『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。

フルムーン夫婦グリーンパスで行く新幹線の旅 新幹線完乗!! 弾丸フルムーン ~南へ北へ、日本をつなぐ新幹線を乗りつくす7000kmの旅~

  • 1日目 新幹線で1400km 南国、鹿児島へ
  • 2日目 博多南も広島も 新幹線で寄り道
  • 3日目 新庄を往復して 長野、善光寺へ
  • 4日目 新潟から秋田へ 日本海ぐるり旅
  • 5日目 新幹線で北紀行 「北斗星」で帰京

1日目 「ひかり」「のぞみ」「さくら」に乗り 南国の美味に恵まれた鹿児島へ 東海道新幹線[東京⇒新大阪]/山陽・九州新幹線[新大阪⇒新神戸⇒鹿児島中央]

  • 700系「ひかり」。東海道・山陽新幹線から300系が引退し「ひかり」も700系とN700系の時代に

  • 新大阪~新神戸間は乗車券類を購入し、フルムーンパスが使えない「のぞみ」にも乗ってみよう

  • 新神戸でN700系「さくら」グリーン車に乗り継ぎ、鹿児島中央までゆったり快適に行こう

  • 行く先々に美味待つ日本。鹿児島では名物の「キビナゴ」を味わおう。寿司で食べても旨い

  • 南国、鹿児島もラーメンの本場。濃厚なのにさっぱりとした鹿児島ラーメンを食べてみたい

  • かつて西駅(西鹿児島駅)と呼ばれた鹿児島中央駅。観覧車のある駅ビルは夜景スポットに

 今年、平成24年は新幹線の開業記念が相次ぐ年。3月には山陽新幹線の新大阪~岡山間が開業40周年を迎え、6月には東北新幹線の大宮~盛岡間が開業30周年、11月には上越新幹線の大宮~新潟間が開業30周年などなど。そして、九州新幹線(鹿児島ルート)も全線開業1周年となる。

 節目にあたる今年、日本をつなぐ絆、新幹線すべてに乗車する旅をしてみたい。一部の例外を除き、新幹線グリーン車も乗り放題できるフルムーンパスなら、弾丸旅行さえも快適。思いのほか疲れ知らずの旅ができる。

 フルムーンパスでは利用できない「のぞみ」や「みずほ」。これら列車にも必要な乗車券類を別途購入して乗ってみよう。たとえば新大阪~新神戸間の自由席であれば2人分2900円で済む。

 さて、東京から「ひかり501号」で新大阪へ向かい、別途購入の乗車券・自由席特急券で「のぞみ9号」に乗り、お隣の新神戸へ。新神戸では、もともと「ひかり501号」と新大阪で接続の「さくら551号」がすぐに追いかけてくる。鹿児島中央へ快適なグリーン車でゆったり行こう。

 まだ日が高い14時5分に鹿児島中央着。観光は噴煙上げる桜島へフェリーで渡ってみるのもよし、郷土のヒーロー、西郷隆盛の足跡を訪ねてみるのもいいだろう。

 お楽しみはご当地グルメの夕食。「キビナゴ」をはじめ、さつま揚げ、黒豚料理などを味わい、鹿児島ラーメンで締めくくる。

 桜島が目前の鹿児島。市内には温泉を備えた宿もあり、湯めぐり派のご夫婦はこちらに滞在を。

1日目●乗車距離:1463.8km 運賃合計2人分:96,940円
【各区間ごとの運賃と乗車距離】
東京~新大阪:@18,390円(乗8,510円 特グ9,880円) 乗車距離552.6km
新大阪~新神戸:@1,450円(乗620円 特自830円) 乗車距離36.9km ※のぞみ乗車分
新神戸~鹿児島中央:@28,630円(乗11,450円 特グ17,180円) 乗車距離874.3km
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数

モデルコース

<東京発5日間・前編 【旅の1日目】>
新幹線で1400km 南国、鹿児島へ
1日目 駅名 時間 メモ
「ひかり」「のぞみ」「さくら」に乗って鹿児島へ (鹿児島泊)
~ 700系・N700系に乗車 ~
東京 発 6:26 東海道新幹線【ひかり501号】グリーン車(700系)
新大阪 着 9:30 【のぞみ】に乗り継ぎ (新神戸まで1駅【のぞみ】に乗車します)
新大阪 発 9:45 山陽新幹線【のぞみ9号】普通車自由席(N700系) ※乗車券・特急券を別途購入
新神戸 着 9:58 【さくら】に乗り継ぎ
新神戸 発 10:13 山陽・九州新幹線【さくら551号】グリーン車(N700系)
鹿児島
中央 着
14:05 桜島望む鹿児島は、温泉もあり。南国の美味を!

