和銅3年(710)、平城京が置かれ、奈良時代の幕が開ける。日本社会の文化は中国や朝鮮に学びながら奈良時代に礎が築かれた。その最原点たる平城宮跡は、遺構が良好な状態で保存されるとともに、朱雀門や東院庭園などが復元され、往時のおもかげを偲ばせる。
さらに、東大寺・興福寺・春日大社・元興(がんごう)寺・薬師寺・唐招提寺・春日山原始林の計8資産が世界遺産に登録。宮殿遺跡と都に計画的に建設された木造建築群が当時の姿をそのまま伝えている例は東アジアで他になく、建造物群と自然の山や森とが一体となった文化的景観が守られている点などが評価された。
奈良の文化財の大きな特徴である社寺と自然の山をたっぷり歩いてみたい。