2026.05.22
- 注目の列車
- その他
アルプスを翔ける爽風——新型特急車両「385系」報道公開

JR東海は2026年5月12日、新型特急車両385系量産先行車を報道関係者に公開しました。
四季折々の自然が広がる信濃・木曽・美濃エリアの魅力を、より快適に、より安全に楽しめる工夫が凝らされた新型車両は、特急「しなの」など中央本線を走行する383系振り子式車両の後継として開発されました。
スピード感をイメージした外装デザイン
お披露目は神領駅の車両基地で行われた。奥にあるのは383系
「385」のシンボルマーク
外観デザインのテーマは「アルプスを翔ける爽風」。沿線の雄大な山並みを颯爽と駆け抜ける風をイメージした流れるようなデザインです。両先頭車には開放的な前面展望を有しており、中央本線ならではの自然豊かな景観を楽しめます。
車体側面に描かれたシンボルマークは、沿線の針葉樹を表す3つのラインと、信濃・木曽・美濃地区の森林を表現した緑のグラデーション、国内最速で曲線を走行するスピード感をオレンジのラインで表現。地域の自然と車両の性能を象徴するデザインが採用されました。
また、将来的なホーム可動柵の設置を見据え、中央本線で活躍する315系と車体長やドア位置を統一している点も特徴です。
より快適な移動を!進化した車内設備
バックシェル背面にはスマートフォンを置けるスペースも
車内も383系から大きくアップデートされました。グリーン車は「優雅なプライベート感」をテーマに、北アルプスの朝焼けや長野県花のリンドウをイメージしたビビッドな色合いが特別な旅の時間を演出します。JR東海の在来線で初めて採用されたバックシェルや、パネルで操作できる電動レッグレストもあり、ゆったりと快適に過ごせる設計です。さらに全席に備えられたコンセントに、従来型車両よりも60%拡大した荷棚、PCも余裕で置けるインアームテーブルなど、旅はもちろん、移動中のビジネスに欠かせない設備も充実。壁面には岐阜県の伝統工芸である美濃焼の装飾が施され、地域文化への敬意が感じられる空間となっています。
沿線作家の作品が贅沢に配置されている。写真は「ろくろ細工」
大きな荷棚スペース、全座席に設置されたコンセントなど、普通席もさらに快適に
デッキにはHC85系で好評の「ナノミュージアム」も設置され、木曾塗の技法で漆を塗り重ねる「堆朱塗(ついしゅぬり)」が美しい作品など、地域の文化や歴史に触れられる小さな展示空間として旅の楽しみを広げてくれます。
普通車は「自然の心地よさ」をテーマにした爽やかな色彩でまとめられ、木曽地域にゆかりのある「木曽五木」をイメージしたデザイン。自然の明るさを目指したという車内はリラックスできる雰囲気になっています。
次世代振子制御技術でより快適に!
車体の傾きを実演
技術面では、急曲線や急勾配が続く中央本線の特性に合わせて開発された次世代振子制御技術を搭載しています。車両とカーブの位置関係を常時監視し、カーブの開始位置をより正確に検知することで、揺れを抑えながらスムーズに走行できるようになりました。これにより、383系が誇った速達性を維持しつつ、乗り心地がさらに向上しています。加えて、HC85系で採用された状態監視システム「DIANA」や車内防犯カメラも導入され、安全性の面でも大きく進化しています。
「試験走行を重ね、客観的なデータや技術的根拠に基づいた安全な走行を目指す」と清水吾郎東海鉄道事業本部車両部長
試験走行は2026年5月13日から開始。2029年までには特急「しなの」の383系から385系へ置き換わる計画です。
※トレたび編集室/編
※掲載されているデータは2026年5月現在のものです。
