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秋のステキなフルムーン~海の幸も、お肉も、ステーキで味わう美食旅~

  • ●1日目|東京から鳥羽へアワビを味わう
  • ●2日目|鳥羽から別府へ温泉も豊後牛も
  • ●3日目|佐世保に滞在しレモンステーキ
  • ●4日目|列車を乗り継ぎマグロの清水へ
  • ●5日目|富士見を楽しみ盛岡を経て帰京

1日目|名古屋を経由して三重県の鳥羽へアワビの絶品ステーキを味わう旅|東海道新幹線[東京⇒名古屋]/関西本線・伊勢鉄道線・紀勢本線・参宮線[名古屋⇒鳥羽]

  • 東京駅で3兄弟のように仲良く並ぶN700系新幹線。日本の大動脈を走るプライドが感じられる

  • N700系グリーン車では全席にコンセントが設置されている。場所は座席の間、肘置きの前部

  • 名古屋から鳥羽方面を結ぶ快速「みえ」。途中、第三セクター線の伊勢鉄道線を経由する

  • 鳥羽、相差(おうさつ)の「石神さん」。女性の願いを叶えてくれるというパワースポット

  • 伊勢、志摩地方の宿は食事の豪華さも知られている。この夜のメインはアワビのステーキだ

  • 地元のアワビを焼いてナイフとフォークでいただく。身が厚く歯ごたえもあってこれは美味!

 いよいよ到来、食欲の秋。天高く晴れ渡った絶好の旅日和、新幹線グリーン車に食欲も乗せ、素敵に快適に、おいしい日本を旅してみませんか?

 なかには初めてフルムーンパスの旅を計画中のご夫婦も。フルムーンパスは一部例外はあるものの、JRの列車、それも特別席であるグリーン車の旅が自由にできるおトクなパス。駅の「みどりの窓口」などで購入でき、利用当日の購入もOK。乗車前に指定券の発券を受け、いざ夫婦旅に出発!

 東海道・山陽新幹線「のぞみ」や、山陽・九州新幹線「みずほ」は利用できないルールのフルムーンパス。しかし、利用可能な「ひかり」や「さくら」も速くて便利。旅の初日は名古屋でランチを食べ、地元産アワビが待つ鳥羽へ。

 さて、早速、注意点を。鳥羽へ向かう快速「みえ」は、途中、フルムーンパスが使えない第三セクター、伊勢鉄道線を経由する。伊勢鉄道線の運賃(一人片道510円)は車内での精算が必要に。

 海の幸が豊富な鳥羽地方。相差(おうさつ)地区では女性の願いを一つは必ず叶えてくれるというパワースポット「石神さん」が人気になっている。周辺を散策すれば港もあり、海女の人たちが古くから「石神さん」を大切にしてきたことがうかがえる。

 さあ、お待ちかねの夕食。メインは地元のアワビをステーキで、ナイフとフォークを使っていただこう。肉厚でジューシーなアワビ、これはもう絶品の一言。伊勢志摩の味覚に身も心も満足、満足、大満足!

1日目●乗車距離:488.5km 運賃・料金合計2人分:34,880円 ※伊勢鉄道分を含む
【個別区間(列車)ごとの運賃・料金と乗車距離】
東京~名古屋:@14,470円(乗6,260円 特グ8,210円)乗車距離366.0km
名古屋~鳥羽:@2,970円(乗2,450円 指520円)乗車距離122.5km ※1
※1 伊勢鉄道(距離22.3km、運賃@510円)分を含む
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数

モデルコース

素敵なフルムーン 1日目
1

発着駅 時間 メモ
鳥羽でアワビのステーキ(鳥羽泊)
~ N700系に乗車 ~
東京 発 9:03 東海道新幹線【ひかり465号】グリーン車 N700系
名古屋 着 11:09 ランチ&乗り換え
名古屋 発 13:37 快速【みえ11号】普通車指定席
鳥羽 着 15:26 この日は鳥羽泊

旅のメモ

観光の問合せ
■鳥羽:鳥羽市観光協会
TEL. 0599-25-3019

秋の「旬」コラム(1)鮭

 「秋味」とも呼ばれる鮭は日本の秋を代表する海の幸の一つ。川で生まれ海で成魚に育ち、再び生まれた川に帰ってくるという鮭。神秘的な生態はさておき、川に帰る季節、秋は脂ものってそれは美味に。
 産地としてはやはり北海道のイメージが強く、根室海峡などでは「マスノスケ」と呼ばれるキングサーモンも漁獲される。こちらは言ってみれば「鮭の王様」だけに味わいも最高。
 鮭の食べ方としては、北海道ではやはり「ちゃんちゃん焼き」が大人気。これは生秋鮭をざく切りにして味噌やバター、野菜とともに豪快に焼いた料理。ホットプレートで手軽に作って食べられる。また、ルイベ(凍らせた生鮭の刺身)にしたり、郷土料理の石狩鍋にしたり、「トキシラズ」(若いシロザケ)などはお寿司でも味わえる。

