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瀬戸内さざなみ線 さくらクルージング

JR呉線 全駅路線図 三原竹原安芸津呉

広島杜氏のふるさと・安芸津 春色に染まる音戸の瀬戸へ 竹原駅~呉駅


1.安芸津の今田酒造本店の『富久長』 2.柄酒造では清酒『関西一』や『於多福』などを醸造 3.榎酒造の貴醸酒はブランデーのような色と味わい 4.呉を代表する酒蔵・三宅本店は『千福』の銘柄で有名 5.酒蔵には試飲ができるところも。写真は酒工房せせらぎ 6.ラベル張りも手作業。1本1本に愛情を込める(写真は榎酒造)

伝統を受け継ぐ安芸津の2蔵  酒で醸した貴醸酒に感動

 「大正時代の最盛期には300人も杜氏がおったんじゃ」と柄(つか)酒造の柄社長がいうように、明治30年(1897)に三浦仙三郎が「軟水醸造法」を大成した安芸津(あきつ)は、広島杜氏の発祥地。今でこそ2蔵だけになってしまったが、かつては杜氏養成学校もあった日本酒の聖地として知られた。その伝統と誇りは、丁寧な麹作りがすっきりした辛口を生み出す柄酒造の『関西一』、幻の酒米・八反草を復活させた今田酒造本店の『富久長』に受け継がれている。

 安芸津から約45分、最終目的地の呉駅に降り立った。駅前からバスに乗り、満開の桜が山に映える音戸(おんど)の瀬戸公園を車窓から見つつ、榎(えのき)酒造を訪ねる。

 榎酒造といえば『貴醸酒(きじょうしゅ)』。米と米麹と水で造るところを、水の代わりに酒を使って仕込んだ究極の美酒だ。琥珀色に熟成された酒を一口含むと、およそ日本酒らしくない芳醇な香りが鼻腔に抜けた。「こんな楽しみ方も」と薦められるままバニラアイスにかけて・・・・・・。ラムレーズンだぁ!

 酒蔵の旅で最後に出会ったのが、日本酒の概念を覆すほど馥郁(ふくいく)たる酒とは、広島杜氏恐るべし。酔うことも忘れ、いつまでも余韻に浸ってしまった。

オムライスから肉じゃがまで 呉の「海軍グルメ」

「cafeしとろん」の戦艦大和のBigオムライス1200円

軍港都市として栄えた呉ならではのご当地グルメが「海軍グルメ」。明治海軍の料理教科書や、昭和海軍の艦艇で出されていたレシピを元に復刻されたもので、市内26店の飲食店で味わえる。特徴は、その多彩なメニュー。戦艦大和で仕官専用に出されていた「戦艦大和のオムライス」、兵員に大好評だったという「戦艦霧島の鯨肉カツレツ」、呉が発祥といわれる「肉じゃが」などなど。錨に桜花をあしらったペナントが目印になっている。

瀬戸内さざなみ線沿線 さくらの名所

三原市
スポット名 見頃の時期 アクセス
筆影山 4月上旬~中旬 JR三原駅から車約20分
御調八幡宮 4月上旬~中旬 JR三原駅から車約30分
竹原市
スポット名 見頃の時期 アクセス
バンブー・ジョイ・ハイランド 4月上旬~中旬 JR竹原駅から車約10分
東広島市
スポット名 見頃の時期 アクセス
正福寺山公園 4月上旬~中旬 JR安芸津駅から徒歩約10分
呉市
スポット名 見頃の時期 アクセス
音戸の瀬戸公園 3月下旬~4月上旬 JR呉駅からバス約25分の音戸大橋下車すぐ
本庄水源地 ※ 3月20日~4月11日 JR呉駅からバス約25分の本庄下車、徒歩約3分
大空山公園 3月下旬~4月上旬 JR呉駅からバス約15分の原下車、徒歩約15分
寺本公園 3月下旬~4月上旬 JR呉駅からバス約10分の和庄1丁目下車、徒歩約3分
野呂山さざなみスカイライン 4月中旬~5月中旬 JR安芸川尻駅から車約20分

