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終着駅からはじまる旅

第4回 諫早(大村線)長崎県諫早市
島原半島の玄関口から、湯煙漂う屈指の名湯へ

47.6kmの大村線をディーゼルエンジンの心地よい音に身を委ね、大村湾を右手に望み、長崎空港を通り越してたどり着いたのは、島原半島への入口「諫早駅」。日本最大の干拓事業の地・諫早から目指すは全国屈指の名湯「雲仙温泉」。今度の“終着駅のその先”では何が待っているのでしょうか……。

地図

[諫早]日本最大の干拓事業の舞台

JR諫早駅

JR大村線の終着駅。木造の洋館を思わせる平屋建ての駅舎でレトロな雰囲気が漂う。大村線、長崎本線が乗り入れ、特急「かもめ」や快速「シーサードライナー」も停車する。島原鉄道は0番ホームから出発。

諫早ゆうゆうランド干拓の里

資料館や水族館など、元徳2年(1330)から続いている干拓の歴史が楽しく学べる複合施設。●入園料300円/TEL.0957-24-6776/月曜休(祝日の場合は翌日)/諫早駅から島原鉄道15分の干拓の里駅下車、徒歩15分

諫早眼鏡橋

美しい2連アーチを描く石橋。昭和33年に石橋として初めて重要文化財に指定されました。橋幅も広く、九州屈指の名橋といわれています。●諫早駅から徒歩15分(諫早公園内)

[小浜]海、温泉、グルメ……魅惑の海岸

波の湯「茜」

橘湾に突き出すように造られ、西に望む茜色の大海原に沈む夕日を望むことができる海上露天風呂。●小浜温泉観光協会TEL.0957-74-2672/料金300円/諫早駅からバス1時間

小浜ちゃんぽん

小浜温泉街には個性的なちゃんぽんが目白押し。市の観光課に“ちゃんぽん番長”なる人物がいるほどです。写真は「海花(かいか)亭」のちゃんぽん。温泉水を加えたまろやかな味わいが魅力。

[島原]歴史的なたたずまいと湧水の町

しまばら水屋敷

明治期に建てられた和洋折衷の木造家屋。庭の池に湧き出る水量はなんと毎秒50L。現在では茶房として公開(7名以上の団体入場不可)。●しまばら水屋敷TEL.0957-62-8555/島原鉄道島原駅から徒歩15分

かんざらし

みずみずしい白玉に、冷たくて甘いシロップをかけた島原名物。ゆで上がった白玉を美味しく仕上げるのは大量の冷たい流水。湧き水が豊富な島原ならではの味覚です。

島原水まつり

豊かな湧水の恵みに感謝する島原水まつり。期間中、白土湖(しらちこ)・武家屋敷水路など市内各所は灯籠の幻想的な明かりに照らされます。開催期間=8月3~7日(予定)。

[雲仙]湯煙漂う国内最初の国立公園

雲仙温泉

古くは「温泉」と書いて「うんぜん」と読んだほどの由緒正しい温泉。透明と白の2色の温泉が湧出しています。どちらも酸性の硫黄泉で効能は抜群。●諫早駅からバス約1時間15分

雲仙地獄

激しい水蒸気と硫黄の匂いが立ち込める雲仙地獄。温泉が生み出されるメカニズムとパワーが実感できる場所です。●諫早駅からバス約1時間15分

星空ミニツアー

標高700mから見る満天の星。ふと見上げれば星の海に引き込まれてしまいそう。所要1時間ほど。夜道をたどる道程もスリル満点です。●雲仙観光協会TEL.0957-73-3434/雲仙温泉の各旅館から無料マイクロバス運行

雲仙ハイボールセット

明治後期頃にレモネードが持ち込まれ、焼酎で割った「らむ中」が人気を博しました。その復刻版が雲仙ハイボールセット。炭酸が抜けないように軽くかき混ぜるのがコツ。1260円。

駅スポット 駅中や駅前のおすすめスポットを紹介します

のんのこ諫早おどりの像

のんのこ節に合わせて踊る“のんのこ踊り”の像。皿を打ち鳴らして踊るため「皿踊り」とも。“のんのこ”とは“愛らしい”の意味。平成22年は9月18~19日に「のんのこ諫早まつり」を開催。

終着駅へは この列車で! キハ200系気動車 快速〔シーサイドライナー〕

佐世保・竹松~長崎間を運行する快速列車。青色のボディに赤い扉という専用塗色で玩具のような色使いの楽しい外観が魅力。車体の側面には「SEA SIDE LINER」のロゴが記されています。西側の車窓に望むのは大村湾。夕刻には海が黄金色に燃えて、絶景の中をひた走ります。

色鮮やかなキハ200系シーサイドライナー。
通常は2両編成で運行されている

青春18きっぷも利用できるシーサイドライナー。
海沿いを走るので、絶景車窓が楽しめる

九州の周遊に便利でお得な注目のきっぷ! 旅名人の九州満喫きっぷ

九州全鉄道の普通列車の普通車自由席が1日乗り放題となるおトクなきっぷ。利用期間中に3回(人)まで利用可能。通常期、おとな3人で博多~諫早間を往復した場合、運賃は14,520円なので、4,020円もおトク!

  • 発売期間●平成23年3月31日(木)まで
  • 利用期間●平成23年3月31日(木)まで
  • 有効期間●利用期間中に3回(人)まで利用可能。1回(人)あたり乗車日当日に限り有効
  • ねだん●おとな10,500円(こども同額)

長崎駅~佐世保駅間の大村線を乗り放題! ぶらり大村線きっぷ

風光明媚な大村湾沿いを走る大村線が連続する2日間乗り放題となるおトクなきっぷ。利用区間内の普通列車と快速列車の自由席に乗車できるほか、別途特急券を購入すれば特急列車にも乗車できる。利用区間は佐世保~早岐(佐世保線)、早岐~諫早(大村線)、諫早~長崎(長崎本線)。

  • 発売期間●平成23年2月28日(月)まで
  • 利用期間●平成23年2月28日(月)まで
  • 有効期間●2日間
  • ねだん●おとな3000円、こども1500円

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JR時刻表

写真=長根広和(マシマ・レイルウェイ・ピクチャーズ)
写真協力=裏辺研究所(裏辺金好)
※JR時刻表「終着駅からはじまる旅」より転載・再構成

※掲載されているデータは平成22年7月現在のものです。

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