石見銀山遺跡とその文化的景観|島根県/平成19年登録/文化遺産|山に還った遺跡群に自然を維持した開発が垣間見える鉱山

かつて、世界に流通する銀の3分の1を産出し、最盛期には20万人が暮らしたとされる石見銀山。「銀鉱山跡と鉱山町」、「港と港町」、これらを結ぶ「街道」の3分野、14の構成資産からなり、銀の生産から搬出までの全体像が不足なく明示されている点や、森林資源の適切な管理によって、自然環境を維持しながら鉱山開発が行なわれた点などが評価され、世界遺産としてはアジアで唯一の産業遺産となった。

遺跡・遺構のほとんどは、現在は森へと還っており、一見するとその価値が分かりにくいが、ガイドツアーを利用すれば、間歩(まぶ)と呼ばれる坑道の中を見学することも可能。また、登録の対象となっている、1400年前から自然に湧く源泉かけ流しの名湯「元湯」に浸かり、往時の人々に思いを馳せるのも良い。

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問合せ・詳細:大田市観光協会 TEL.0854-89-9090

主なアクセス:JR山陰本線大田市駅からバスで26分の大森代官所跡下車等

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自然とともに残された鉱山開発の貴重な史跡
当時を思い起こさせる清水谷製錬所跡

※掲載されているデータは平成24年6月現在のものです。
※月刊『旅の手帖』2011年6月号より転載、再構成。