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2024.07.24ジパング俱楽部鳥羽駅から行く!フェリーで約20分。伊勢志摩の離島・答志島で歴史ロマンに触れる|JR東海エリアモデルコース

三重県鳥羽(とば)市

夏は船に乗って、島旅に行こう! ジパング倶楽部編集部では、JR線+船でらくらく行ける、島旅モデルコースを紹介。島の見どころやグルメ、島内のアクセス事情まで、ていねいにご案内します!

鳥羽駅から徒歩約10分の佐田浜港からフェリーで約15分。日帰りでも気軽に行ける離島・答志島(とうしじま)は、絶景に歴史ロマンを感じさせる史跡、地元の人とのふれあいも楽しい海女小屋と魅力がいっぱい。今回は1泊2日でめぐるルートをご紹介します。


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伊勢湾の入口に位置する絶景の島・答志島


船上から眺める答志島 船上から眺める答志島

鳥羽市の沖合に浮かぶ島々のなかでもっとも大きく、温泉宿や海女小屋などがある東部の答志・和具地区と、西部の桃取(ももとり)地区に分かれています。

今回訪ねるのは答志・和具地区。 船の便数は1日に10往復ほどあり、朝の船で島に渡れば日帰りでの観光も可能です。

古くは万葉集に詠まれ、戦国時代には織田信長や豊臣秀吉に仕えて名を馳(は)せた武将・九鬼嘉隆の終焉(しゅうえん)の地ともなりました。また「寝屋子(ねやこ)制度」や「マルハチ」など独特の風習があることでも知られています。


データと注意事項

島内にバスやタクシーはなく、移動手段は徒歩が基本。 各港の周辺にはレンタサイクルを扱う宿がいくつかあり、電動アシスト自転車も用意されているので、少し離れた「答志島ブルーフィールド」や「天望山レイフィールド」に行きたい時はこれを利用するのがおすすめです。

〈1日目〉参宮(さんぐう)線鳥羽駅からスタート!


観光シーズンにはにぎわう駅 観光シーズンにはにぎわう駅

参宮線の終点で、賢島(かしこじま)方面に行く近鉄志摩線が接続。佐田浜港に行くには、駅舎内の階段を登り、国道を跨(また)ぐ陸橋を渡りましょう。

 

徒歩約10分

 

佐田浜港(鳥羽マリンターミナル)から市営定期船に乗船


使用する船によって所要時間が若干異なります 使用する船によって所要時間が若干異なります

乗船するのは和具もしくは答志行きの定期船。同じ答志島でも桃取行きは今回の目的地に寄港しないのでご注意を。佐田浜港からは、坂手島、菅島、神島行きの船も発着しています。


 

市営定期船約23分

 

和具港に到着


港に並ぶ漁船 港に並ぶ漁船

定期船は、停泊するたくさんの漁船に出迎えられるように和具港に入港。

和具は南向きの入江に面した静かな漁村。海の向こう側には菅島が横たわっています。

待合所には観光パンフレットが常備されています。

 

徒歩約1分

 

和具サンシャインビーチ

心地よい潮風に吹かれてのんびり


背後に見えるのは和具の町並み 背後に見えるのは和具の町並み

答志島に下り立ち宿に荷物を預けたら、さっそく散策に出かけてみましょう。まずは和具港のすぐ西にある和具サンシャインビーチへ。穏やかな波が打ち寄せる美しい砂浜で、シーズンには海水浴のファミリーでにぎわいます。遊歩道やベンチが整備されており、朝の散歩にもぴったり。


和具サンシャインビーチ

問い合わせ先 0599-25-3019(鳥羽市観光協会)
時間 見学自由
交通アクセス 和具港から徒歩約1分

 

徒歩約30分

 

天望山レイフィールド

見晴らし最高のビュースポット


和具の町の向こうに渥美半島が見えます 和具の町の向こうに渥美半島が見えます


整備が行き届いた木製の展望台 整備が行き届いた木製の展望台

電動アシスト自転車なら和具港から登り口まで10分ほど 電動アシスト自転車なら和具港から登り口まで10分ほど

「和具サンシャインビーチ」から西方向に見える天望山の頂上には、展望台「天望山レイフィールド」が整備されています。ハイキング気分でそこを目指してみましょう。

登り口までは、島を横断する舗装道路を歩いて約25分。案内板に従い、登山道を5分ほど登れば到着です。

ここからの素晴らしい眺めには、思わず感嘆の声が出てしまうはず。東には和具の町と神島、渥美半島、西には鳥羽の町、北には知多半島、そして南には菅島と雄大な太平洋が見渡せます。


