2026.01.13
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「越前鳥の子紙」が世界へ羽ばたく! 福井県越前市の伝統的工芸品がユネスコ追加登録へ

令和7年12月にユネスコ無形文化遺産「和紙:日本の手漉和紙技術」に福井県越前市の「越前鳥の子紙」が新たに追加登録されました。
「鳥の子」という名前は“鳥の卵の殻”のような柔らかな生成りの色合いを帯びていることに由来するといわれ、しっとりとした手触り、そして木の繊維を由来とする強靭さが特徴です。
越前鳥の子紙の魅力
越前鳥の子紙は、雁皮(がんぴ)というジンチョウゲ科の低木の皮だけを原料に、伝統的な道具と技法を守りながら一枚一枚漉き上げて作られます。しっとりと滑らかな手触りと、絹のような光沢、しなやかな強さ、長期保存にも優れており、古くから経典や貴重書などの用紙として愛用されてきました。
越前和紙は、現代においても日常的に公文書や高級書画用紙、修復紙などに使われ続けているため、他の伝統工芸にあるような“保存協会”が存在しませんでした。伝統が途切れず生活の中に息づいているがゆえにユネスコ登録が進まないという状況が続いていましたが、2015年に「越前生漉鳥の子紙保存会」を設立。一般的な和紙の原料である楮やミツマタよりも短い繊維の雁皮を、均一な厚みを保ちながら漉きあげるという高度な技術の伝承に尽力し、ついに今年12月、越前鳥の子紙の「和紙:日本の手漉和紙技術」追加登録が叶いました。
近年では襖紙や装丁用紙、日本画の支持体、御朱印帳など暮らしの中のさまざまな場面で越前和紙が活躍しています。インテリアや工芸品などにも活用され、その中でも越前鳥の子紙は“紙の王”と称されることも。
クラフトのまち・越前市
自然豊かな越前市の風景 提供(公社)福井県観光連盟
2024年3月に開業した越前たけふ駅 提供(公社)福井県観光連盟
古くから北陸の交通の要衝として栄え、壮大な山々や市内を流れる日野川など豊かな自然と歴史文化が調和した福井県越前市。
大河ドラマ「光る君へ」では紫式部の父・藤原為時が国司として赴任した地として描かれ、劇中で和紙を漉く場面が話題となりました。紫式部が生きた時代から現代に至るまで千年以上続く紙づくりの文化は今も息づいており、和紙生産量は日本一。市内には紙の神様を祀る岡太神社・大瀧神社や和紙の里など、越前市で育まれた紙づくりの歴史を肌で感じることができます。
近年では「クラフトのまち」としての側面がクローズアップされ、和紙だけではなく、700年以上の歴史を誇る「越前打刃物」や、重厚な木材に施された金具の細工が美しい「越前箪笥」などの伝統的工芸品が注目を集めています。市内にはカフェやギャラリー、雑貨店が点在し、若い作家の作品や地元素材を使ったアイテムに出合えるのも魅力です。
また越前市の食文化も旅の大きな魅力。冬の味覚の王様「越前がに」は、身がぎっしり詰まり、口に入れた瞬間に広がる甘みと旨味が格別。特に雌の「せいこがに」は、濃厚な内子と外子が楽しめる贅沢な味わいです。寒い季節に欠かせない「水ようかん」や、大根おろしが特徴的な「越前おろしそば」も観光客の人気を集めます。
都内で福井県の食を楽しむなら
JR福井駅と同じ、恐竜のオブジェが出迎えてくれる
東京・南青山にある福井県アンテナショップ「ふくい南青山291」は、イベントスペース、コワーキングスペース、イートインスペースで構成された、福井県の魅力をまるごと体験できる施設。特に注目したいのが、イートインスペースで楽しめる福井グルメです。メニューには、福井県産の米「いちほまれ」を使用したおにぎりや福井県名物「ボルガライス」をはじめ、福井の食材を使った定食や軽食が並び、旅先で味わうような本格的な味を気軽に楽しめます。福井の地酒と相性抜群のおつまみも揃い、ランチにも夕方の一杯にもぴったりのスポットです。
東京・銀座にある「ふくい食の國291」には福井県の銘品を取りそろえるショップがあり、越前がにや若狭ぐじなどの海の幸、羽二重餅や水ようかんといった銘菓から、越前漆器や越前和紙などの伝統工芸品まで様々な品が並びます。こちらのイートインスペースでは香り高い「越前おろし蕎麦」や、福井県民のソウルフード「ソースカツ丼」を味わうことができます。季節ごとの限定商品も多く、訪れるたびに新しい発見があるのが魅力です。
越前市は、和紙だけでなく、箪笥や刃物など多彩な工芸が息づく“クラフトのまち”。市内には工房やギャラリーが点在し、旅の途中でふらりと立ち寄れば、職人の技と温もりに触れられるスポットが豊富です。世界が認めた「越前鳥の子紙」の手漉き和紙技術と、ものづくりの精神が息づく越前市。訪れるたびに新しい魅力に出会える、クラフトタウンの旅へ出かけてみませんか。
※トレたび編集室/編
※掲載されているデータは2025年12月現在のものです。
