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栄光の新幹線シリーズ(6)東北新幹線&九州新幹線全通N700系車両とE5系

最高時速320km/h運転を目指した E5系「はやぶさ」が登場

 平成22年12月4日、東北新幹線新青森延伸開業により東京〜新青森間が全通し、E2系10両編成の「はやて」が運転を開始しました。そして平成23年3月5日には、東京〜新青森間を最高速度300km/h・最速3時間10分で結ぶE5系10両編成の「はやぶさ」がデビューを飾ります。
   E5系はJR東日本の次世代車両として開発された最高速度320km/h(平成24年度末から営業運転予定)の最新鋭車両で、騒音を極限まで抑える新技術が採用されているほか、快適な乗り心地を提供するフルアクティブサスペンションを搭載。先頭車両はアローラインを基にしたロングノーズタイプの美しいフォルムで、「常盤グリーン」と「飛雲ホワイト」のツートンカラーに「はやてピンク」の帯を巻いた輝きのある塗色になっています。
 E5系10両編成の列車のうち1〜8号車が普通車指定席で、明るさが広がる空間に座面スライド機構や、新幹線普通車で初となる可動式ヘッドレスト装備のリクライニングシートが3+2席配置で並んでいます。また、座席のシートピッチは1,040mmに拡張されているため、従来の車両よりも広々としたゆとりある空間を演出。居心地のよい空間でのんびりとくつろぐことができます。
 このほか、電動車椅子対応の大型トイレや女性専用トイレ・洗面台、行先や時刻などの情報が見やすい大型情報案内装置の設置など、車両全体のサービス設備も含めて誰にでも快適な空間が提供されています。

スピード感にあふれたロングノーズタイプのシャープで個性的なフォルムが特徴のE5系10両編成

シートピッチも拡大した、ゆとりある居心地のよいパーソナルな移動空間のE5系の普通車指定席

新幹線の新しいグレードとなる 「グランクラス」が誕生

 平成23年3月5日から運転を開始する東北新幹線E5系「はやぶさ」の一番の魅力は、新幹線における新たなグレードとなる「グランクラス」です。「特別なゆとり」や「特別なおもてなし」を提供する最上級クラスで、濃い木質とメタリックの色合いを組み合わせた落ち着きある室内に、本革シートやウールの絨毯などの上質な素材を採用した居心地のよい空間が新青森寄りの10号車に設置されています。
 ウォーム&ナチュナルの上質な空間には2+1席配置で18席のシートが並んでおり、今までの新幹線にはないゆとりのスペースを提供してくれます。また、スイッチひとつで各部が連動して動くリクライニング角度45度のオール電動式シートには、パソコン使用時に便利な折りたたみ式ダイニングテーブルや、カクテルトレイとして使える小型テーブル、自在に角度を変えられる読書灯が設置されており、ゆったりとくつろいだ姿勢で新幹線の列車の旅が楽しめるようになっています。
 なお、車内では専任アテンダントが快適な旅を演出してくれるほか、スリッパやブランケットの用意、さらに沿線の食材を使用した軽食の提供なども行なわれます。
 このほか、9号車には木目をアクセントにしたエレガントな空間のグリーン車が連結されており、高級感にあふれた優美な空間を演出。電動レッグレストを装備したリクライニングシートや読書灯が、ゆったりとしたくつろぎの時間を提供してくれます。

上質で洗練されたサービスが提供されるグランクラスは、E5系の10号車に連結されている

E5系の9号車に連結されるグリーン車。エレガントで落ち着きのある空間を演出している

平成24年度末の運転開始予定の 秋田新幹線用E6系「こまち」

 平成23年3月5日から営業運転を開始したE5系「はやぶさ」と併結運転をするために開発された秋田新幹線「こまち」用の車両が、「茜色」と「飛雲ホワイト」のツートンカラーに「アローシルバー」の帯を配したデザインのE6系7両編成です。E5系と同じく先頭車両はアローラインを基にしたロングノーズタイプとなっており、美しいフォルムとあいまってスピード感にあふれています。
 E5系と併結する東北新幹線区間は最高速度320km/h、在来線区間では最高速度130km/h運転が可能で、現在は先行量産車1編成が試運転を行なっており、平成24年度末には営業運転を開始する予定です。
 E6系7両編成は東京寄りの11号車がグリーン車、12〜17号車は普通車指定席で、普通車の座席は2+2席で配置されています。E3系ではシートピッチが少し狭い自由席車両がありましたが、E6系では普通車の全座席が980mmに統一されています。車内はゆとりややさしさを取り入れた明るいデザインが採用され、さらにバリアフリーの一環として電動車椅子対応の多目的トイレが設置されています。
  現在、E5系「はやぶさ」は東京〜仙台・新青森間で単独運転されていますが、平成24年度末の相方のE6系がデビューすると、グリーン系と茜色系の2色の車両が連結して走る姿を見ることができるようになります。

茜色と飛雲ホワイトの塗色となった秋田新幹線用のE6系。平成24年度末の運転開始を予定

車体が在来線規格のE6系のグリーン車車内は、2+2席配置のリクライニングシートが並んでいる

※掲載されているデータは平成23年2月現在のものです。

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