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まだまだ知られざるご当地の味 行って食べたい!ニッポンA級発掘グルメ

vol.6 八戸前沖さば [青森県八戸市]


戦後、一本釣りが主流だったサバ漁は、昭和40年頃から魚群の周囲に網を入れて巻き取る巻網漁法を採用。漁獲時期は8~10月で、開始して間もない頃は、夏が旬のスルメイカが網に混ざって入ることも

サバはほかの魚と比べて痛みやすく、かなり新鮮でないと生で食べられない。刺身で出せるのは地元の特権。また、大トロ並みに脂の乗った八戸前沖さばだからこそ、シメサバにしても舌の上でとろけるよう

サバ料理の進化系、焼きサバのピザは、焼きサバの身をほぐしてトッピング。タバスコではなく、青唐辛子と麹、醤油を1升ずつ、1:1:1の割合で混ぜ合わせて漬け込んだ郷土料理“三升漬け”でいただく


八戸港は観光スポットとしても人気。周囲には、ショッピングセンターや温浴施設が建つ沼館緑地公園、海釣り施設のある八太郎3号ふ頭緑地など、憩いの場が整備されている。夜景も美しい

“食欲の秋”とともにシーズン到来!とにかく脂が乗りに乗ったサバ

 夏の終わり、八戸前沖でサバ漁が本格化する。実はこの「八戸前沖さば」、一部の飲食業界で“日本一脂が乗ったサバ”と評判だ。なぜ、そんなに脂が乗っているのか? そのわけは海水温度にある。サバは、東北以南、関東、九州など広い範囲で獲れるが、海水温度が18℃から16℃に下がるといっきに粗脂肪分(いわば脂の乗り)が多くなる。ここ八戸港は、サバの漁場として国内最北端の北緯40度30分に位置。例年9月に入ると海水温度が急激に低下し、このあたりを泳ぐサバは急いで脂肪を蓄えるのだという。通常、マサバの粗脂肪分が10数%程度なのに対し、八戸前沖さばの場合、特に大型のものは30%にも達するというから驚きだ。

 八戸港は国内有数の水産拠点で、昔から、イカが多く獲れることで知られていた。だが、昭和41年に漁獲量が日本一になった時、何を隠そう、既にエースはイカではなくサバだった。主な内訳は、イカ5万9000t、サバはなんと8万9000t。ちなみに、サバとイカは漁場が重なっているため、スルメイカ漁が最盛期を迎える夏頃、サバが網に混ざり込んで獲れ始める。そして、海水温度が下がり始める9月から秋口の10月にかけて、完全にサバ漁に切り替わるのだ。

 「サバの生き腐れ」という言葉がある。サバはとても傷みやすい、という意味だ。サバは特に旨み成分が多い魚だが、その旨み成分は、鮮度が落ちると有毒物質に変わってしまう。冷凍技術が普及していなかった戦前は、流通ルートに乗せることができず商品にならなかった。一方、八戸前沖さばの漁場は、八戸港からわずか数kmの沖合に形成される。そのため地元には新鮮なサバがたくさん出回り、手軽な食材として親しまれてきたのだ。今も旬が来ると、市内のスーパーに安価なサバが並ぶ。シンプルに焼いたり、焼きサバの身をほぐしてキュウリの塩もみと合わせ、酢の物にしたり、せんべい汁にしたり、普段から家庭の食卓に上るそうだ。

 飲食店でもサバは人気。最近は、焼きサバのピザ、サバーガーなど店独自に考案された進化形も登場している。平成19年からは、八戸前沖さばブランド推進協議会が主催するアイデア料理コンテストが毎年開催され、「さばりんごの焼き焼きクリームチーズ」、「イカサバライスかっぷ」など入賞作品が、市内の飲食店でメニュー化されている。バリエーション豊かなサバ料理を味わえば、その潜在能力に驚くに違いない。

SPOT いざ、八戸前沖さばを食べよう!

