2026.01.26ジパング俱楽部土佐流のおもてなしに心なごむ「志国土佐 時代(トキ)の夜明けのものがたり」(JR四国)|徹底案内!大人のための観光列車

鉄道は旅先に向かう移動手段。しかし、乗っている時間そのものも旅の一部として楽しめるのが観光列車です。
食事や車窓とともに、おトクで気楽な鉄道の旅を楽しみたい、そんなジパング倶楽部世代の視点から、JR各社の観光列車を紹介します。
四国の太平洋側に位置する高知県。自然や気候に恵まれ、豊富な山海の幸を生かした独特な食文化も花開きました。さらに明日の日本を目指す多くの志士を輩出した歴史もあります。そんな魅力に溢れる高知県の旅を演出してくれるのが、JR四国の観光列車「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」です。アテンダントさんから沿線の人々まで、温かいもてなしを受けながら旅が始まります。
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目次
- 「志国土佐 時代(トキ)の夜明けのものがたり」とは?
- 乗車した2号車「ソラフネ」を徹底案内
- 飲食を徹底案内!
- 共有スペースを徹底案内!
- そのほかここも見逃せない!
- 沿線の歓迎と笑顔のおもてなし
- 太平洋を望む車窓も魅力
- 乗車前はここに行ってみよう&泊まってみよう
- 岩本寺
- 美馬旅館はなれ 木のホテル
- 紹介スポット一覧マップ
「志国土佐 時代(トキ)の夜明けのものがたり」とは?
美しい車窓、おいしい食、沿線の歓迎と笑顔~土佐流のおもてなしを楽しむ観光列車
「ソラフネ」「クロフネ」の2両編成で運行
「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」は、高知県を走る観光列車です。
列車名には、幕末の開国を迎える歴史の中で大きな役割を果たした高知県の旧国名「土佐」をあしらい、土佐の歴史や風土と、豊かな山海の幸を使った食を楽しめる列車となっています。
車両のデザインも幕末から文明開化に向かうロマンティシズムを織り込んだものとなっています。
運転区間は、土讃(どさん)線の高知駅~窪川駅間(立志の抄)、窪川駅~高知駅間(開花の抄)です。このほか、期間限定で土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線を走るコース、高知駅~奈半利駅間〔煌海(きらめき)の抄〕、奈半利駅~高知駅間〔雄飛(ゆうひ)の抄〕もあります。
乗車には運賃のほか、特急料金とグリーン料金が必要です。
今回は窪川駅から高知駅へ向かう「開花の抄」に乗車しました。
基本情報
| 名称 | 志国土佐 時代(トキ)の夜明けのものがたり |
|---|---|
| 運転日 | 土・日曜を中心に運転(立志の抄・開花の抄) |
| ねだん | 運賃+特急料金+グリーン料金 |
| URL | https://www.jr-shikoku.co.jp/yoakenomonogatari/ |
土讃線窪川駅から乗車!
香川県の多度津駅と高知県の窪川駅を結ぶ土讃線(198.7キロ)の駅。
路線の建設は明治時代から始まりましたが、途中には険しい四国山地が立ちはだかり、高知県の窪川駅まで全通したのは1951(昭和26)年11月12日のことです。悲願の鉄道開通を祝して、駅舎の脇には記念石碑も建てられています。また、土佐くろしお鉄道中村・宿毛線経由で宇和島駅方面に向かう予土線の列車も発着しています。
乗車した2号車「ソラフネ」を徹底案内
2号車の山側の座席。吾桑(あそう)駅~斗賀野(とがの)駅間では山肌に沿って立つ工場風景が異彩を放っていました
海の景色を満喫できる海側の座席(2号車のA席とB席)
レトロなSF世界観をモチーフにした2号車車内
2号車「ソラフネ」は、大空のその先、宇宙空間までにもつながる未来への「夢」をコンセプトに、レトロSF小説で描かれる空想の宇宙船をイメージさせるデザインとなっています。
座席は車窓を存分に楽しめるようすべて窓に向けた配置。ゆったりした座り心地で、流れゆく景色を堪能できます。山側の座席はさらにひと工夫、座席同士(C席とD席)が向かい合うかたちで、2人旅での利用に向け、車窓を眺めつつ、語らいを楽しめる配慮もなされています。
1号車「クロフネ」は?