天望山レイフィールド

問い合わせ先 0599-25-3019(鳥羽市観光協会)
時間 見学自由
交通アクセス 和具港から徒歩約30分

 

徒歩約40分

 

九鬼嘉隆(くきよしたか)の首塚・胴塚・血洗い池

勇猛果敢な水軍に思いを馳せて


首実検の後に首を埋めた「首塚」 首実検の後に首を埋めた「首塚」

切腹に使った刀を洗った「血洗い池」 切腹に使った刀を洗った「血洗い池」


遺骸を埋葬した「胴塚」 遺骸を埋葬した「胴塚」

天望山から和具の町に戻ったら、答志島ゆかりの武将・九鬼嘉隆の史跡めぐりへ。
勇猛な水軍を率いて信長、秀吉に仕えた嘉隆の墓が、海に突き出した築上山(つかげやま)にあります。

嘉隆は関ヶ原の戦いの時に西軍につきましたが、その一方で子の守隆を東軍につかせ、どちらかが敗れても家が存続する策を取りました。 西軍が敗れたため、嘉隆は拠点にしていた答志島に逃げて、島内の寺で切腹しました。


九鬼嘉隆の首塚・胴塚・血洗い池

問い合わせ先 0599-25-3019(鳥羽市観光協会)
時間 見学自由
交通アクセス 和具港から胴塚・血洗い池まで徒歩約7分、首塚まで徒歩約10分

 

徒歩約5分

 

寿々波(すずなみ)

答志島温泉と絶景と海の幸を堪能


桶(おけ)に盛り付けられた豪勢な魚介に目を見張ります 桶(おけ)に盛り付けられた豪勢な魚介に目を見張ります


手すり付きで安心 手すり付きで安心

ゆったりとした客室 ゆったりとした客室

宿泊先は、和具港の近くにある「寿々波」。部屋や大浴場からの眺望が自慢の温泉宿です。

まずは食事の前に6階の展望大浴場に浸(つ)かり、汗を流しましょう。筋肉痛や関節痛などに効能があるとされる泉質の天然温泉で、疲れもほぐれます。
大きな窓の外に広がる日没の風景はみごと。夜景や日の出も美しいので、時間を変えて入ってみてはいかがでしょうか。

夕食は、伊勢海老をはじめ志摩地方の新鮮な魚介類をふんだんに使った料理に舌鼓。気兼ねなく過ごせる個室でいただきます。

寿々波

問い合わせ先 0599-37-2001
交通アクセス 和具港から徒歩約3分
値段 1泊2食1万6500円~
泉質 アルカリ性単純温泉ナトリウム-カルシウム塩化物冷鉱泉
URL http://www.suzunami.net/

日帰り入浴

時間 15~18時
値段 700円

〈2日目〉寿々波を出発

 

徒歩約10分

 

美多羅志(みたらし)神社

島民が崇敬する子授けの神


白石が敷き詰められた神聖な拝殿 白石が敷き詰められた神聖な拝殿


近づくだけでパワーをいただけそうな「龍神さん」 近づくだけでパワーをいただけそうな「龍神さん」

2日目は、和具集落とは丘を隔てた北側にある答志集落へ。向かう途中、2つの集落の境目にある美多羅志神社にお参りをしていきましょう。

この神社の祭神は五男三女をもうけたことから、子授けの御利益で知られています。夫婦揃って参拝しつがいのアワビを奉納すると、美しい瞳のこどもを授かるのだとか。

境内にそびえる椎(しい)の古木は、幹がまるで龍のように見えることから「龍神さん」と呼ばれています。


美多羅志神社

問い合わせ先 0599-25-3019(鳥羽市観光協会)
時間 参拝自由
交通アクセス 和具港から徒歩10分、答志港から徒歩5分

答志集落の路地裏

路地の奥へと吸い込まれていきそう


異世界に迷い込んだ気分に 異世界に迷い込んだ気分に

美多羅志神社の先から、民家がぎっしりと建ち込む答志集落の中へと入っていきます。
狭い路地が複雑に入り組み、まるで迷路のよう。しだいにどこをどう歩いているのか分からなくなりますが、不思議とわくわくする散策です。

家の壁に書かれた丸の中の「八」の文字や、玄関に飾られた串刺しのイワシの頭など、路地には不思議なものがいっぱい。これらが何なのか知りたい人は、ガイドツアーへの参加がおすすめです。


ディープな「路地裏体験」ツアーへ

答志島の迷路のような路地裏には不思議なものがいっぱい⁉

島独特の風習に触れ、レトロな風景も楽しめる、ガイドと歩く「路地裏体験」ツアーに参加してきました。

所要時間約1時間30分と、気軽に参加できるのも魅力です。

 