旅のメモ

観光の問合せ
■鹿児島:総合観光案内所(鹿児島中央駅) TEL.099-253-2500

新幹線コラム ① 東海道新幹線&山陽新幹線

 日本の大動脈「東海道・山陽新幹線」では、今年、山陽新幹線の新大阪~岡山間が開業40周年を迎える。一方、初代「のぞみ」として活躍した300系が引退し、より乗り心地のいい700系とN700系がメインの時代に。そして、平成24年度から、N700系を進化させた車両、N700Aの投入計画がアナウンスされている。
 フルムーンパスが利用できる「ひかり」にもN700系がこれまで以上に姿を見せるようになった。グリーン車には各座席にコンセントが備えられており、パソコンもOK。
 「ひかりレールスター」から九州新幹線直通N700系「さくら」に世代交代が進む山陽新幹線。「さくら」には落ち着いた雰囲気のグリーン車があり、もちろんコンセントも完備。他方、一世を風靡した500系は、現在、「こだま」で活躍中。

100系と300系が引退の東海道・山陽新幹線。今も人気の500系は山陽新幹線「こだま」として活躍中

2日目 「つばめ」「こだま」「みずほ」も乗車 博多南を訪ね、広島を経て東京へ 山陽・九州新幹線[鹿児島中央⇒熊本⇒博多⇒小倉⇒博多⇒(博多南線)⇒広島⇒新大阪]/東海道新幹線[新大阪⇒東京]

  • 鹿児島は市電が走る街。繁華街、天文館あたりから鹿児島中央駅へも市電で約10分と近い

  • 博多から“在来線特急”の新幹線に乗って10分ほど。新幹線車両基地に隣接の博多南駅に着く

  • 博多南駅のホームでは新幹線車両が間近に見える。鉄道ファンならずとも社会科見学の気分に

  • 広島に立ち寄って、おやつはお好み焼きとビール。フルムーンパスなら途中下車も自由自在

  • お好み焼きが有名な広島。青ネギをどっさり盛った「ネギ焼き」もいい。大人の味がする

  • プランをアレンジして広島での滞在時間を延ばせば、原爆ドーム周辺に出かけることもできる

 2日目はユニークな旅をしたい。鹿児島中央から「さくら」で熊本へ行き、ここで800系「つばめ」に乗り換えて博多着。博多からさらに1駅、行き「こだま」、帰り「みずほ」で小倉を往復する。フルムーンパスで利用できない「みずほ」にも別途乗車券等(自由席2人分4,100円)を購入して乗ってみよう。

 N700系「みずほ605号」で11時25分、再び博多着。ここでちょっと小旅行を。『JR時刻表』の「さくいん地図」を見れば、博多から新幹線に沿って博多南線がのびている。全列車が新幹線車両なのに在来線特急として運転。ところが、特急にあるはずの「○○1号」といった愛称名がなく、仮に特急「はかた」と命名したいところ。

 乗車時間10分足らずの博多南線は、新幹線のようで在来線という不思議な感覚を旅人に与えてくれる。博多南駅は新幹線の車両基地に隣接。ホームからも車両が手に取るように見え、さながら社会科見学の気分に。

 博多南を後にし、ランチは博多駅で。そして、広島に立ち寄り、おやつに名物のお好み焼きを食べて東京に戻るこのプラン、フルムーンパスだからアレンジも多彩にできる。

 もし博多の街をもっと楽しむのなら、16時4分発「さくら560号」で新大阪を経て、「ひかり534号」で22時10分に東京着。同じく、もっと広島で時間を作り市内散策する場合は、「さくら560号」が広島駅を17時15分に出るので、それまで3時間も余裕ができる。夫婦お好みのコースで、一旦、東京へ帰ろう。翌3日目からは北へ行く新幹線の旅が始まる。

