平成22年12月現在のものです。

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