※本庄水源地は一般開放期間(時間は9:00~16:30)。

さくらクルージングSPOT

瀬戸内海一望の花見名所 正福寺山公園[東広島市]
眼下に穏やかな瀬戸内海を一望できる風光明媚な公園で、約2000本のソメイヨシノが咲く花見名所として知られている。桜のほか5月にはツツジやサツキ、秋は紅葉も美しい。ソメイヨシノの見頃は4月上旬。●広島県東広島市安芸津町三津/TEL.0846-45-0276(正福寺)/園内自由/JR安芸津駅から徒歩10分
伝統を受け継ぐ個性派2蔵 安芸津の酒蔵めぐり[東広島市]
安芸津で今も酒造りをしているのは2蔵。嘉永元年(1848)創業の柄酒造は8代目社長が杜氏を兼ねる小さな蔵で、『関西一』の醸造元。築100年以上の蔵で試飲と酒蔵見学ができる。女性杜氏が伝統を守る今田酒造本店は、幻の酒米・八反草で醸した『富久長』の醸造元。こちらは販売のみ。●柄酒造 広島県東広島市安芸津町三津4228/TEL.0846-45-0009/10:00~15:00、見学は要事前連絡、不定休/JR安芸津駅から徒歩1分 ●今田酒造本店 東広島市安芸津町三津3734/TEL .0846-45-0003/土・日曜・祝日休/JR安芸津駅から徒歩5分
酒造りと呉の歴史を学べる 酒工房せせらぎ[呉市]
『千福』の銘柄で有名な三宅本店が開いた見学コース付きの製品工場。海軍の兵士らが記念で製作した盃や昔の帳簿、ポスターなども展示している。隣接するギャラリー三宅屋商店では試飲が楽しめる。見学は要予約。●広島県呉市本通7-9-10/TEL .0823-22-1029(土・日曜・祝日は22-3838へ)/10:00~16:00、火曜休/見学無料/本通七丁目バス停からすぐ
世界最大の戦艦を生んだ造船技術 大和ミュージアム[呉市]
呉の歴史と造船、鉄鋼などの科学技術を紹介する施設で、正式には「呉市海事歴史科学館」。10分の1スケールで復元された戦艦大和や実物の人間魚雷のほか、海軍の拠点として発展した呉の歴史を実物や模型で詳しく紹介している。●広島県呉市宝町5-20/TEL .0823-25-3017/9:00~18:00、火曜(祝日の場合は翌日)休/常設展500円(企画展は別定)/JR呉駅から徒歩5分
左党垂涎の貴醸酒を醸す 榎酒造[呉市]
明治32年(1899)創業、『華鳩』の銘柄で知られる蔵元。海外でも評価が高い貴醸酒を日本で最初に商品化したところで、熟成を重ねた貴醸酒は貴腐ワインやブランデーのような馥郁とした香りと甘さが楽しめる。●広島県呉市音戸町南隠渡2-1-15/TEL .0823-52-1234/酒蔵見学は事前に要連絡、見学無料/音戸市民センター前バス停から徒歩3分
平清盛ゆかりの景勝地 音戸の瀬戸公園[呉市]
平清盛が1日で切り開いたと伝わる景勝地・音戸の瀬戸を望む公園。幅約70mの音戸の瀬戸と海上約23mに架かる音戸大橋を一望し、春には2300本の桜が咲き誇る。見頃は3月下旬~4月上旬。8300本のツツジが咲く4月下旬~5月初旬もぜひ。●広島県呉市警固屋8/TEL.0823-23-7845(くれ観光情報プラザ)/園内自由/音戸大橋バス停からすぐ

「春、ひとり旅」は、月刊『旅の手帖』4月号誌上でも掲載!!

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※掲載されているデータは平成22年3月現在のものです。

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