『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
撮影地:根室本線/厚岸~糸魚沢
Editor’s Eye:
「青春18きっぷ」ポスターでおなじみの、スケール感あふれる俯瞰写真。季節を感じ、旅情をかきたてられる広告としての鉄道写真で、多くの人々を魅了してきた作家さんです。
撮影地:日高本線/絵笛駅付近
Editor’s Eye:
ふんわりと夢のような作風で、鉄道写真のイメージを変えた中井カメラマン。慌ただしい日常とは無縁の、見る人をほっこりさせる、「ゆる鉄」ワールドで、鉄道ファンのすそ野を広げた一人。
撮影地:大井川鐡道新金谷車両区
Editor’s Eye:
後世に蒸気を残そうと真剣に取り組む、若き職人たち。彼らの懐に入り込むことができたのは、おそらくその写真家もまた、ひたむきにカメラを構えていたからに違いありません。鉄の重厚感と整備員たちの眼差しが力強い、モノクロ作品です。
撮影地:函館本線/黒松内~熱郛(ねっぷ)
Editor’s Eye:
奇跡のような「一瞬」の輝き。それは旅を続け、日々線路傍でカメラを構える作家だからこそ得られるチャンス。雄大な自然を舞台に織りなす光と影。思わず息を呑む、ドラマチックな作品です。
撮影地:総武本線/御茶ノ水~秋葉原
Editor’s Eye:
歴史と人々の生活が刻まれた、東京の鉄道。見慣れた風景も、鉄道写真40年のプロが撮ると、こんなにも新鮮でカッコいい。第一線で活躍する作家は、常に「好奇心」を忘れない。
撮影地:真岡鐵道/北山~益子
Editor’s Eye:
昭和を思わせる、いつか見た風景。そこには、時代を経ても変わらない鉄道と人との関わりがありました。農作業や祭、人々の生活の中を走る蒸気機関車を撮影した作品です。
撮影地:東海道新幹線/浜松駅
Editor’s Eye:
もの心ついた時から新幹線に夢中だったという、持田カメラマン。鉄道会社の広告写真でも活躍中で、躍動感あふれる作風で定評があります。いつまでも憧れの存在・新幹線の「煌めき」を表現。
撮影地:小海線/小淵沢~甲斐小泉
Editor’s Eye:
ストロボで浮かび上がる雪や日没後の山並み、ホタルの光跡などのモチーフを取り入れた、独特の写真表現「夜感鉄道」。肉眼では感じることのできない、幻想的な世界が描かれています。
日本鉄道写真作家協会(JRPS)は、鉄道をベースに商業誌・広告等で活躍する写真家による任意団体で、2013年11月に25周年を迎えました。
鉄道ブームを牽引する鉄道写真ですが、かつて鉄道写真は趣味の延長とされていました。現在「青春18きっぷ」ポスターで活躍する猪井貴志会長をはじめ、鉄道趣味誌を飾るなど第一線で活躍する鉄道写真家たちは、いまや鉄道少年たちの憧れの存在。JRPSの25年間は、鉄道写真のジャンル確立、商業写真の地位を得るまでの25年といえるのです。
本書は、鉄道写真を撮り続ける作家たち渾身の一枚を集めた、25年の集大成の一冊です。作家自選の158点、日本の季節を彩る鉄道風景写真から車両の機能美を追求した編成写真まで、幅広いカテゴリーの鉄道写真を集録。個性豊かな作品に加え、鉄道写真との出会いやこだわりなど、作家それぞれの思いを文章で添えました。
また、鉄道写真家たち百戦錬磨の経験がふんだんに盛り込まれた本書は、一般的なテクニック論とはひと味もふた味も違った、いわば上級者向けの鉄道写真指南書。データから作家の撮影スタイルを読み解けば、鉄道写真を志す方にとっては最高のお手本となるに違いありません。作品に、言葉に、プロの極意が詰まった一冊です。
文=揚野市子(担当編集)
<目次>
【巻頭グラフ】Artisans 鉄道写真の匠たち
・Landscape 鉄路茫洋/猪井 貴志
・ゆる鉄 ハートフルデイズ/中井 精也
・蒸気を守る士たち/金盛 正樹
・Moments 瞬景、北の大地/長根 広和
・Tokyo old town/結解 学
・煙情日記 煙と人と/都築 雅人
・煌めきの Superexpress/持田 昭俊
・夜感鉄道への誘い/山﨑 友也
鉄道絶景 ~はる・なつ・あき・ふゆ~
貌、表象。
記録、記憶。
人がいて。
異国にて。
プラス、デジタル。
【Data & Column】
・作品解説
・鉄道写真・いいたい放題
・慌ただしくも楽しい! 鉄道写真家の一日
・プロのこだわり満載 機材拝見
・JRPS会員がズバリ答える! 55の質問
・会員紹介