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 温泉で、人情で、グルメでぽっかぽか
冬こそ楽しい 青春18きっぷで旬さがし

  • 上野駅発着/1泊2日 冬の南東北で『ほっこり』各駅停車
  • 名古屋駅発着/1泊2日 京&兵庫の旅で綴る『平家物語』

上野駅発着 1泊2日  イルミに温泉、なつかし町で心ほんわかあったまる 冬の南東北で『ほっこり』各駅停車 宮城県白石市・仙台市・松島町、福島県福島市

南東北からうれしい情報が届いている。 東北を元気にしようと、中止予定だった イベントの開催が続々と決まっているのだ。 今回は、季節の催しを含め、温泉、カキなど 冬の魅力をギュッと濃縮した各駅停車の旅へ。


市中心部にある益岡公園にあった平城を120年ぶりに復元した白石城。明治維新の際には同城で奥羽越列藩同盟が結ばれた。TEL.0224?24-3030(白石城管理事務所)。9:00~16:00(4~10月は~17:00)、12月28~31日休。天守閣300円、武家屋敷200円、立体ハイビジョン300円、共通券600円


福島交通飯坂線は、福島~飯坂温泉の9.2㎞を23分かけてのんびり走行。車窓には果物畑など牧歌的な風景が広がる。1日フリー乗車券と飯坂温泉日帰り入湯券がセットの「飯坂温泉湯ったり切符」1000円も。TEL.024-558-4611(福島交通鉄道部)


摺上(すりかみ)川とその支流・赤川に沿って約50軒の宿が並ぶ飯坂温泉。湯量豊富で、源泉自体の平均温度は58度以上。そのため、湯船でもその熱い湯を堪能できる。共同浴場は写真の鯖湖(さばこ)湯のほか計9軒。TEL.024-542-4241(飯坂温泉観光協会)


かつ丼風や天丼風、カキフライといった定番に加え、中華風やカレー風などアイデア丼も続々登場中の松島名物「カキ丼」。今年は地元の収穫量が少ないため、国産カキを美味しく調理することが定義。TEL.022?354-2618(松島観光協会)。850~1800円


土・日曜・祝日を中心に、殺陣(たて)を交えた演武を披露している伊達武将隊。伊達家存亡をかけた人取橋の戦いの再現などが見どころ。ゲーム形式で観光案内をするパターンも。TEL.022-214-8259(仙台市観光交流課)。14:00~14:30(変更あり)。無料


160本のケヤキが、表参道支援分の6万球を含めた美しい光に包まれる「SENDAI 光のページェント」。12月23日はサンタなどのパレードも。TEL.022-261-6515(SENDAI 光のページェント実行委員会)。12月2~31日、17:30~22:00(31日のみ23:00消灯)

旅のMEMO

観光の問合せ
白石市観光協会●TEL.0224-22-1321
飯坂温泉観光協会●TEL.024-542-4241
松島観光協会●TEL.022-354-2618
仙台観光コンベンション協会●TEL.022-268-6251
城下町とローカル線、ふたつののんびりトラベル

 冬の東北が好きだ。旅情というものは、暑い季節に暑い地方、寒い季節に寒い地方へ行った方がより実感できると思う。その土地ならではの風景・風習がより濃く見えるからだ。

 そんなわけで、今回の旅は冬の南東北。最初の目的地は、堀割や水路が残る城下町・白石だ。武家屋敷や商人町の蔵など、散歩すればたくさんの懐かしい風景に出会える。

 平成7年には白石市民の誇り、白石城天守閣が復活! 高層木造建築物を忠実に復元しており、お城好きなら興奮間違いなし。元旦には「天守閣から初日の出を拝む会」も開かれるので(入場制限の場合も)、鎌先温泉で正月を過ごす人は、ぜひ参加してみよう。