答志集落の路地裏

問い合わせ先 0599-25-3019(鳥羽市観光協会)
時間 見学自由
交通アクセス 和具港から徒歩約15分、答志港からすぐ

 

徒歩すぐ

 

海女小屋

思わず引き込まれる海女トーク


50年超のベテラン海女、浜口幸子さん 50年超のベテラン海女、浜口幸子さん


小屋は地元の人たちの手づくりなのだそう 小屋は地元の人たちの手づくりなのだそう

提供される魚介は季節により異なります(写真は2人分) 提供される魚介は季節により異なります(写真は2人分)

昼食は、漁港の一角にある「海女小屋」へ。小屋では海女さんが出迎えてくれます。答志島は古くから海女漁が盛んで、今も100人ほどの海女がいるそう。

新鮮な大アサリとサザエ、2種の干物を炭火で焼きながら、海女さんが海のことや島の風習など、島に住んでいる人しか知らない興味深い話を訥々(とつとつ)と語ってくれます。

ちなみに海女漁の漁期は非常に短く、島内でも地区ごとに異なりますが、海女小屋のある答志地区では年間で夏場の15日ほど、1日3時間までと決まっているのだとか。


海女小屋

問い合わせ先 0599-37-3339(島の旅社)
交通アクセス 答志港から徒歩約5分
値段 1人4000円~、4人以上から利用可(3人以下の場合は応相談)。3日前までにホームページもしくは電話で要予約(1日の利用者上限あり、先着順)
URL https://www.shima-tabi.net/

 

徒歩約7分

 

答志島ブルーフィールド

青い海と空に溶け込むビュースポット


沖に見えるのは神島 沖に見えるのは神島


 屋根がないので暑さ対策は万全に 屋根がないので暑さ対策は万全に

食後は腹ごなしに、島の外れのほうへぶらぶら散策。 海女小屋の先にある短いトンネルを抜け、船だまりを回り込んだ先にある「答志島ブルーフィールド」へ。

静かな浜に面して設けられた木製テラスがあり、目の前には青い海が広がっています。

ときどき沖を漁船やタンカーが行き交い、座り込んでぼんやり眺めていると時間を忘れてしまいそう。 


答志島ブルーフィールド

問い合わせ先 0599-25-3019(鳥羽市観光協会)
時間 見学自由
交通アクセス 答志港から徒歩約5分

 

徒歩約10分

 

マルハ商店

おみやげは名物のちりめんじゃこ


「ちりめんじゃこ」100グラム550円、「佃煮ちりめん」100グラム540円 「ちりめんじゃこ」100グラム550円、「佃煮ちりめん」100グラム540円


小さな店構えだけど商品は豊富 小さな店構えだけど商品は豊富

帰りの船に乗る前に、答志港の定期船乗り場前に店を構える「マルハ商店」でおみやげ探し。明治時代から続いているという老舗(しにせ)の海産物加工店です。

店主の小林さんのおすすめは、島に水揚げされるシラスを天日干しした「ちりめんじゃこ」と、甘辛く味付けした「佃煮ちりめん」。どちらもごはんによく合う一品です。

ほかにも、答志島産のワカメ、ノリ、干物、みりん干しなどが人気です。


マルハ商店

問い合わせ先 0599-37-2009
時間 9~17時
定休日 不定休
交通アクセス 答志港から徒歩約2分
URL https://www.mie-sports.co.jp/maruha/

 

徒歩約2分

 

答志港


答志港の定期船待合所 答志港の定期船待合所

帰りは答志港から乗船すると便利。

ここから和具港まで歩いても20分弱なので、時間に余裕があればもうひと歩きするのもいいでしょう。

 

市営定期船約50分

 

佐田浜港(鳥羽マリンターミナル)


真珠と渦をイメージしたモニュメントが港の目印 真珠と渦をイメージしたモニュメントが港の目印

おみやげを買い足りない人は、鳥羽駅前にあるショッピングセンター「鳥羽1番街」か「鳥羽マルシェ」へ。

また、鳥羽駅構内にも売店があります。

 

徒歩約10分

 

鳥羽駅ゴール!


紹介スポット一覧マップ

文・写真/内藤昌康

  • 記事中の情報は2024年7月時点のものです。
  • 列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
  • 花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
  • 店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
  • 同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。
  • 新型コロナウイルス感染症等の影響により、掲載している内容が変更となる可能性があります。お出かけの際は事前にご確認ください。