根室で食べた「マスノスケ」。根室では「トキシラズ」(若いシロザケ)も水揚げされる

2日目|鳥羽から大分の名湯、別府温泉へ湯に浸り、豊後牛ステーキに舌鼓|参宮線・紀勢本線・伊勢鉄道線・関西本線[鳥羽⇒名古屋]/東海道・山陽新幹線・日豊本線[名古屋⇒新大阪⇒小倉⇒別府]

  • 鳥羽の朝、穏やかに広がる三重の海。目覚めに眺める海景色は旅気分を盛り上げてくれる

  • 名古屋に戻る快速「みえ」が鳥羽駅で発車を待つ。名古屋からは新幹線に乗って西へ向かう

  • 新大阪から小倉までは山陽新幹線「さくら」の旅。小倉では特急「ソニック」に乗り換える

  • 別府で滞在した隠れ家のような大人の宿。部屋のヒノキ風呂でかけ流しの名湯を堪能する

  • 別府では宿によって豊後牛ステーキがメインのプランもある。熱々のステーキが目の前に!

  • 焼き加減はミディアムの豊後牛ステーキを口に運ぶ。おんせん県、大分は「おいしい県」だ

 旅の2日目。潮騒とともに目覚め、窓のカーテンを開ければ、そこは朝の海が広がり、とても爽快な気分に。今日は鳥羽から名古屋、新大阪、小倉を経て、九州は別府を目指そう。

 グリーン車の旅が楽しめるフルムーンパス。しかし、快速「みえ」など列車によってはグリーン車の連結がないものも。その場合は普通車指定席や普通車自由席を利用。ただ、グリーン車が満席で乗車できないケースを含め、普通車に乗車した時にグリーン料金との差額等の返金は受けられないルールとなっている。

 この日は4本の列車を乗り継ぐ旅。モデルコースのように最短の乗り継ぎ時間で行くのもよし、あるいは、途中の経由地でもっと時間を作って1本列車を遅らせるのもよし。フルムーンパスの旅では、予約した列車の乗車前であれば、駅の「みどりの窓口」等で列車の変更も可能(無料)。旅のアレンジは自在にできる。

 最近、駅ナカがデパートのようになった新大阪駅。各地の駅弁を取り揃えたコーナーも充実、お好みのご当地駅弁をランチに買い求め、いざ「さくら」に乗車。

 九州きっての温泉地、別府にはちょうど夕刻の到着。別府といい大分県も美味満載で知られ、魚では関サバに関アジ、銘柄牛では豊後牛がある。宿によっては豊後牛のステーキが味わえるプランもあり、前日のアワビに続き、今宵は牛肉をメインとしよう。

 若い世代に負けず、お肉が大好きという人も多くいるフルムーン世代。熱々の鉄板に盛られたステーキを頬張り、食後はゆったり過ごし、名湯に浸ってお休みを。

2日目●乗車距離:985 km 運賃・料金合計2人分:71,500円 ※伊勢鉄道分を含む
【個別区間(列車)ごとの運賃・料金と乗車距離】
鳥羽~名古屋:@2,970円(乗2,450円 指520円)乗車距離122.5km ※1
名古屋~新大阪:@8,580円(乗3,350円 特グ5,230円)乗車距離186.6km
新大阪~小倉:@18,920円(乗8,750円 特グ10,170円)乗車距離555.1km
小倉~別府:@5,280円(乗2,480円 特グ2,800円)乗車距離120.8km
※1 伊勢鉄道(距離22.3km、運賃@510円)分を含む
※通常期の場合  ※距離は運賃計算に用いるキロ数

モデルコース

素敵なフルムーン 2日目

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発着駅 時間 メモ
別府で豊後牛ステーキ(別府泊)
~ N700系に乗車 ~
鳥羽 発 10:00 快速【みえ8号】普通車指定席
名古屋 着 12:05 乗り換え
名古屋 発 12:19 東海道新幹線【ひかり509号】グリーン車 N700系
新大阪 着 13:26 乗り換え&ランチに駅弁を購入
新大阪 発 13:59 山陽新幹線【さくら559号】グリーン車 N700系
小倉 着 16:17 乗り換え
小倉 発 16:41 特急【ソニック37号】グリーン車
別府 着 17:51 この日は別府泊

旅のメモ

観光の問合せ
■別府:別府市観光協会別府駅案内所
TEL. 0977-24-2838

秋の「旬」コラム(2)イクラ

 「秋味」こと鮭といえば、高級な筋子やイクラ(筋子を一粒ずつの卵に分けたもの)もすぐに思い浮かぶ。親の鮭そのものが旬であり、その鮭からとれた筋子もまさに秋が旬の食材。北海道では早速、とれたての筋子やイクラをしょう油漬けにし、「新物」の筋子やイクラとして販売が始まる。海鮮丼の店でもほどなく「新物」のイクラを用いたイクラ丼が味わえるように。
 北海道では新鮮な生の筋子がスーパーでもごくごく普通に売られ、価格も手頃とあって自家製のイクラしょう油漬けをこしらえる人も多い。
 流通が発達した今、秋ならではの生の筋子も北海道から東京に運ばれ、北海道よりは割高なものの都内のスーパーでも手に入る時代に。北海道に行ったつもりで自家製のイクラしょう油漬けを作ってみてはいかがだろう。

北海道、根室で食べたイクラは一粒一粒がプリプリだった。秋は新物の筋子やイクラが出回る

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