 一旦福島まで南下したら、今度は「いい電」こと福島交通飯坂線の旅。青春18きっぷは使えないけれど、2011年9月に発売された「いい電1日フリーきっぷ」なら800円で、大人1人+小学生1人+幼児2人が全線乗り降り自由と、とってもお得! ぶらり途中下車し、芭蕉も訪れ句を詠んだという医王寺(医王寺前駅)や、1600以上の作品を収蔵する福島県立美術館(美術館図書館前駅)などローカル線沿線の散策を楽しみたい。

 夜は終点の飯坂温泉で1泊。発見は2世紀頃という古湯で、俳聖・松尾芭蕉が立ち寄ったとも。湯は42度前後と熱めのため体の芯までぽかぽかになるうえ、アルカリ性で肌への負担も少ない。湯上がり後は「しっとりと すべすべになる 我がお肌」と、つい一句。

冬グルメやイケメン武将たちが仙台を盛り上げる!

 2日目午前の目的地も、芭蕉の足跡が残る松島だ。東北を元気にしようと、松島は今冬も数々のイベントを開催! 昔から地元で愛され続けるカキ丼を町内15軒で味わえる「松島名物かき丼キャンペーン」や地元料理コンテスト入賞作品が11店舗で楽しめる「松島三ツ星冬ランチ」各2500円などで、食いしん坊のハートをつかみまくり。土・日・祝のみの完全予約制だが、地元の採れたてカキが食べ放題のカキ小屋も気になる!(2012年1月29日まで)

 次なる旅先、杜の都仙台では、熱い男たちが待っていた。平成22年度に誕生し、今年3月に一旦解散するも、東北を盛り上げようと再結成した「伊達武将隊」である。心意気も見た目も◎の武将たちは、土・日曜・祝日を中心に仙台城址で熱い演武を披露している!

 イケメン武将に後ろ髪ひかれ、もう1泊や新幹線での帰宅を考えた人は、「2011 SENDAI 光のページェント」で夜の仙台も満喫しよう。定禅寺通と青葉通のケヤキ並木が、46万個の電球に彩られる風景に、またもうっとり。なお、1月2日からは大きな茶箱の福袋で有名な「仙台初売り」もはじまるので、正月に旅する人は足を延ばしてみて。

旅のスケジュール

  駅名 時間 旅のひとことアドバイス
1日目 上野発 6:49 宇都宮、黒磯、郡山、福島で乗り換え
白石着 12:33 白石城を見学。日によっては「白石戦国武将隊 奥州片倉組」の演武を観賞できることも。冷えた体を温めるなら「白石温麺(うーめん)」が一番!
白石発 14:19 一旦、福島まで戻る
福島着 14:54  
福島発 15:05 「いい電フリーきっぷ」を買って、福島交通飯坂線こと「いい電」のぶらり途中下車の旅を楽しむ
飯坂温泉着 18:28 熱めのお湯の飯坂温泉であったまる。1泊
2日目 飯坂温泉発 8:25 福島、仙台で乗り換え
松島着 10:48 カキ丼やカキ小屋(要予約)で、冬の味覚・カキ三昧!
松島発 12:53  
仙台着 13:19 仙台城址で土日を中心に催されている「伊達武将隊」の演武にうっとり。もう1泊する人や新幹線で帰る人は、夜から始まる「SENDAI 光のページェント」へGO!
仙台発 17:01 福島、黒磯、宇都宮で乗り換え
上野着 23:38  

ほかほかご当地グルメ、いただきます 白石温麺(うーめん)

約400年の歴史を誇る白石伝統のご当地麺。素麺の一種だが、一般の素麺と違うのは製造の際に油を使わないこと。口当たりの良いこの麺を、醤油・ゴマ・味噌などのつけ汁や、かけうどんのように温かいおつゆで味わうのが定番。市内約20店舗で味わえる。TEL.0224-26-2042(白石市観光案内所)

文:鈴木健太
写真協力:白石市観光協会、福島交通、飯坂温泉観光協会、松島観光協会、街ナビプレス、仙台市観光交流課
※掲載されているデータは平成23年12月現在のものです。

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