「八戸前沖さば」は、その名の通り八戸が擁するブランドサバで、種類としてはマサバ、ゴマサバがある。八戸前沖さばブランド推進協議会が定めた期間内に三陸沖で漁獲され、八戸港に水揚げされたサバを指し、この期間は、ブランドの価値や品質を維持するため、水揚げ状況、粗脂肪分、重量等を参考に、その年ごとに協議会が決定する。なお、「八戸前沖さば」の中でも550gを超える大型のサバは「銀鯖(ぎんさば)」ブランドと認定。脂が乗りに乗った八戸のサバを体験して!

八戸のサバ文化をリードするサバ料理専門店 サバの駅

メニューは実に30種以上。看板となるサバの串焼きは、皮目がパリッと、身はぷりっとし、旨みがぎゅっと凝縮している。使用するサバは、計量器にかけて700~900g以上あるサバのみ厳選。スタッフ自ら脂の乗りをチェックする。サバをから揚げにし、スキヤキのタレに漬け込んだものをバンズで挟んだサバーガーなど変り種も楽しい。

サバの串焼き:1本450円
サバーガー:420円
営業時間:17:00~24:00、日曜休
住所:八戸市六日町12大松ビル1F
交通:JR八戸線本八戸駅から徒歩15分
TEL.0178-24-3839 店ホームページはコチラ

新鮮だからこそ! 貴重な生サバをしゃぶしゃぶっとしていただく 肴町のらぷらざ亭

伝統家屋の南部曲家(まがりや)で八戸の郷土料理を味わえる。この店のサバ料理で、生サバ刺しと人気を二分するのは、八戸前沖サバしゃぶしゃぶ。軽く2~3回しゃぶしゃぶしたら、ポン酢につけていただこう。舌の上で脂が溶け出し、旨みがじわっと広がる。サバの出汁が効いて野菜もぐっと味わいを増す。残ったつゆで作る雑炊も◎。

八戸前沖サバしゃぶしゃぶ:2800円
生サバ刺し:1000円
営業時間:17:00~24:00、無休
住所:八戸市大字六日町13なかやビル1F
交通:JR八戸線本八戸駅から徒歩15分
TEL.0178-72-5587 店ホームページはコチラ

ホテルレストランが作る華麗なる洋風サバ料理 シェルブール

スマイルホテル八戸にある創業40余年のレストラン。地元の食材をふんだんに使った料理を供する。注目は、八戸前沖サバの燻製カルパッチョ仕立て。サバは燻製にすると生臭さが消え、それでいて、生に近い食感を味わうことができるという。サラダ感覚でどうぞ。1泊2食付きのプランには、八戸前沖サバの西京味噌焼き定食が含まれる。

八戸前沖サバの燻製カルパッチョ仕立て:650円
1泊2食(八戸前沖サバの西京味噌焼き定食など)付プラン:5800円~
営業時間:17:00~23:00(祝日は16:00~22:00)、日曜休
住所:八戸市番町31-5スマイルホテル八戸1F
交通:奥羽本線森岳駅からタクシー約10分
TEL.0178-85-0014 店ホームページはコチラ

八戸周辺のさば料理が食べられる飲食店リストはコチラ 八戸前沖さばブランド推進協議会オフィシャルサイト 青森のうまいものたち

ACCESS いざ、八戸へ行こう!

<東京方面から>

JR東京駅もしくは上野駅から東北新幹線「はやて」で約3時間40分の八戸駅下車

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割引が適用される設定日・設定列車・設定区間・割引率等が決められており、その分おトクな料金(特急券・乗車券)で利用できます。
【発売期間】発売中~平成24年11月30日午前1:40まで
【対象期間】利用期間中~平成24年11月30日

<東京都内から通常期に利用した場合>&<東京都内から「えきねっとトクだ値」」適用の往路はやぶさ1号(8:12東京発)、復路はやて38号(18:01八戸発)を利用した場合>

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【発売期間】発売中~平成24年11月30日午前1:40まで
【対象期間】利用期間中~平成24年11月30日

<東京都内から通常期に利用した場合>&<東京都内から「えきねっとトクだ値」」適用の往路はやぶさ1号(8:12東京発)、復路はやて38号(18:01八戸発)を利用した場合>

 取材・執筆・構成:信藤舞子(teamまめ)
 写真提供:八戸市役所観光課サバの駅肴町のらぷらざ亭シェルブール
※掲載されているデータは平成24年9月現在のものです。

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