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2023.12.25ジパング俱楽部「松葉がに」を堪能!山陰最古の岩井温泉と鳥取砂丘を満喫|1泊2日モデルコース

鳥取県岩美町

はるばる秘湯を訪れたら、宿でゆったりとした時間を過ごしたいもの。しかし、秘湯の宿は設備やサービス面が心配と感じる方も多いと思います。

そこで編集部では、「秘湯感」溢れる場でありながら、きれいな施設をあわせもつ温泉宿をピックアップ。快適に過ごせる秘湯宿のモデルコースを紹介します。

山陰地方で最古といわれる温泉が、山間の田園エリアに位置し、今はひなびた風情に包まれている岩井温泉。

「湯かむり」と呼ばれる独特の入浴法が語り継がれる古湯を、冬の味覚の王様「松葉がに」とともに満喫しましょう。


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「ジパング倶楽部」は、全国のJR線きっぷの割引、JRホテルグループのホテルを優待料金で利用できるなど、魅力的なサービスが満載です。
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ジパング倶楽部割引きっぷ

「ジパング倶楽部」ならこれだけおトク!

大阪駅~岩美駅の例)

大阪駅→岩美駅=特急「はまかぜ」で約4時間2分

通常=7020円  3割引=4900円
2120円おトク!
  • 金額は一例です。前後の行程等により金額が異なる場合があります。
  • 通常期の普通車指定席利用の場合です。
  • 入会して最初のご利用から3回目までは運賃・料金は2割引、4回目からは3割引となります。


〈1日目〉山陰本線岩美駅からスタート!


↓ 蕪島行きほか日本交通バス約8分の岩井温泉下車 



岩井温泉に到着 岩井温泉に到着

↓ 徒歩約15分 

クラフト館 岩井窯

国内外から注目を集める、暮らしに寄り添う器


四季の風情が包む山中に工房を構えています 四季の風情が包む山中に工房を構えています

「岩井窯」の代表を務める山本教行さんは、少年時代に日常の生活道具の美しさを見直す民藝運動に感銘を受け、イギリス人陶芸家のバーナード・リーチとの出会いから、陶芸家を志すことに。

そして島根県の出西窯での修業を経て1971年、岩井温泉からほど近い山中で現在の工房を立ち上げました。


土鍋シリーズはとくに人気が高い作品です 土鍋シリーズはとくに人気が高い作品です

工房に併設の展示館に並ぶ作品は購入可能 工房に併設の展示館に並ぶ作品は購入可能

「つくるのは自分が使いたいと思う暮らしの道具。仕事としてではなく、自分の生き方として作品づくりを続けています」と山本さん。その手から生み出される器の数々は、素朴でありながら存在感があり、和の暮らしはもちろん、洋風の空間にもなじむものばかり。

作品を販売する展示館のほか、山本さんが創作の刺激を受けた器や家具などが鑑賞できる参考館(入館料300円)も併設しています。


クラフト館 岩井窯

問い合わせ先 0857-73-0339
時間 10~16時
定休日 月・火曜(祝日の場合は開館)・盆・年末年始。臨時休館あり
交通アクセス 山陰本線岩美駅から蕪島行きほか日本交通バス約8分の岩井温泉下車、徒歩約15分
URL https://iwaigama.com/

↓ 徒歩すぐ

喫茶HANA(ハナ)

岩井窯の土鍋でアツアツビビンパが食べられる


おこげもおいしい「土鍋焼ビビンパ」1300円 おこげもおいしい「土鍋焼ビビンパ」1300円

岩井窯で制作された器に触れ、実際に使うことでそのよさを感じてもらうため、工房の敷地内に設けたのが「喫茶HANA」。そこには「ショーケースに入れられた作品をガラス越しに眺めるだけでは、本当の民藝とはいえない」という山本さんの思いが込められています。

各種スイーツやドリンク、地元の野菜を使ったランチなどを用意していますが、とくに寒い冬のおすすめは人気の土鍋を使った料理です。好評の「土鍋焼ビビンパ」は、ホウレンソウやキムチ、牛肉、目玉焼きのほか、10種類以上の具がトッピングされ、アツアツで提供。

また、特製ピリ辛スープの「豆腐チゲセット」も体の芯から温まるはず。こちらは10~5月の期間限定です。


喫茶HANA

問い合わせ先 0857-73-0339(クラフト館 岩井窯)
時間 10~16時
定休日 月・火曜(祝日の場合は営業)・盆・年末年始。臨時休業あり
交通アクセス 山陰本線岩美駅から蕪島行きほか日本交通バス約8分の岩井温泉下車、徒歩約15分
URL https://iwaigama.com/tearoom_hana/

