『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。

『途中下車! 青春18きっぷの旅 ~格安ワンダフル☆トリップ~』JR全線の快速&普通列車が普通車自由席に乗り放題の「青春18きっぷ」。ローカル線のワンダフル・トリップに、さあ、出かけましょう!

  • 高知発1泊2日 これぞ龍馬“電”? いろんな龍馬に出会う旅
  • 札幌発1泊2日 おっきな北海道で小さな春を見つけよう
  • 名古屋発1泊2日 イチゴやシイタケ、アサリなど春の食材を山盛りハンティング♪

『これぞ龍馬“電”?蝋人形とか弁当とかいろんな龍馬に出会う旅』視聴率も好調なNHK大河ドラマ『龍馬伝』の影響で、今年は日本各地が龍馬一色に!とはいえ、龍馬ゆかりの地を訪ねるなら、やはり故郷の高知は外せない。駅弁や銅像、果ては郵便局まで、あちこちで龍馬に会えるはず。

香川某所で龍馬の銅像を発見!夜は高知で龍馬よろしく酩酊

 今回の高松発「青春18きっぷの旅」は、龍馬の故郷・高知が舞台……だが、南下する前にまず金刀比羅宮とその周辺に立ち寄ろう。

 琴平駅で下車後、最初に向かうは金刀比羅宮の南西側、伊予土佐街道の牛屋口。そこにはなんと、龍馬の銅像が! 実はこの街道、龍馬が脱藩の時に通ったという伝説が残っているのだ。

 龍馬と意外な遭遇をしたら、次は金刀比羅宮境内にある高橋由一館へ。昨夏に修復を終えた伊藤若冲の『紙本金砂子地著色百花の図』が見もので、黄金に輝く四面の襖に描かれた白や赤の花は、つい見とれてしまう。

 琴平駅に戻ったら、大歩危(おおぼけ)小歩危(こぼけ)の渓谷美など車窓風景を楽しみつつ土讃線で高知を目指す。目当ては高知駅南口にある土佐・龍馬であい博のメイン会場「高知・龍馬ろまん社中」。こちらでは、大河ドラマ『龍馬伝』を前面に押し出した企画展示やメイキング映像、ドラマの使用衣装などを観賞可能だ。

 龍馬の知識を得た後は、「おきゃく体験」で龍馬キブンを豪快に味わうべし。高知では宴会を「おきゃく」と呼び、手ぬぐいのお面とゆる~い動きがユーモラスな「しばてん踊り」や「べく杯」など独特の酒宴文化がある。料亭を予約するのもいいが、1万円以上かかることも多いので、開催期間が合えば「土佐の『おきゃく』2010」で安くほろ酔いがおすすめ!

しんたろう号に揺られ弥太郎や龍馬に会いにいくぜよ!

 翌朝は、高知市内中心を散策しよう。日根野道場跡、龍馬の生まれたまち記念館(8:00~19:00)で龍馬に想いを馳せるもよし、龍馬郵便局でポストの上に立つミニ龍馬にウププとなるもよし。

 散策後、高知駅で駅弁「龍馬弁」を購入したら、10時過ぎにはホームにいたい。狙うは、高知駅まで乗り入れてくる土佐くろしお鉄道の10時19分発「しんたろう号」! 車内には「ごめん・なはり線」沿線の地にゆかりのある岩崎弥太郎・中岡慎太郎の資料が展示されているうえ、オープンデッキの通路からは土佐湾を展望可能だ。夜須駅~赤野駅間ではトンネルを抜けたあと、太平洋と緑松の景色が一気に広がるのでお見逃しなく!

 安芸駅で降り、『龍馬伝』の主人公・岩崎弥太郎の生家へ。寛政7年(1795)頃に移築された茅葺きの家は、土蔵の鬼瓦に三菱マークの原型とされる三階菱があったり、少年時代の弥太郎が日本列島を模して並べたという庭石があったりと、見どころたっぷり。

 最後の目的地「龍馬歴史館」は、のいち駅から徒歩で向かう。同館は、龍馬誕生や船中八策など龍馬が駆け抜けた幕末の名シーン26場面を精巧な蝋人形で再現。絶妙な表情やポーズは、本当の志士たちがそのまま静止しているかのよう。幕末への時間旅行が、今回の旅行のクライマックスだ。

