『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。

フルムーン夫婦グリーンパスで行く新幹線の旅旅情満喫! 夜行列車フルムーン~はまなす、トワイライトEXP、サンライズ瀬戸・出雲、北斗星に乗車~

  • 1日目松島を周遊して夜汽車で札幌へ
  • 2日目|札幌から大阪へトワイライト旅
  • 3日目|大阪から東京へそして夜汽車に
  • 4日目|鹿児島を観光し再びサンライズ
  • 5日目|函館で美食散歩北斗星で上野へ

1日目|日本三景の一つ、松島を周遊して急行「はまなす」B寝台で札幌へ|東北新幹線・仙石線・東北新幹線・奥羽本線[東京⇒仙台⇒松島海岸⇒仙台⇒新青森⇒青森]/津軽線・津軽海峡線・江差線・函館本線・室蘭本線・千歳線・函館本線[青森⇒札幌]

  • 東京駅に入線する東北新幹線E5系「はやぶさ」。最高速度320km/hで駆け抜ける弾丸列車だ

  • 日本三景の一つ、松島。小島に建つ「五大堂」(ごだいどう)へは「すかし橋」を渡って行く

  • たくさんの島が浮かぶ松島の景観は遊覧船からも楽しんでみたい。遊覧船は便数も多く便利

  • 青森で食べた海鮮丼。写真のマグロは有名な大間産の本マグロ。これも青森を代表する味

  • 青森駅に入線した札幌行き急行「はまなす」。今では「はまなす」は日本唯一の定期急行列車

  • 急行「はまなす」B寝台。上段へは窓前の収納式ハシゴを登る。下段は出入りも楽でおすすめ

 昭和56年(1981)に発売が開始されたフルムーンパス。その頃の時刻表を広げると、新幹線は東京~博多間しかなく、一方、ブルートレインと呼ばれた寝台特急列車をはじめ、数多くの夜行列車が日本中を走っていた。夕刻迫る東京駅、1列車「さくら」から3列車「はやぶさ」、5列車「みずほ」等々、順に九州へ向けて出発していくさまは壮観で、当時の賑わいを懐かしく思い出すフルムーン世代の方も多いのではないだろうか……。

 それから気がつけば30年もの時が流れ、社会は変化し鉄道も変化。夜の闇に消えるテールライトのように夜汽車は減少していった。ベッドを備えた次世代型の列車「クルーズトレイン」の話題が耳に届く昨今、それはそれとして、今走っている夜行列車を存分に楽しむ旅もしておきたい。フルムーンパスなら寝台特急「北斗星」、同「トワイライトエクスプレス」をはじめ、同「サンライズ瀬戸・出雲」、同「あけぼの」等の夜汽車が利用できる。

 旅の初日は東北新幹線「はやぶさ」に乗って「仙台・宮城デスティネーションキャンペーン」(6月30日まで開催)で盛り上がる宮城へ行こう。ブルートレインだった「はやぶさ」が最速320km/hの弾丸列車で“復活”したのは感慨深い。

 日本三景の一つ、松島を周遊し、さらに北へ。夕食を青森でとり、駅近くの温泉で汗を流し、いよいよ今や唯一の定期急行列車となった「はまなす」に乗車。フルムーンパスならB寝台が使え、温泉で温まった身体を横たえれば、ぐっすりと休むことができる。

1日目●乗車距離:1242.1km 運賃合計2人分:93,180円
【各区間ごとの運賃と乗車距離】
東京~仙台:@14,380円(乗5,780円 特グ8,600円) 乗車距離351.8km ※「はやぶさ」の運賃
仙台~松島海岸:@400円(乗400円) 乗車距離22.7km
松島海岸~仙台:@400円(乗400円) 乗車距離22.7km
仙台~新青森:@14,190円(乗6,090円 特グ8,100円) 乗車距離361.9km
新青森~青森:@1,680円(乗180円 特グ1,500円) 乗車距離3.9km
青森~札幌:@15,540円(乗7,980円 急寝7,560円) 乗車距離479.1km
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数

モデルコース

東京発5日間・前編 【旅の1日目】
旅情満喫! 夜行列車フルムーン 1日目

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発着駅 時間 メモ

東京から松島を訪ね、青森発「はまなす」で札幌へ
~ E5系に乗車 ~

東京 発 9:36 東北新幹線【はやぶさ9号】グリーン車(E5系)
仙台 着 11:07 ランチ&乗り換え
仙台 発 12:07 仙石線・快速列車
松島海岸 着 12:34 日本三景の一つ、松島を観光
松島海岸 発 15:34 仙石線・快速列車
仙台 着 16:08 乗り換え
仙台 発 16:38 東北新幹線【はやて39号】グリーン車
新青森 着 18:30 乗り換え
新青森 発 18:43 特急【スーパー白鳥31号】グリーン車
青森 着 18:49 夕食&温泉入浴など
青森 発 22:42 急行【はまなす】B寝台
札幌 着 6:07 車中泊で札幌着

旅のメモ

観光の問合せ
■松島(宮城県):松島観光協会 TEL.022-354-2618

フルムーン夜行列車コラム(1)急行「はまなす」

 急行「津軽」や「八甲田」など、以前は日本中を走っていた急行列車。時代は変わるもので、今では青森~札幌間を走る夜行の急行「はまなす」が唯一の定期急行列車に。
 この貴重な急行「はまなす」、B寝台車も通常2両連結され、フルムーンパスではB寝台を予約するのがいい。B寝台は一般的な「2段ベッドが向き合う4人用の区画」で、各寝台のカーテンを閉じれば“ミニミニ個室”気分が味わえる。
 シャワー設備のない急行「はまなす」。汗を洗い流してすっきりしたい派の方は、駅から近い温泉施設のご利用を。青森であれば駅から徒歩約10分の「青森まちなかおんせん」が便利。貸切の家族風呂は源泉かけ流しで、柔らかい湯を夫婦水入らずで楽しめる。休憩室で身体を休め、「はまなす」の時間に合わせて駅に行ける。