大海をゆく蒸気船がモチーフ
1号車「クロフネ」は、2号車と同じ窓側に向いた座席のほか、テーブルをはさんで対面で語らいや飲食を楽しめる「高知家の団らんシート」(1号車1・2・3・5番)があります。ファミリーやグループでの利用におすすめです。
飲食を徹底案内!
事前予約で高知の食を堪能
「高知家満喫 土佐流のおもてなしコース」5500円
山海の幸が豊かな高知県では「食」も大きな楽しみです。「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」では、運転区間によって異なる献立で料理を提供しています。
「開花の抄」では、「高知家満喫 土佐流のおもてなしコース」として、四万十ヒノキづくりの重箱に美しく盛り付けられたお弁当となっていました。弐の重の中央には鰹のたたき。添えられた薬味が、カツオのもっちりとした食感の中に旨みを引き出します。さらに茗荷(みょうが)の手毬(てまり)寿司、鮎の押し寿司、茄子のチーズ田楽、四方竹(しほうちく)の土佐煮と地元の食材を生かした献立が盛り込まれ、高知の食を堪能できました。いろいろな味を少しずつ楽しむ献立ですが、左党の方なら地酒の肴としてちょうどいい分量。この日添えられていたデザートの芋けんぴは、おみやげとして持ち帰りました。
食後のコーヒーは、佐川駅での停車中、駅の待合室で提供されます。このコーヒーは地酒「司牡丹(つかさぼたん)」の仕込み水を使い、佐川出身のバリスタのレシピで淹れたもの。また、待合室には同じく佐川出身の植物学者・牧野富太郎博士を紹介する展示コーナーもあり、コーヒーを味わいながら「日本植物分類学の父」と呼ばれる博士の偉業に触れることもできます。
車窓を愛(め)でながら食事を味わい、途中下車で食後のひとときを楽しむ。列車旅ならではのぜいたくな時間を過ごすことができました。食事は事前予約制で、メニューは季節によって変わります。
軽食や飲料も豊富
土佐の地酒の飲み比べが楽しめる地酒3種や、車両をイメージした色鮮やかなノンアルコールカクテル「KUROFUNE」(高知県産ゆずシロップ&コーラ)と「SORAFUNE」(ライチ)、フルーツトマトの産地として知られる日高村のトマトを100%使用したパスタなど、予約なしで味わえる軽食やスイーツ、飲料も豊富に用意されています。
「アテンダントセレクト 土佐の地酒3種」1500円
「KUROFUNE」(左)と「SORAFUNE」(右)各600円
「かつおデニッシュ」はお取り置きサービス
また、お取り置きサービスのみで楽しめる「かつおデニッシュ」(オレンジジュース付き1000円、ビール付き1200円)は、カツオの形をしたユニークなデニッシュ。中には甘辛く煮付けたカツオと、ゴロゴロとしたジャガイモがたっぷり詰まっており、鰹ラー油がアクセントとなったピリ辛の味わいが楽しめます。
共有スペースを徹底案内!
サービスカウンター
2号車の一角にはサービスカウンターが設置されており、軽食やデザート、飲み物のほか、オリジナルグッズも販売しています。
たとえば「オリジナルコースター」は県内産のヒノキ材を使って、列車のシンボルマークをデザインしたもの。コースターとしてだけでなく、置き物として使われている方も多い人気グッズだそうです。
オリジナルコースター1000円(左)、キーホルダー1500円(右)、ボールペン1000円(上)
トイレは2号車に、多目的トイレ(写真)と女性専用トイレがあります
そのほかここも見逃せない!