↓ 徒歩約15分

尾崎翠(おさきみどり)資料館 ゆかむりギャラリー

岩美町出身の作家が残した作品を展示


館内では尾崎翠の作品やゆかりの品々を紹介 館内では尾崎翠の作品やゆかりの品々を紹介

岩美町で生まれて幼年期を過ごした尾崎翠は、『第七官界彷徨』をはじめ、独特の作風の小説を著した作家として、大正時代から昭和初期にかけて活躍しました。

その資料館として、岩井温泉にある「花屋旅館」(宿は現在休館中)の旧館を活用して設置されたのがここ。1部屋だけの小さな空間ですが、尾崎翠の生涯を紹介するパネルや遺品など数多くの魅力が詰まっています。


築約90年になる老舗旅館の旧館の1室を活用 築約90年になる老舗旅館の旧館の1室を活用

尾崎翠が記した「湯かむり」の里の情景を屏風にして展示 尾崎翠が記した「湯かむり」の里の情景を屏風にして展示

玄関ホールで屏風にして展示している「岩井の里の夕暮は 湯端の町の唄の声 ポンポンポンと湯をかぶり 湯かむり唄の賑はしや」という作品は、往時の岩井温泉のにぎわいを伝えています。


尾崎翠資料館 ゆかむりギャラリー

問い合わせ先 0857-72-1515(明石家)
時間 9~17時
定休日 無休
交通アクセス 山陰本線岩美駅から蕪島行きほか日本交通バス約8分の岩井温泉下車すぐ
値段 無料
URL https://www.torican.jp/spot/detail_1447.html

↓ 徒歩約1分

岩井温泉 明石家

奇習「湯かむり」が伝わる山陰最古の温泉

ユネスコの世界ジオパークに認定されている山陰海岸国立公園の一部を成す、鳥取県東端の町が岩美町。美しい海岸線から山手へ少し入った田園エリアの清流沿いに、岩井温泉の温泉街がこぢんまりと広がります。

811(弘仁2)年には地域の神社に温泉神が祀られていた記録があることから、少なくとも1200年以上の歴史を持つ山陰最古の温泉です。街道筋の湯治場・宿場町として、とくに藩政時代には多くの旅人でにぎわい、最盛期には20軒ほどの宿が立ち並んだといわれますが、現在営業している温泉宿は2軒のみ。

山里のひなびた風情に包まれています。


庭園露天風呂 庭園露天風呂


独特の風習「湯かむり」。現在は行なわれていません 独特の風習「湯かむり」。現在は行なわれていません

ここ岩井温泉の特徴として語り継がれているのが、江戸時代末期から明治時代にかけて生まれたとされ、戦前まで盛んに行なわれていた独特の風習「湯かむり」。

「湯かむり唄」を歌いながら、柄杓でリズミカルに湯面をたたき、ときおり柄杓で湯をすくって頭にかぶるというもので、湯治の暇つぶしとも、温泉効果を高める健康法とも。現在は行なわれていませんが、宿などで尋ねれば当時の様子を教えてくれます。

そんな歴史を見守ってきたのが、1615(元和元)年創業で、鳥取県内最古の温泉宿とされる「明石家」です。

昭和初期に再建された木造3階建ての佇(たたず)まいが風格を感じさせます。自慢の温泉は源泉が約48度のため、浴槽に注がれると適温になり、大浴場は加温も加水もしない源泉かけ流し。

既存の庭園を生かしてゆったりと設けた野趣溢れる庭園露天風呂、趣向の異なる2つの貸し切り露天風呂(有料)は、星空や冬の雪景色も風情があります。

漁獲量日本一を誇る「松葉がに」に舌鼓を打つ


「松葉がに」が1.5杯付く宿泊プランは3万8500円~ 「松葉がに」が1.5杯付く宿泊プランは3万8500円~

効能豊かで湯冷めしにくい温泉とともに、因幡地方の海の幸や山の幸が彩る上質な夕食も楽しみのひとつ。

地元の畜産会社が生産している「田村牛」が付く会席もさることながら、すぐ近くに日本海が広がるため、幻ともいわれる春のモサエビ、夏の白イカや岩ガキなど、季節ごとの海産物は見逃せません。

なかでも人気の高い冬の味覚の王様といえば、岩美町が漁獲量日本一を誇る「松葉がに」です。漁期である11月上旬から3月下旬まで、地元の網代漁港で水揚げされる逸品が、ぜいたくな時間を演出してくれることでしょう。

かつて島崎藤村が投宿。現在は快適な仕様に


2階には快適なベッドタイプの和室を用意 2階には快適なベッドタイプの和室を用意

島崎藤村が宿泊時に残した書の写しを展示 島崎藤村が宿泊時に残した書の写しを展示

1927(昭和2)年、各地を訪ねる旅の途中で岩井温泉に立ち寄った文豪の島崎藤村は、紀行文『山陰土産』の中で湯かむり唄のことを「馳走の一つであつた」と記しました。その際に投宿したのがここ明石家で、滞在時にしたためた直筆の書が今も保管されています。

