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銘菓通王が選ぶ ニッポン 駅スイーツ図鑑

旅先で、出張先で、何をお土産に買おうか迷ったことはありませんか? せっかく買うなら、その土地ならではの美味を買いたいもの。このコーナーでは毎回、全国のスイーツを食べ歩く銘菓通王・中尾隆之さんに、駅や駅周辺で買えるオススメの駅スイーツを厳選紹介していただきます。

※値段・営業時間等は平成21年5月現在の情報です。来店の際には、事前にご確認ください。

Vol.2 郡山駅で買えるおいしい和スイーツ

阿武隈川沿いの盆地の中でも、紅枝垂地蔵ザクラや磐梯熱海温泉で知られる自然豊かな福山県郡山市。松尾芭蕉も訪れた風光明媚な地では、伝統と新しさを感じさせる和スイーツが作られ続けています。上品で味わい深い銘菓を駅で探してみませんか。

ままどおる(三万石)

バター、ミルクのやさしい洋風の味わい

 近年、地元の人がまず挙げる郡山の土産菓子が、名称にも味にも洋風を秘める「ままどおる」。創業60年余の老舗・三万石の看板菓子です。バターを含んだ生地でミルク味のあんを包みこんだ焼き菓子は、菓名のように、赤ちゃんを慈しむママのようなやさしい風味が特徴です。

 ほこほこさとしっとり感がほどよく、甘さも強すぎないため、子どもから年配者まで幅広い層に好まれています。

 1個ずつ包装されているので分けやすく、職場をはじめ実家への帰省の際のお土産などにもおすすめです。

データ
値段
5個入り袋420円~
販売場所
郡山駅おみやげ館(8:00~20:00、無休)など
本社所在地
福島県郡山市富久山町福原字神子田7-5
TEL.0120-81-3059(お客様相談室)

柏屋薄皮饅頭(柏屋)

あんこたっぷり、飽きのこない甘さ

 全国にその名を知られる郡山名物の「薄皮饅頭」は、嘉永5年(1852)に奥州街道の茶屋で売り出された長い歴史を誇るお菓子です。

 黒糖の蜜を配合した色艶よく張りのある小麦生地の皮は、菓名のとおり破れそうな薄さで、あんこ好きにはうれしい、はちきれんばかりにたっぷりの小豆あんが詰まっています。

 あんはこしあんと粒あんの2種類があり、きめ細かで甘すぎず、ホクッとしてしっとりした舌ざわり。昔ながらの味わいが、長く人気を保ち続ける秘密なのでしょう。

 ちょっと摘むのにいい小ぶりなひと口サイズの「薄皮小饅頭」(9個入り630円)もあります。自宅で蒸せる木のセイロ入りの「せいろ薄皮」(1段9個入り3675円など)はちょっと贅沢でイキな贈答品にもなります。

データ
値段
1箱8個入り840円など
販売場所
郡山駅おみやげ館、柏屋本店など
本店所在地
福島県郡山市中町11-8
TEL.024-932-5580
9:00~19:00、無休
ホームページ
http://www.usukawa.co.jp/home.html

家伝ゆべし(家伝ゆべし)

べっ甲色の生地に秘める深いおいしさ

 ひと口に「ゆべし」といっても各地で製法も形もいろいろ異なりますが、独特なのが江戸時代末期創業のかんのやの「家伝ゆべし」。厳選した米で作ったゆべし生地で小豆こしあんを三角状に包み、三方を摘み上げたような形にして蒸し上げ、ケシ粒を振り掛けます。

 もっちりとした歯応えながら歯切れがよくて食べやすいのは、うるち米を基本に数種の材料を加えた生地を寝かせ、蒸し上げるから。甘さも上品で、さらに1つ2つと手が伸びそうです。

 特異な形は、平安時代の武将・坂上田村麻呂(三春城主田村氏の先祖)が2羽の丹頂鶴に育てられたという伝説に因み、鶴の翼を表現しているといいます。醤油やクルミを入れて竿物にした「三春柚餅子(ゆべし)」(1本367円など)も味よし、香りよしの名品です。

データ
値段
6個箱入り525円など
販売場所
郡山駅おみやげ館ほか
本店所在地
福島県郡山市燧田(郡山駅おみやげ館)
TEL.024-934-2316
8:00~20:00、無休
ホームページ
http://www.kannoya.co.jp/

銘菓通王・中尾隆之
北海道生まれ。
1年の3分の1を町並み、和菓子、鉄道、温泉などの取材で全国各地飛び回る旅行作家。
テレビ東京系列の『TVチャンピオン2』の全国土産銘菓通選手権で優勝、チャンピオンに。

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