急行「はまなす」のヘッドマーク。植物のハマナスが描かれ、ED79形機関車ともマッチする

2日目札幌や小樽を観光、次なる列車は「トワイライトエクスプレス」!!|函館本線[札幌⇔小樽]/函館本線・千歳線・室蘭本線・函館本線・江差線・津軽海峡線・津軽線・奥羽本線・羽越本線・信越本線・北陸本線・湖西線・東海道本線[札幌⇒大阪]

  • 札幌駅には早朝から営業の“おにぎりカフェ”がある。豚汁とおにぎりのセットでホッと一息

  • 大通公園にそびえる札幌のテレビ塔。現在はお色直しの塗装中。6月中旬頃にはピカピカに

  • 小樽、祝津地区の高台に建つ小樽市鰊(ニシン)御殿。ニシン漁で栄えた小樽の歴史がわかる

  • 寿司をはじめ、カニや海鮮丼など美味が揃う小樽。ここでは豪快に食べるカニ料理もいい

  • 札幌駅の「トワイライトエクスプレス」。DD51形ディーゼル機関車が重連(2両)で牽引する

  • 寝台特急「トワイライトエクスプレス」のB寝台(Bコンパート)。フルムーンパスで利用できる

 札幌に着いた急行「はまなす」を下車し、旅の2日目が始まる。札幌駅には朝6時半から営業の“おにぎりカフェ”があり、熱々の豚汁とほかほかのおにぎりで朝食といきたい。

 まだ一般の観光客が繰り出す前の札幌、赤レンガの北海道庁旧本庁舎を眺め、テレビ塔そびえる大通公園や札幌市時計台へと歩く。朝の散歩を終えた後は、列車に乗って港町、小樽へ。

 “北のウォール街”と呼ばれた小樽、日本銀行旧小樽支店を筆頭に、市内各所に歴史的な建築物が残り、小樽運河ともども訪ねてみたい。また、小樽はニシン漁で栄えた歴史も持つ。バスで祝津地区へ出かけ、番屋として建てられた小樽市鰊(ニシン)御殿などを見学するのもおすすめだ。

 旅の2日目、モデルコースでは札幌、小樽の観光とした。自由自在の旅ができるフルムーンパスだから、ぜひお二人オリジナルのコースを楽しんでほしい。もちろん人気の旭山動物園(旭川)へも足を延ばすことができる。

 札幌に戻り、大阪行き豪華寝台特急「トワイライトエクスプレス」に乗車。走る区間も日本最長距離の「トワイライトエクスプレス」、フルムーンパスならB寝台(Bコンパートメント=2段ベッドが向き合う4人用の区画)が追加料金なしで利用でき、別途料金を追加すればさらなる個室も利用可。この場合、フルムーンパスは乗車券部分のみが有効に。

 食堂車にサロンカー、シャワー室もある「トワイライトエクスプレス」。食堂車でリッチなディナー(要事前予約)を堪能するのも旅の良き記念となるだろう。

2日目●乗車距離:1576.1km 運賃合計2人分:54,320円
【各区間ごとの運賃と乗車距離】
札幌~小樽:@620円(乗620円) 乗車距離33.8km
小樽~札幌:@920円(乗620円 普指300円) 乗車距離33.8km
札幌~大阪:@25,620円(乗16,170円 特寝9,450円) 乗車距離1508.5km ※上り列車の距離
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数

モデルコース

東京発5日間・前編【旅の2日目】
旅情満喫! 夜行列車フルムーン 2日目
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発着駅 時間 メモ
札幌や小樽を散策し、「トワイライトエクスプレス」で大阪へ
札幌 発 9:31 函館本線・快速【いしかりライナー】
小樽 着 10:10 小樽市内を観光&ランチ
小樽 発 13:04 函館本線・快速【エアポート134号】普通車指定席
札幌 着 13:36 乗り換え
札幌 発 14:05 寝台特急【トワイライトエクスプレス】B寝台(Bコンパート) ※運転日注意
大阪 着 12:53 車中泊で大阪着、関西エリアの観光へ

旅のメモ

観光の問合せ
■札幌:北海道さっぽろ観光案内所(JR札幌駅西コンコース) TEL.011-213-5088
■小樽:小樽観光協会 TEL.0134-33-2510

フルムーン夜行列車コラム(2)寝台特急「トワイライトエクスプレス」

 大阪と札幌を結ぶ、言わずと知れた豪華寝台特急「トワイライトエクスプレス」。毎日運転の定期列車ではなく、臨時列車の扱いで運転日には注意が必要。基本的な運転パターンは大阪発が月・水・金・土、札幌発が火・木・土・日、そして、繁忙期等、毎日運転の時期もある。
 車内の設備は豪華で、A寝台2人用個室「スイート」やB寝台2人用個室「ツイン」などがあり、フルムーンパスで追加料金なしの場合、2両連結されているB寝台「Bコンパートメント」(2段ベッドが向き合う4人用の区画)が利用可。こちらは通路と各区画を仕切るガラスのドアもある。
 フルムーン世代であれば、「Bコンパートメント」は下段の寝台がおすすめ。上段の寝台には窓辺の収納式ハシゴを使うが、下段ならその必要もなく、出入りが楽ちんだ。

「トワイライトエクスプレス」のヘッドマーク。夕暮れの日本海をイメージしたという

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