『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。

創刊18年目を迎えた『散歩の達人』がこの夏リニューアル! これまで東京を隅から隅まで歩き、人や歴史・食から、その街の魅力を発信してきましたが、これまで以上に広いテーマを深く掘り下げ、さらに東京を盛り上げていきます!
今回、あつ~い夏にひんやり快適の冷たいグルメをご紹介。 『散歩の達人』と共に暑い夏を乗り切ってください!

冷や麺グルメ
氷なしハイボール
自家焙煎コーヒー屋さんのソフトクリーム

冷たい肉そば 河北や [ 小川町 ]

この地で7年。山形・河北町をルーツとする冷たい汁そばの名店。深いコクがとれるオヤドリを使った冷たいダシ汁と、太めの特製生そばの食感、トッピングの噛み応えあるオヤドリの茹で肉が生み出す独特な深い味わいは、やみつきになる新鮮な魅力を秘めている。一杯380円のお値段は、量が売れているからなせる業。メニューも豊富で、居酒屋としても使えるのがうれしい。
●7~23時(土10~15時)、日・祝・第2・4土曜休。
千代田区神田錦町1-2 Tel.03-5283-3677。

山形水ラーメン Pour cafe [ 銀座 ]

こちらは山形発祥の冷たい汁ラーメン「水ラーメン」のおすすめ店。従来品をベースにしつつ、よりおいしさを徹底追求、スープが薄まらぬようダシの氷を浮かべ、香味油にはオリーブオイル、イタリアンパセリを添えるなどの工夫で、独自の境地に達している。今年で7年、見た目に反して魚ダシがたっぷり効いたオーソドックスな味で800円。食べ重ねるほどにくせになる。
●11時30分~23時30分(金~翌1時、日・祝~20時)、無休。
中央区銀座1-14-9 Tel.03-3535-0516

冷たいトムヤムクン ピッチーファー [ 新宿 ]

多彩な本格タイ料理が楽しめる人気店。今年で10年目の冷たいトムヤムクン1,365円は、現地人シェフがタイ宮廷料理人だった祖母から教わった高貴な品。口に入れるとまずトマトの酸味が広がり、続けて旨味と辛みが舌を包み込んでくる。普通のトムヤムクンとは異なる辛さのハーモニー。辛さ疲れしたら、センレック(米の麺・セットで1,500円)を追加、そうめん風に付けて食べるべし。
●11~15時・17~23時、無休。
新宿区西新宿1-4-5 明広ビル5F Tel.03-5326-8588

夏に飲むのはビールだけにあらず。バーの密集地・銀座なら、それぞれの個性が出るハイボールが楽しい!
本日回るのはいずれも15時から営業のバー。明るいうちの一杯も、また格別なのです。

湿度が高まるほどに 少し強くてクールな 一杯が恋しくなる

 蒸した日に飲む、キリリと締まったハイボールの飲み口が好きだ。私的には日の明るいうちに、ヒュッと別世界に入り込んだ気になれるバーに駆け込むのが理想。加えていうなら、時間が経っても味がにぶらない「氷なし」がいい。

 バーのハイボールを観察すると、ウイスキー、炭酸は何を使うか。どのように冷やしているか。割合は。注ぎ方は。と、おもしろいほどに基本のスタイルが違っている。

 喪黒福造が入ってきそうな『ランド・バー』。築60年のビルにある店には冷蔵庫がなく、ウイスキー、炭酸は氷で冷蔵する。「実は氷の方が冷蔵庫より約2~3度も冷えるんですよ」。店主・伊藤大輔さんはそう話しながら、グラスの方はバースプーンでロックアイスをクルクルと回して冷やす。グラスに霜がつかず、炭酸の気泡が飛びにくい効果もあるという。

 『銀座サンボア』は冷凍庫で冷やした角瓶をダブルで注ぐ。店長・渡辺仁さんによると、「氷を入れないのは、冷蔵庫がなかった頃の名残。当時氷は保冷の道具でお酒に入れようとしなかったようです」。特製グラスの内底は丸く、勢いよく炭酸を注ぐとグラス内の対流で混ざる仕様だ。

 ハイボール人気の火付け役的存在で、入手しづらい角瓶43度復刻版を使う『ロックフィッシュ』も外せない。驚くほど相性のいいオイルサーディンとともに締めれば外界の風は相当気持ちよくなっている。

ランド・バー

ハイボールは竹鶴12年1,000円、もしくは白州12年1,500円を用意。焼き豚500円。
築60年のビルや店内はレトロな雰囲気ながら、2015年に建て替えを予定。
今のうちに!
●チャージ1,000円。15~24時、日休。
中央区銀座6-4-7小野商工館ビル1F Tel.03-3571-8090

