『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。

この夏、「青春18きっぷ」で旅せよオトナ。

2017年夏 癒やしと風情の信州パワー充電旅

「青春18きっぷ」とは?

年齢制限なし。全国のJR線普通・快速列車の普通車自由席が一日乗り放題のきっぷ。1券5回(日)分セットで、ねだんは1万1850円。同一行程であれば、最大5人まで同時に利用できる。夏の利用期間は9月10日までだが、発売期間は8月31日までなので、ご注意を。

きっぷの詳細はこちら

発売期間:平成29年7月1日〜8月31日/利用期間:平成29年7月20日〜9月10日

青春18きっぷ 1日目

1日目午前

夏の青春18きっぷを手に目指すは、JRの大型観光キャンペーンで盛り上がる信州。新宿から高崎線と信越本線を鈍行列車で乗り継ぎ、ガッタンゴットンと横川へ。信越本線に入ると車窓の緑が濃くなり、前方に妙義山などの山並みも見え始め、ローカル線風情が増してきた。

横川駅からはバス(18きっぷは使えないのでご注意を)で碓氷(うすい)峠を乗り越え、軽井沢に到着。避暑地・軽井沢の夏は観光客で大いに賑わう。駅前から六本辻を経て、少し歩くと、緑に囲まれた涼やかな「雲場池(くもばいけ)」が。渓谷の湧水が流れ込む雲場池は、緑を水面に映して美しい。

軽井沢観光会館からバス約10分、長野と群馬の県境に鎮座する「熊野皇大神社」も、ぜひ訪ねたいスポットだ。軽井沢の氏神を祀る同神社は、碓氷峠頂上の標高約1200メートルに位置し、少し歩いた見晴台からは妙義山や北アルプスを一望!

お昼ごはんは、循環バス外回りで約20分か、タクシーで向かう農産物直売所の「軽井沢発地市庭(ほっちいちば)」がおすすめ。施設内には軽井沢の野菜を味わえるバイキングレストランや、地元のチーズを使ったメニューが並ぶカフェレストランがあり、どちらか迷うところ。

  1. 1周20分の遊歩道を歩くと、清々しい景色に心癒やされる雲場池。「スワンレイク」とも呼ばれているそう。
  2. 高崎線で朝食におすすめなのが、本庄駅上りホームの立ち食いそば。駅構内でも立ち食いできる。オープンエアで食べるそばは、なぜこんなにうまいの?
  3. 熊野皇大神社の本殿左奥にある御神木のシナノキは、樹齢850年以上。葉がハートの形をしていることから、パワースポットとして訪ねる人も。

1日目午後

軽井沢駅からはしなの鉄道に乗り、昨年の大河ドラマ『真田丸』の舞台・上田へ。徒歩12分の「上田城跡公園」では、今おもしろい試みが。まずは、スマホやタブレットで「VR上田城」と検索し、同アプリをダウンロード。その後、上田城とその周辺に用意された7カ所のスポットに近づくと、そこから見える上田城の400年前の姿が、画面に再現されるのだ!(写真左参照) 今は芝生が広がる尼ヶ淵も、昔は川が流れていたんだなあ。11月までは園内で「特別企画展〜400年の時を経て甦る上田城〜」も開催中。真田信繁の赤備甲冑など真田氏ゆかりの品を展示しているので、こちらも訪ねてみて。

夕方前には総延長距離11.6キロメートルの短いローカル線、上田電鉄別所線に乗って別所温泉を目指す。信州の山々に見守られ、田園風景のなか列車は進み、やがて終点へ。降り立った別所温泉駅は半切妻屋根の駅舎で、淡いブルーが風情あり。

今日宿をとる「七草の湯」は、快晴時、男女の各大浴場や露天風呂から温泉街や上田市街まで見晴らせる絶景宿。美肌の湯に浸かりながら、街の灯りや星空を眺めていると、心の垢まで流されていく。

  1. 上田城の400年前の姿を見られるアプリ「VR上田城」。江戸時代の風景を3DCGで再現! 写真右は実際の、左はアプリで再現された尼ヶ淵。
  2. 「七草の湯」の女性大浴場「春の七草」。奥の露天風呂からは温泉街を望める。つるつるの湯は弱アルカリ性で美肌効果があると評判。
  3. 「七草の湯」の夕食は信州の恵みを活かした創作料理を中心に11〜12品。信州牛の陶板焼きが特に絶品!

