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銘菓通王が選ぶ ニッポン 駅スイーツ図鑑

旅先で、出張先で、何をお土産に買おうか迷ったことはありませんか? せっかく買うなら、その土地ならではの美味を買いたいもの。このコーナーでは毎回、全国のスイーツを食べ歩く銘菓通王・中尾隆之さんに、駅や駅周辺で買えるオススメの駅スイーツを厳選紹介していただきます。

※値段・営業時間等は平成22年1月現在の情報です。来店の際には、事前にご確認ください。

Vol.10 名古屋駅で絶対買いたい! 大人気スイーツ

織田信長や徳川家康にもゆかりの地・名古屋は、伝統の老舗による品よし味よしの銘菓が競合を繰り広げる激戦地。新春にふさわしい和風土産が喜ばれます。

旅まくら(両口屋是清)

生地と小豆あんの味わいがしっとりほっこり

 江戸時代初期の寛永11年(1634)、摂州大阪より尾張名古屋に移り創業した名古屋の老舗の、名物菓子のひとつである「旅まくら」は、菓名からも連想されるように旅の土産として特に人気があります。
 5cm×1.5cm、親指ほどのひと口サイズの焼き菓子で、ゴマを散らして薄く包み焼き上げてある軟らかな生地の中に、しっかり詰まったこしあんは、控えめで上品な甘さ。小豆のきめ細かな風味がしっとりほっこり伝わります。つい、2つ3つと手が伸びます。
 この菓子と並んで卵風味の皮とこしあんが混じり合って美味しい「志なの路」や、丸みを帯びた五角形にしてこしあんを包み焼き上げた「よも山」などとの詰め合わせも喜ばれます。

データ
値段
旅まくら・志なの路ともに10個入り473円、よも山6個入り630円
販売場所
JR名古屋駅構内KIOSK、ESCAほか
本社所在地
名古屋市中区丸の内3-14-23

TEL.0120-052062
8:30~19:00、第3日曜・元日休

ホームページ
http://www.ryoguchiya-korekiyo.co.jp/

ゆかり(坂角総本舖)

パリッの歯応えの中から濃厚なエビの風味

 口に運ぶと、ぷ~んと匂い立つエビの香ばしさ。噛めばパリッとした歯触りのあとに、新鮮なエビをたっぷり使ったうまみ深いエビの風味がほんのりの塩味とともに舌を満たしてくれるエビ煎餅です。
 1度口にしたら忘れられない味わいで、いつ食べてもその都度美味しさを新たにする、不動の人気みやげです。
 寛文6年(1666)頃、漁師たちが獲れたてのエビのすり身を浜辺で焙り焼きして食べていた“えびはんぺい”。それを献上された尾張藩主・徳川光友(みつとも)公が絶賛したものをもとに、工夫を重ねて今日の製品を完成したのが坂角総本舖です。人とのご縁を大切にする贈物として「ゆかり」の名を付けたといいます。名古屋地区限定の金色の缶入り「ゆかり黄金缶」も大人気です。

データ
値段
缶入り10枚892円、ゆかり黄金缶10枚892円
販売場所
JR名古屋駅構内KIOSKほか
本社所在地
愛知県東海市荒尾町甚造15-1
TEL.0120-758106
9:00~18:00、日曜・祝日休
ホームページ
http://www.bankaku.co.jp/

なが餅(笹井屋)

ほんのり焼き香に餅と粒あんの絶妙な甘さ

 伊勢街道の日永(ひなが)の里で古くから知られた名物で、菓名のとおり13cmほどの細長く平べったい餅菓子です。羽二重糯を丹念につき上げて薄くのばした餅皮の中に、北海道産小豆の粒あんを入れ、長く平らにのばし両面をほんのり焦げ目と香りがつくように焼き上げます。
 軟らかくてコシがあり、切れもよい餅皮と甘さ控えめながらうまみの深い粒あんとが溶け合う味わいはなぜか懐かしく、ほっと心が和む確かな美味しさ。オーブンでちょっと温めると美味しさが一層増します。笹井屋は天文19年(1550)創業の四日市の老舗ですが、名古屋土産として買う人が多くいます。日持ちは3日。武運、幸運の永きを思わせる縁起の良さも感じられます。

データ
値段
1箱7個入り730円から
販売場所
JR名古屋駅構内KIOSKほか
本店所在地
三重県四日市市北町5-13

TEL.059-351-8800
8:30~18:30、元日休

ホームページ
http://www.nagamochi.co.jp/

銘菓通王・中尾隆之
北海道生まれ。
1年の3分の1を町並み、和菓子、鉄道、温泉などの取材で全国各地飛び回る旅行作家。
テレビ東京系列の『TVチャンピオン2』の全国土産銘菓通選手権で優勝、チャンピオンに。

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