銀座サンボア

銀座サンボア

レモンピールの香りをまとう、角・ハイボール1,050円。ほかのウイスキーでも対応。
夏限定、蛸のかるい燻製 ソースジェノベーゼ840円。
●チャージ無し。ピーナッツ320円。15~24時、(日・祝~22時)、無休。
中央区銀座5-4-7 銀座サワモトビルB1 Tel.03-5568-6155

ロックフィッシュ

ハイボール945円は味に厚みがある角瓶43度復刻版を使用。仕上げにレモンピール。
山椒をのせた、オイルサーディン945円と抜群に合う。
●チャージ無し。15~22時(日・祝~18時)、無休。
中央区銀座7-2-14 第26ポールスタービル2F Tel.03-5537-6900

コーヒーはまだ早いとたしなめられる子どもにも本物の味を教えてあげようという心意気からか、
自家焙煎のコーヒー屋さんでは、おいしいソフトクリームと出合うことが多い。
愛されて40年余りの“モカソフト”を世に送り出したミカド珈琲店を筆頭に、幅広い年代に愛される魅惑の渦巻き大集合。

ミカド珈琲店 日本橋本店

ミカド珈琲店 日本橋本店

創業は1948年。「オレンジジュース以外に子どもが喜ぶものを」と創業者が頭をひねり、愛娘にプール1杯分ほど試食させて完成したのが「ミカド珈琲のモカソフトR」。ネルドリップで抽出したコーヒーを閉じ込めた、なめらかで苦みのないすっきりした後味。1階スタンド用300円、2・3階席用(写真)430円。コーンもあるが、カップのみプルーンのシロップ漬けが付く。
●中央区日本橋室町1-6-7
Tel.03-3241-0530

赤木屋珈琲 [ 日本橋 ]

赤木屋珈琲

建物は赤木屋証券の元社屋。証券業から昨年末に撤退し、株の売買でにぎわった1階には熱風式の焙煎機が鎮座。本州ではここにしか卸していない北海道サツラク農協の牛乳を使ったヨーグルトソフトクリームは350円。喉にツンと来る酸っぱさがなく、牛乳の味わいが感じられる。再開発のため約2年後に建物は取り壊され、その後も珈琲店を続けるかどうかは未定。
●中央区日本橋2-7-1
Tel.03-3271-0010

備屋珈琲店 恵比寿店

備屋珈琲店 恵比寿店

創業から27年、鎌倉が本店のコーヒー店。何か目玉になる商品をと連日、冷たさで舌が痺れるほど試食を重ねて完成したのが、このソフトクリーム735円。備長炭の火で専用に焙煎した豆をドリップしたコーヒーが優しい味わいを醸し出す。アイスコーヒーをそのまま固めたほろ苦いゼリーとの相性も抜群。厳選した牛乳使用のバニラも。ゼリー無しのテイクアウトは350円。
●渋谷区恵比寿4-4-11
Tel.03-5488-1651

ザ クリーム オブ ザ クロップ コーヒー [ 渋谷 ]

ザ クリーム オブ ザ クロップ コーヒー

2012年にオープンした、注文を受けてから豆を挽き、ハンドドリップするコーヒー店。「コーヒー牛乳ソフトクリーム」420円は、同社がそのショップを手がけるベルギーのショコラティエ、ピエール・マルコリーニ氏も絶賛したエチオピア産の「イルガチェフェ」をエスプレッソで抽出。甘みも苦みも酸味も効いていて濃厚なのにまた食べたくなる。
●渋谷区渋谷2-21-1
渋谷ヒカリエShinQs 1階
Tel.03-6434-1567

文=奥谷道草(冷や麺)・沼由美子(ハイボール)・香月真理子(ソフトクリーム)
写真=井上洋平(冷や麺)・丸毛透(ハイボール)・泉田道夫(ソフトクリーム)
※掲載されているデータは2013年7月現在のものです。

散歩の達人は、今号で大リニューアル。
紙質やデザインを一から見直し、基本コンセプトを、これまでよりもっと深く密度の濃いものへという意味で、「街歩き」から「街探索」に変え、メイン読者ターゲットを35歳~45歳に絞り、16ページ増量しました。
リニューアル第1弾の大特集「夏の東京さんぽ術100」は、「吉祥寺納涼さんぽ」から、「ベスト・オブ・海岸 三浦&房総」「楳図かずお自選恐怖マンガ」「『外飲み』しようよ!」「夏ラーメン、夏カレー」「持つならセンスのいい扇子!」「大人の浴衣講座中級編」まで、全100項におよぶ東京の夏の楽しみ方を、根掘り葉掘りと掘り下げています。
いわば、「お祭り」の一冊。知らなくても生きてゆける情報ばかりかもしれませんが、こういう雑誌がないと生きてゆけない、と思われたいものです。

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