2日目●乗車距離:1615.2km 運賃合計2人分:126,380円
【各区間ごとの運賃と乗車距離】
鹿児島中央~熊本:@8,250円(乗3,150円 特グ5,100円) 乗車距離170.5km
熊本~博多:@4,990円(乗2,070円 特指2,920円) 乗車距離118.4km
博多~小倉:@3,300円(乗1,110円 特指2,190円) 乗車距離67.2km
小倉~博多:@2,050円(乗1,110円 特自940円) 乗車距離67.2km ※みずほ乗車分
博多~博多南:@290円(乗190円 特自100円) 乗車距離8.5km
博多南~博多:@290円(乗190円 特自100円) 乗車距離8.5km
博多~広島:@12,190円(乗4,940円 特グ7,250円) 乗車距離280.7km
広島~新大阪:@13,440円(乗5,460円 特グ7,980円) 乗車距離341.6km
新大阪~東京:@18,390円(乗8,510円 特グ9,880円) 乗車距離552.6km
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数

モデルコース

<東京発5日間・前編 【旅の2日目】>
博多南も広島も、新幹線で寄り道
2日目 発着駅 時間 メモ
「つばめ」「こだま」「みずほ」も乗って、東京へ (自宅泊)
~ 500系、700系、N700系、800系に乗車 ~
鹿児島
中央 発
8:03 九州新幹線【さくら544号】グリーン車(N700系)
熊本 着 9:00 【つばめ】に乗り継ぎ
熊本 発 9:06 九州新幹線【つばめ336号】普通車指定席(800系)
博多 着 9:55 【こだま】に乗り継ぎ
博多 発 10:22 山陽新幹線【こだま742号】普通車指定席(700系)
小倉 着 10:40 【みずほ】に乗り継ぎ、博多へ戻ります
小倉 発 11:09 山陽・九州新幹線【みずほ605号】普通車自由席(N700系) ※乗車券・特急券を別途購入
博多 着 11:25 博多南駅へ行ってみよう!
博多 発 11:33 名もない“新幹線”(列車番号731A)普通車自由席(500系)
博多南 着 11:42 新幹線車両基地が目の前!博多南駅を“見学”
博多南 発 12:09 名もない“新幹線”(列車番号746A)普通車自由席(500系)
博多 着 12:18 乗り継ぎの時間を利用して、博多駅でランチ
博多 発 13:04 山陽・九州新幹線【さくら554号】グリーン車(N700系)
広島 着 14:14 広島で、おやつタイム
広島 発 15:10 山陽・九州新幹線【さくら556号】グリーン車(N700系)
新大阪 着 16:44 東海道新幹線に乗り継ぎ
新大阪 発 17:13 東海道新幹線【ひかり530号】グリーン車(N700系)
東京 着 20:10 自宅泊

旅のメモ

観光の問合せ
■広島:広島市観光案内所 TEL.082-247-6738

新幹線コラム② 九州新幹線

 平成24年春、全線開業1周年の九州新幹線鹿児島ルート。部分開業だった時の800系「つばめ」に加え、山陽新幹線と直通のN700系「みずほ」と「さくら」が仲間入りし、賑やかさが増した。フルムーンパスでは「みずほ」は利用できないが、「さくら」はOK。速度は「みずほ」には及ばないものの、新大阪~鹿児島中央間(およそ900km)で、到達時間の差は30分ほど。「さくら」もなかなかの弾丸列車といえる。

 九州新幹線では、N700系にはグリーン車もあるが、800系にはない。しかし、800系の普通車は横4席とグリーン車に負けない雰囲気。「つばめ」と「さくら」の一部に使用されており、800系にも乗車してみたい。『JR時刻表』九州新幹線区間で「6両」と表記されている列車が800系のもの。旅程に組み込む際はぜひご確認を。

九州新幹線800系。グリーン車はないが、普通車は2+2の横4席でグリーン車並みに快適だ

次のページへ

バックナンバー

このページのトップへ