沿線の歓迎と笑顔のおもてなし
心温まるおもてなしに手を振り返して応えました
「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」の楽しみは、アテンダントさん、駅員さんから地元の方々まで、たくさんのもてなしに触れられることにもあります。途中で停車する駅では、アテンダントさんの案内でホームに出ると、地元の人々の笑顔に包まれます。
土佐久礼(とさくれ)駅では地元の海産品やみやげ物を販売するマルシェが開かれ、地元の味をおみやげに持ち帰ることができます。
須崎(すさき)駅では、「須崎駅19分劇場」と題した有志によるパフォーマンスもあり、取材した日は明徳義塾中学・高等学校和太鼓部の迫力ある演奏が楽しめました。
そして駅を出発する時は、皆が手を振りながら見送ってくれます。また、駅だけでなく、沿線から走り行く列車に手を振ってくれる人もあり、思わずこちらも手を振り返してしまいます。旅先の一期一会の出会いですが、心に残る思い出となりました。
地元の有志・久礼おせっ隊の方々の歓迎(土佐久礼駅)
中土佐町ならではの海産品の販売も(土佐久礼駅)
明徳義塾中学・高等学校和太鼓部の皆さんが迫力ある演奏で歓迎してくれました(須崎駅)
太平洋を望む車窓も魅力
海を望む絶景ポイント(土佐新荘駅~安和駅間)
安和(あわ)駅周辺は、太平洋に続く土佐湾が望めるビュースポットです。
「開花の抄」では、海に隣接した安和駅でしばらく停車するので、ゆっくりと車窓を堪能できます(ホームに降りることはできません)。伊野駅付近で渡る仁淀川も見逃せません。吉野川・四万十川に次ぐ四国第三の河川で、水質のよさから「奇跡の清流」とも呼ばれています。
このほか、ビニールハウスもあちらこちらに。ここではミョウガ、ナス、ニラなどが栽培されていますが、いずれも全国第一位の出荷量を誇るそうです。農業の盛んな高知県の風土にも触れることができるのです。車内で沿線の見どころを紹介するイラストマップも配布されるので、ぜひ参考にしてください。
安和駅付近では太平洋に続く土佐湾が望めます
奇跡の清流「仁淀川」(波川駅~伊野駅間)
高知駅ゴール!
高知県の玄関口でもある高知駅。高架となったホーム全体は、「くじらドーム」と呼ばれる県内産のスギを使った木造の巨大な大屋根で覆われています。南北に駅前広場がありますが、南口「こうち旅広場」には「三志士像」が立っています。正面左から武市半平太・坂本龍馬・中岡慎太郎と、幕末土佐の地に生まれた志士が出迎えてくれます。
乗車前はここに行ってみよう&泊まってみよう
岩本寺
本堂格天井画は全国公募による作品を掲げています
建立から約200年の歴史を持つ大師堂
岩本寺の厄落としは珍しい「厄割玉」
窪川の静かな町並みの外れ、山裾にひっそりとたたずんでいるのが、四国八十八ヶ所霊場第37番札所の岩本寺です。
天平年間(729~749年)、行基菩薩による創建と伝わる古寺で、不動明王、観世音菩薩、阿弥陀如来、薬師如来、地蔵菩薩の五尊の本尊を祀(まつ)っています。ここでは本堂の格天井を飾る絵が見逃せません。天井には全国からの公募で寄進された575枚の作品が掲げられているのです。花鳥風月からポップな絵柄まで人々の思いが伝わってきます。
宿坊も併設されており、お遍路さんだけでなく観光やビジネス利用の方も受け入れてくれます。
岩本寺
| 問い合わせ先 | 0880-022-0376 |
|---|---|
| 時間 | 拝観自由(納経・売店は8~17時) |
| 交通アクセス | 土讃線窪川駅から徒歩約10分 |
| URL | https://iwamotoji.or.jp/ |
美馬(みま)旅館はなれ 木のホテル
畳敷きの上段スペースをそなえた「窪川スイート」©Kenichi Uemura
「美馬旅館はなれ 木のホテル」は、1891(明治24)年創業の老舗「美馬旅館」に併設された別館スタイルのホテルです。
その名のとおり、県内産の木材をふんだんに使い、カジュアルで落ち着いた雰囲気です。ロビーから客室まで素足に心地よい絨毯を採用、自宅のような気分でくつろげます。館内には窪川出身の画家・今西中通氏(1908~47)の作品も飾られ、ホテル全体が小さな美術館のようです。
チェックインは美馬旅館本館で、素泊まり・朝食付きプランがあります。
美馬旅館はなれ 木のホテル
| 問い合わせ先 | 0880-22-1103 |
|---|---|
| 定休日 | 不定休 |
| 交通アクセス | 土讃線窪川駅から徒歩約7分 |
| 値段 | シングルルーム1泊素泊まり8800円~(レギュラーシーズン) |
| URL | https://www.mimaryokan.jp/ |
紹介スポット一覧マップ
この記事を書いた人
文/松本典久 写真/交通新聞クリエイト 写真/美馬旅館はなれ 木のホテル ©Kenichi Uemura
- ※記事中の情報は2026年1月時点のものです。
- ※列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
- ※花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
- ※店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
- ※同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。