旅のスケジュール

  駅名 時間 旅のひとことアドバイス
1日目 高松発 7:09  
琴平着 8:23 タクシーで約10分の金刀比羅宮牛屋口付近に行き龍馬の銅像を見学。帰りは歩いて金刀比羅宮参り。奥書院床の間障壁画で、伊藤若冲の作『紙本金砂子地著色百花の図』を観賞
琴平発 11:51  
阿波池田着 12:47 幕末から明治にかけて、刻みタバコで栄えた阿波池田町で「阿波池田たばこ資料館」を見学
阿波池田発 13:44 この列車旅のハイライト、小歩危~大歩危間の渓流美を望む
高知着 16:08 徒歩すぐの「土佐龍馬であい博」のメイン会場「高知・龍馬ろまん社中」へ。宿泊は土佐電鉄枡形駅から徒歩3分の「龍馬の宿 ホテル南水」で。夜はイベント「土佐の『おきゃく』2010」で、“べく杯”などを楽しむ!
2日目 高知発 10:19 朝は、龍馬郵便局、日根野道場跡、龍馬の生まれたまち記念館(8:00~19:00)など近隣の龍馬ゆかりの地を散歩。散策後は高知駅で駅弁「龍馬弁」を購入し、土佐くろしお鉄道の「しんたろう号」乗車!
安芸着 11:29 無料レンタル自転車か12:20発のバスで「岩崎弥太郎生家」へ
安芸発 14:26  
のいち着 14:51 徒歩10分の「龍馬歴史館」で、龍馬をはじめとした130体の蝋人形を見学
のいち発 17:21 後免、阿波池田、多度津で乗り換え
高松着 21:40  
pick up! 期間限定スポット 土佐の『おきゃく』2010(3月6~14日)
高知市中心街などで49種のイベントを開催。「日本一の大おきゃく」(3月13・14日)では、中心商店街など全長約1kmの道が土佐の地酒や料理を楽しめる宴会場に変身! 市内7施設にて楽しめる「土佐のお座敷体験、土佐の酒肴」(3月6・8~13日、18:30~20:30予定)では、3500~6000円でお座敷遊びが可能だ。要予約。TEL.088-884-0989。土佐のお座敷体験は18:30~20:30予定。


3月19日~6月13日まで金刀比羅宮境内の高橋由一館にて公開される、若冲の作『紙本金砂子地著色百花の図』。TEL.0877-75-2121。若冲展8:30~17:00、無休。若冲展1000円(参拝は無料)


「幕末土佐通り」と名づけられた土佐・龍馬であい博メイン会場内のイメージ図。全4会場に1回ずつ入れる通行手形700円がお得。TEL.088-823-9043。8:30~18:00、期間中は無休。メイン会場は大人500円、小・中学生250円


高知の“おきゃく”に欠かせないのが「べく杯」。底に穴が開いていたり自立できない形の杯のため、下に置くことができない。つまり、飲み続けなければならない!(うれしい悲鳴)


高知駅のホーム内で買える、その名も「龍馬弁」1000円。高知県産のシイタケやミョウガなどを使った郷土寿司や、カツオの角煮など素朴な郷土料理がうれしい。8:00~15:00に販売


平成23年3月まで、10:19高知駅発と14:03後免発の1日計2回走る「しんたろう号・やたろう号」。海側は眺めを一望できるよう、オープンデッキの通路を設置した特別仕様車に!


「しんたろう号・やたろう号」の車内には岩崎弥太郎、中岡慎太郎の貴重な写真や生い立ち、縁のある場所などを解説・展示する。普通乗車券で乗車可能だ


三菱財閥創始者で、『龍馬伝』主人公でもある岩崎弥太郎の生家。茅葺きの母屋や2階建ての土蔵が懐かしい。TEL.0887-35-1011(安芸市商工観光水産課)。8:00~17:00、無休。見学無料


龍馬歴史館1階では龍馬の生涯において重要な26場面を、180体の蝋人形で表現。写真はグラバー邸で交渉をする龍馬。2階では世界の偉人の蝋人形も展示。TEL.0887-56-1501。9:00~17:00、無休。1050円

旅のMEMO
観光の問合せ
高知市観光協会●TEL.088-823-4016
安芸市商工観光水産課●TEL.0887-35-1011

文:鈴木健太
写真協力:金刀比羅宮、ピカソ・デュオ、土佐・龍馬であい博推進課、土佐のおきゃく事務局、安藤商店、土佐くろしお鉄道、安芸市商工観光水産課、龍馬歴史館
※掲載されているデータは平成22年2月現在のものです。



次のページへ

バックナンバー

このページのトップへ