岐阜県白川郷と富山県五箇山地方のみに見られる独特の家屋「合掌造り」は、養蚕のために屋根裏を用いる工夫と雪下ろしの作業軽減のため、急な角度の茅葺き屋根が特徴。岐阜県白川村荻町集落の59棟、富山県南砺(なんと)市菅沼集落9棟・相倉集落20棟の合掌造りのほか、板倉などの伝統的な建物や神社の社叢(しゃそう)などが登録の対象。
養蚕や豪雪に対する工夫を施した合掌造り家屋は非常に合理的な民家形式のひとつであり、木造文化を代表するもの。また、合掌造りを中心とする農村風景は世界的に価値のあるものと評価された。見学できる合掌造り家屋の内部に入り込み、茅や木材が囲炉裏の煙に燻され、それにより腐食や害虫から守られている様子を目の当たりにしてみたい。