『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。

  • mixiチェック

山形新幹線×ウィークエンドパスで行く『奥羽本線 ワイン&温泉旅』実りの秋、涼しくなって温泉が恋しい季節が到来。JR東日本のおトクな「ウィークエンドパス」を使って、週末に目指すは、ワイナリー&温泉の魅惑の地・山形。山梨・長野・北海道とならぶ日本4大ワイン産地にして、歴史ある名湯も満喫する、奥羽本線沿線1泊2日の旅するのだ。ゆったり滞在コースと、きっぷを駆使したよくばりコース、気分次第、のんべえ度次第でどうぞ。

『天童・かみのやま温泉 足をのばしてよくばりコース』東京からまずは一気に日本一の将棋駒の生産地、天童へ。そうしてかみのやま温泉、赤湯、高畠へと、奥羽本線を南下しながらワイナリーと温泉をめぐるこの一手。美酒と名湯が目白押し、きっぷのおトク度も満足度も大なのです。 赤湯・高畠 ゆったりのんびりコース 足をのばしてよくばる 天童・かみのやま温泉

写真
将棋駒の生産量日本一を誇る天童市。タクシーの屋上表示灯も、ポストも将棋駒がモチーフ! (探せばまだまだあるゾ)駅には、将棋資料館が併設
写真
ワイングラスで試飲をすすめてくれるのが「天童ワイン」のスタイル。見学予約をすれば、ミニ講習として6種ほどの試飲と丁寧な解説をしてくれる
写真
「アトリエSOU」は、「人と作品が近づく場を」と、今年9月に工芸作家・湯浅記央さんが開いた。シルバーリング制作体験なども行う。十日町2-8 TEL.023-674-9258
写真
「タケダワイナリー」の周辺には、15haの自社畑が広がる。ショップでは約18種ものワインが試飲でき、夏期には購入したワイン用の保冷剤の準備も
写真
上山の人気店「新華楼」の、山形山菜薬膳ラーメン880円。さっぱりしたスープに、山形牛や山菜がたっぷり! 甘草、陳皮、月桂樹などの生薬入り
写真
上山市内には5つの足湯が点在。上山城の「月岡公園」にある足湯からは上山の町が一望でき、観光客も気軽に温泉を利用できる人気のスポットだ
写真
市民のシンボル「上山城」の内部は、郷土資料館(入館料400円)。共同浴場は7つあり、いずれも地元の方々が毎日のように通ってくる憩いの場
写真
赤湯温泉の観光センター「ゆーなびからころ館」。足湯、特産品コーナーあり。休憩室(有料)では、出前の注文も可能。9:00~21:00、第2・4月休(祝の場合は営業)
写真
「高畠太陽館」はJR高畠駅にある温泉施設で、ホームから10秒! 源泉100%、32畳の大広間も有す。7:00~22:00、第2月休。入浴料大人300円

新酒にあやかりいで湯をめぐる、山形4市の充実旅

 東京駅から新幹線で約3時間、山形県の東部の温泉とフルーツの町として知られる天童駅に降りたてば、なんの前情報がなくてもここが将棋駒の生産で有名な土地だと察せられるだろう。改札付近では、高さ1mほどの堂々たる“王将”が旅人を出迎えるし、駅の食堂のメニュー表示も、駅内の時計も将棋駒をモチーフとした五角形。道路のタイル絵もポストの飾りやタクシーの屋上表示灯も見慣れたあの形なのだ。

 「天童ワイン」へと向かうタクシーの車中、運転手さんの話によると、毎年春には武者や腰元に扮した人々が将棋の駒に扮して、プロ棋士が対局する“人間将棋”が50年以上も前から続いているのだという。

 金色の稲穂が輝く広い広い水田を抜けて、ワイナリーへ10分ほどで到着。帰り道の足を案じると、「30分くらいなら待ってるから~」と運転手さん。このあたりでは日常的なことのようで、エンジンとメーターを止め、にこにこと待ちの姿勢に入った。う~ん、ありがたい!