店・施設Data

雲場池
アクセス 北陸新幹線・しなの鉄道軽井沢駅下車、徒歩19分

詳細はこちら

熊野皇大神社
拝観時間 境内拝観自由
アクセス 軽井沢駅からバス5分の旧軽井沢下車後、徒歩4分の軽井沢観光会館からバス11分の見晴台下車、徒歩5分

詳細はこちら

軽井沢発地市庭
営業時間 9〜17時(店舗、日にちにより異なる)、無休
アクセス 軽井沢駅から循環バス外回り20分の軽井沢発地市庭下車すぐ

詳細はこちら

上田城跡公園
開園時間 見学自由(特別企画展は旧上田市民会館にて開催、9〜16時30分最終入館、6月29日、7月6・13日、8月24・31日休、9月以降も休館日あり)
アクセス 北陸新幹線・しなの鉄道上田駅から徒歩12分

詳細はこちら

七草の湯
料金 1泊2食1万9590円〜
アクセス 上田電鉄別所温泉駅から徒歩10分

詳細はこちら

青春18きっぷ 2日目

2日目午前

翌朝は、前日予約していた別所神社での「早朝ヨガ」に参加。別所温泉は夏至の太陽の光が信濃国分寺を通り、大地を御神体とする生島足島(いくしまたるしま)神社を通って同温泉へ導かれるような立地になっているなどの理由で、「太陽と大地の聖地温泉」としてPRしている。大地と太陽の力でパワーをチャージし、デトックスしてもらうプランが10種ほど用意されており、そのひとつが早朝ヨガだ。凛とした空気の神社境内で、朝日を浴びながらヨガを行なえば、心身ともにリフレッシュ。

温泉街で7月1日から8月16日まで開催の「つるし飾りまつり」を観賞したら、別所線で上田駅まで戻り、ご当地グルメでランチ。駅から徒歩5分の「鯉西本店」には、特大のアユが鎮座する「鮎ラーメン」という珍しい一品が。「スープはアユ50匹以上を使って、ダシをじっくりとってますよ」とは代表の西沢徳雄さん。塩ベースのさっぱりとしたスープをズズッとすすると、アユのダシと塩焼きの香ばしさが混ざり、奥深い味わい。上田温泉口駅から徒歩5分の千曲川沿いでは、6月中旬から10月までアユ料理を提供する「鯉西つけば小屋」も営業中なので、時間がある人は足を延ばしてみて。

  1. 1000円で参加できる別所神社での早朝ヨガ。別所温泉の「デトックス&チャージ体験」は、ほかにも身体ほぐし太極拳や坐禅体験など気になるプランを用意。
  2. 鮎ラーメン1296円は、アユのすり身で作ったつみれやアユの塩焼きなど、アユ尽くしの一杯。
  3. 信州の田園風景や山々に見守られ進む、上田電鉄別所線。山里らしいのどかな車窓が旅情を盛り上げる。

2日目午後

しなの鉄道で小諸駅まで引き返したら、「八ヶ岳高原線」の愛称をもつ小海線にライドオン。八ヶ岳東側を走る小海線は、国内の鉄道駅で標高の高さ1位から9位までを占める、山岳展望列車だ。レタスなど高原野菜の畑や八ヶ岳、南アルプスといった秀峰が車窓を彩るなか、列車は徐々に高度を上げていく。標高1345.67メートル、国内の鉄道駅最高所である野辺山駅を過ぎると、今度は坂を下り始める。