歴史の深さを物語るエピソードが残る一方、館内には快適な設備も調えられています。温泉街や庭園に面した客室のうち、2階にある和室はすべて、快適に使えるベッドタイプを採用。昭和初期の建物のためエレベーターはないものの、食事処は2階にあるため、夕食時や朝食時の移動の負担がありません。そのほか、源泉かけ流しの露天風呂付き特別室などもあり、好みのスタイルでくつろげます。

岩井温泉 明石家

問い合わせ先 0857-72-1515
交通アクセス 山陰本線岩美駅から蕪島行きほか日本交通バス約8分の岩井温泉下車すぐ。宿泊者のみ岩美駅から送迎あり(要予約)
値段 1泊2食1万6650円~
泉質 カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉
URL https://akashiya.to/

日帰り入浴

時間 15~20時
定休日 土曜・祝日と祝日の前日
値段 1000円

〈2日目〉岩井温泉 明石家 を出発

↓ 徒歩約1分の岩井温泉から鳥取駅前行き日本交通バス約45分の砂丘東口下車、徒歩約10分

鳥取砂丘ビジターセンター

鳥取砂丘の知識を深め、魅力を体感できる


展示コーナーには職員手作りのジオラマも 展示コーナーには職員手作りのジオラマも


ドームシアターの壁に砂丘の風紋などを再現 ドームシアターの壁に砂丘の風紋などを再現

砂丘の植物や昆虫なども紹介しています 砂丘の植物や昆虫なども紹介しています

鳥取砂丘の成り立ちや見どころ、砂丘で生きる動植物などを、パネルや模型で分かりやすく解説。鳥取砂丘の風紋などを壁に再現したドームシアター「すなくら」では、四季折々に表情を変える砂丘の臨場感溢れる映像を上映しています(約8分)。

砂丘に精通したガイドスタッフが常駐し、疑問に答えてくれるほか、風紋のでき方の実験などが見られる無料の館内ガイド(予約制。コースによって約30~60分)も実施しています。

ここで予備知識をしっかりと身に付けてから鳥取砂丘を歩けば、より一層楽しめることでしょう。歩くことが難しいという人には、館内見学用の車いすや砂丘内散策用の車いすの貸し出しサービスを行なっています。


鳥取砂丘ビジターセンター

問い合わせ先 0857-22-0021
時間 9~17時
定休日 無休
交通アクセス 山陰本線鳥取駅から日本交通バスまたは日ノ丸バス鳥取砂丘線約22分の砂丘会館(鳥取砂丘)下車すぐ
値段 無料
URL https://www.sakyu-vc.com/jp/visitor/

↓ 徒歩約1分

鳥取砂丘

日本海の季節風と砂が描く大自然の芸術作品


荒れた天候が多い冬には砂柱がよく出現 荒れた天候が多い冬には砂柱がよく出現

山陰海岸ジオパークの一角に位置し、東西約16キロ、南北約2.4キロにわたって広がる日本最大級の海岸砂丘。日本海から吹き付ける風と砂が描き出す造形は、季節や天気によって刻一刻と変化し、まさに大自然が創作した芸術作品といえるでしょう。運がよければ、砂が波模様に広がる風紋、斜面に現れる砂簾などが見られるかもしれません。

なかでも冬は、強風で砂の表面に突起模様ができる砂柱(さちゅう)を見られることが多く、降雪時には一面の銀世界と化すことも。また、起伏量日本一という高さ47メートルの「馬の背」へ登ると、雄大な日本海のパノラマを一望。「日本の夕陽百選」に選定された夕景もロマンチックです。


鳥取砂丘

問い合わせ先 0857-22-0021(鳥取砂丘ビジターセンター)
時間 散策自由
交通アクセス 山陰本線鳥取駅から日本交通バスまたは日ノ丸バス鳥取砂丘線約22分の砂丘会館(鳥取砂丘)下車すぐ
値段 無料
URL https://www.sakyu-vc.com/jp/

↓ 徒歩すぐの砂丘会館(鳥取砂丘)から鳥取駅前行き日本交通バスまたは日ノ丸バス約22分

鳥取駅ゴール!

紹介スポット一覧マップ

文・撮影/笹木博幸

  • 記事中の情報は2023年12月時点のものです。
  • 列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
  • 花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
  • 店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
  • 同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。
  • 新型コロナウイルス感染症等の影響により、掲載している内容が変更となる可能性があります。お出かけの際は事前にご確認ください。