 天童ワインでは「ワインは風土の個性よく表われるもの」と考え、天童産のブドウならではの個性を引き出した造り方を心がけている。ワイン用のブドウ生産者の確保に尽力し、現在では、契約栽培を中心に県内産のブドウのみでワインを製造。山形県産のブドウは、山梨県と比較すると積算温度(生育期間中の10℃を越す温度を足し合わせること)がやや低い。そのため、同じ品種でも、ワインの骨格となるしっかりした酸味のあるワインになるという。

 つづいて奥羽本線で南下すること9駅目の、かみのやま温泉駅へと移動しよう。こちらは、足湯が5つ、共同浴場は7つもある“立ち寄り湯の天国”みたいな町だ。共同浴場は、カランの数が少なく、洗い場のスペースも限られたごくごく素朴な湯処。「しんばらくぶりね~。おばあちゃん元気ィ?」なんて会話が聞こえてきて、地元民が日常的に利用しているのがいい。湯はかなり熱めだが、かけ湯で十分体を温めてから「えいや」と浸かれば、やっぱり極楽なのである。

 湯けむり上るのどかなこの町にあるのが、山形のワイン産業をけん引してきた「タケダワイナリー」だ。社長として会社を切り盛りする五代目・岸平典子さんは、フランスはブルゴーニュの醸造学校で実践的な醸造学を学んだ人物。有機的な農法でブドウを育て、世界に通用するワインを手がけている。畑を目にしてその味を確かめれば、感動もひとしお! たくさんの手と愛情をかける造り手の熱意にふれられるのが、山形のワイナリー訪問の醍醐味でもある。

 明日は赤湯をめぐり、高畠にも赴きたい(というあなたは1ページ「赤湯・高畠」をもう一度ごらんください!)。駅舎に温泉施設を併設した「高畠駅太陽館」なら、帰り際直前の泣きのひとっ風呂まで楽しめる。ウィークエンドパスを駆使しても、旅の欲望はあれもこれもと尽きることがない……これは来週末も来るしかない?!

モデルコース

1日目 発着駅 時間 メモ
東京発 7:16 山形新幹線つばさ103号
天童着 10:21 「天童ワイン」
天童発 12:32 奥羽本線
かみのやま温泉着 13:15 「タケダワイナリー」のあとは、足湯や上山城散策。
かみのやま温泉発 16:45 奥羽本線
赤湯着 17:03 宿泊
2日目 午前中からワイナリー1~2ヵ所へ。「ゆーなびからころ館」で物産を買ったりしてひとやすみ。出前も取れるので、ランチもすませられる。隣の「元湯共同浴場」で2つの源泉を楽しむもよし。
赤湯発 13:29 山形新幹線つばさ116号
高畠着 13:34 「高畠ワイナリー」
高畠発 15:54 奥羽本線
米沢着 16:03 新幹線の待ち時間を有効活用して、「米沢牛味噌粕漬」といった米沢牛みやげを調達したい。もちろん、帰りの駅弁も!
米沢発 17:41 山形新幹線つばさ126号
上野着 19:50  
東京着 19:56  

旅のメモ

この秋のおすすめ付き! ワイナリーリスト

天童ワイン(天童) 造り酒屋の蔵を生かしたワイン工房
天童が恵まれたのブドウの産地であることを生かしたワイン造り。見学(要予約)はミニ講座付きで、ワインの飲み方や利き酒の仕方、試飲と解説など約40分をかけて行われる。営業:9:00~17:00、不定休、見学:無料・要予約(10名~)、試飲:無料 TEL.023-655-5151 詳細はこちら
この秋おすすめ
天童ワイン(白)1071円(720ml)…天童産のデラウエアー種を使用。甘味と酸味のバランスのよさ、香りの高さが自慢。
タケダワイナリー(かみのやま温泉) 世界レベルの本格的な発泡ワインに注目
20年の歳月をかけて土壌改良を行い、ブドウ栽培とワイン醸造を続ける。1989年には、シャンパーニュと同じ製法の瓶内二次醗酵による本格的な発泡ワインの製造に成功し、高い評価を得ている。営業:10:00~11:30・13:00~17:00、無休(12~3月は土・日・祝休)、見学:無料・要予約、試飲:無料 TEL.023-672-0040 詳細はこちら
この秋おすすめ
サン・スフル(白・発泡)ワイナリー直販価格 1680円(750ml)…山形県産デラウエア種100%使用。発酵中のワインをそのまま瓶詰めして、発泡ワインに仕上げた。無ろ過、生詰めのフレッシュな味わい。

ウィークエンドパスで こんなにおトクにアクセス!

東京都内から通常期に利用した場合:2万3540円→ウィークエンドパス利用の場合:2万60円 ウィークエンドパス利用で3480円以上もおトク!

  • ウィークエンドパスは、フリーエリアを最大限活用するとぐっとおトクになります。平成22年10月2日利用開始分から、山形鉄道線ほか新たに鉄道会社線10社もフリーエリアに加わり、旅の楽しみ方が増えました。 詳細はこちら
  • 10月17日までの利用なら「鉄道の日記念・JR全線乗り放題きっぷ」はもっとおトクに!! 詳細はこちら

取材・文・写真=沼 由美子
※掲載されているデータは平成22年10月現在のものです。

前のページへ

このページのトップへ