小淵沢駅の2駅手前、甲斐大泉駅で途中下車したら、「甲斐大泉温泉パノラマの湯」で立ち寄り入浴。北は八ヶ岳、西は南アルプス、東は瑞牆(みずがき)山に囲まれた同湯の自慢は、なんといっても露天風呂からの眺めだ。広々とした露天風呂の正面には富士山がドーン! 日本一の霊峰からパワーをもらいつつ、温泉でリラックスという贅沢なひとときを過ごそう。

小淵沢駅に着いたら、タクシーでこの旅最後の聖地、「身曾岐(みそぎ)神社」へ。こちらは、天地自然を教典とし、大自然の森羅万象を神と見立てた古神道を今に伝える、国内唯一の古神道本宮。宮大工が3年近い歳月をかけて建てた本殿など美しい建造物が点在する境内は、緑に囲まれ、参拝するだけで心が清らかな気分に。

心と体にしっかりパワーを蓄えた2日間の旅はこれにて大団円、中央本線で帰路に就く。

  1. 国内の鉄道駅最高標高地点を通る小海線。7月1日には、小海線から見える夜空、高原、八ヶ岳の山々をデザインした新観光列車「HIGH RAIL 1375」が登場。
  2. 富士山を望む露天風呂にナトリウム-炭酸水素塩泉が注がれる「甲斐大泉温泉パノラマの湯」。食事処やみやげ物を扱う売店、無料足湯も併設。
  3. 目に見えない心や運命までもきれいにする神道の教え「みそぎ」を重んじる身曾岐神社。写真の能楽殿に描かれた老松は、文化勲章受章者の日本画家・守屋多々志(ただし)の筆。

列車Data

「上田電鉄別所線」

上田駅から別所温泉駅までの15駅を、30分ほどで結ぶ。「信州の鎌倉」と呼ばれる塩田平を走り、沿線には史跡も多い。

運転区間 上田駅〜別所温泉駅

詳細はこちら(上田電鉄)

「小海線」

標高1000メートル以上の区間が35キロメートルほど続く、高原のローカル線。快晴時、車窓には富士山や奥秩父の山並みも。

運転区間 小諸駅〜小淵沢駅

詳細はこちら(JR長野支社)

店・施設Data

早朝ヨガ
開催日時 9月24日までの日曜(7月16日・8月13日は除く)、6時30分〜7時30分(前日の16時までに要予約)
アクセス 上田電鉄別所温泉駅から徒歩15分(別所神社)

詳細はこちら

鯉西本店
営業時間 食事処11〜14時、17〜21時(夜は要予約)、火曜休
アクセス 北陸新幹線・しなの鉄道・上田電鉄上田駅から徒歩5分

詳細はこちら

甲斐大泉温泉パノラマの湯
営業時間 10〜22時(最終受付21時30分)、第2・4火曜(祝日の場合は翌々日)休
アクセス JR小海線甲斐大泉駅から徒歩3分

詳細はこちら

身曾岐神社
拝観時間 境内拝観自由
アクセス JR中央本線・小海線小淵沢駅からタクシー5分。または徒歩40分

詳細はこちら

この夏、「青春18きっぷ」で旅せよオトナ。

新宿発、山深き信州でパワー充電の18きっぷ旅(1泊2日)

JR線普通・快速列車の乗車料金

1日目
  • 中央本線新宿駅〜信越本線横川駅(2270円)
2日目
  • 小海線小諸駅〜甲斐大泉駅(1320円)
  • 小海線甲斐大泉駅〜小淵沢駅(240円)
  • 小海線小淵沢駅〜中央本線新宿駅(3020円)

合計……6850円

「青春18きっぷ」なら

2回(日)使用で4740円‼

旅先で、おいしい食事やおみやげ用の余裕ができる!

  • 上記きっぷ代には、しなの鉄道と上田電鉄別所線の乗車料金、各施設の入場料金や飲食代等は含まれておりません。

地図

バックナンバー

このページのトップへ