2025.02.05ジパング俱楽部湯河原駅発、万葉公園「湯河原惣湯」に絶品ラーメンなど新風吹く大人の温泉地へ|JR駅発、お手軽1日モデルコース
鉄道を使って、もっと気軽に日本を旅しよう。
日本全国の駅を拠点に、半日から一日で楽しめるモデルコースを紹介します。
万葉の時代より知られた温泉地である湯河原は古くから著名な政治家・軍人・文人墨客が多数訪れ、文化的でハイセンスな雰囲気満点。
また、近年は足湯があった万葉公園に湯の町の玄関口となる施設「湯河原惣湯」ができ、町のラーメン店が全国的に知名度を得るなど、時代に即して新たな魅力が生み出され、古いだけではない、新たな楽しみ方ができる大人のための温泉地となりつつあります。
湯河原は大河ドラマ『鎌倉殿の13人』でも描かれた石橋山の戦いで敗れた源頼朝を救った土肥実平(どいさねひら)の治めた土地。この故事にあやかり、パワースポットのある町ともされています。楽しくめぐってパワーをチャージ!
- ※トップ画像は、桜咲く駅前に立つ土肥実平と妻の銅像
東海道本線湯河原駅からスタート
東京駅から特急「踊り子」で1時間10分強、神奈川県最南端の駅です。駅舎と駅前広場の設計は建築家・隈研吾氏によるもの。駅前広場には足湯ならぬ「手湯」があり、湯河原の天然温泉が出迎えてくれます。
また、駅前にはかつて湯河原一帯を治めた鎌倉武士・土肥実平と妻の銅像が立っています。
城願寺
武将らの出陣を見守ったビャクシン
国指定天然記念物で、樹高約20メートルのビャクシン。青々と茂る葉、ねじれた幹が力強さを感じさせます
土肥一族の墓所。各種形式・各年代にまたがる仏塔が立ち並ぶのは貴重
約八百数十年前、土肥実平が万年の世までも家運が栄えるようにと「萬年山」と号して創建。土肥一族の墓所には66基もの墓石が並びます。1304(嘉元2)年7月と刻印された五層の塔や、1375(永和元)年6月と刻まれた宝篋印塔(ほうきょういんとう)などがあり、一カ所に各種の墓型が見られるのは関東地方では珍しく貴重な光景です。
境内にそびえる樹齢約850年のビャクシンは実平の手植えと伝わります。源頼朝や土肥実平らの血気盛んな武将たちの出陣を見守った樹であり、親友ができる、友情が続く、窮地を助けてくれる人が現れる「信頼・友情・恩義」のパワースポットといわれています。
問い合わせ先 | 0465-62-4010 |
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時間 | 参拝自由 |
交通アクセス | 東海道本線湯河原駅から徒歩約8分 |
URL | https://jyouganji.jp/ |
ゆがわらラーメン
戦前からの老舗や世界的名店も
ゆがわらラーメンの一例(イメージ)
湯河原のラーメンに定義はありませんが、醤油ベースのスープにちぢれ麺、食べごたえのあるチャーシューやワンタンがのっているのが「湯河原系」と呼ばれています。人気店に「国味(こくみ)」「王(わん)ちゃん」などがあります。戦前からの歴史がある「味の大西」で修業した人が小田原などにも出店したため、「小田原系ラーメン」と呼ぶ人もいます。
そして2010年にオープンしたのが今や超人気の「飯田商店」。化学調味料を一切使用せず、こだわりの鶏と豚を使用する澄んだスープに国産小麦の自家製麺、ラーメン通が「行くたびに感動する」という店です。以前は行列が絶えませんでしたが、今はインターネットからの予約制になっています。それでも、「日本一予約の取れないラーメン店」ともいわれます。
なお、近くには予約制ではない姉妹店の「しあわせ中華そば食堂 にこり」もあります。
湯河原駅前観光案内所では「ゆがわらラーメンmap」(合同会社ベリーズファクトリー企画)を発行、配布しています。mapを手に、気になるラーメン店をめぐってみては。
問い合わせ先 | 0465-63-4181(湯河原駅前観光案内所) |
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時間 | 店舗により異なる |
定休日 | 店舗により異なる |
交通アクセス | 東海道本線湯河原駅から徒歩ほか |
URL | https://freepaper.jp/2024/07/07/%e3%82%86%e3%81%8c%e3%82%8f%e3%82%89%e3%83%a9%e3%83%bc%e3%83%a1%e3%83%b3map/ |
五所神社
土肥実平が頼朝の戦勝を祈願
神奈川県指定重要文化財である本殿
境内にそびえる御神木がパワースポットとして親しまれている古社です。御神木は樹齢約850年の楠(くす)の木。健康・長寿・ボケ防止の力を与えるといいます。
創建は1300年以上前の天智天皇の御代で、土肥郷の総鎮守として創建されたそうです。1180(治承4)年の石橋山の戦いに際して、土肥実平が源頼朝の戦勝を祈願して佩刀を納めたと伝わります。以来、長寿長命の神、湯の産土(うぶすな)神(土地の守り神)として人々の崇敬を集めています。
問い合わせ先 | 0465-62-5869 |
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時間 | 参拝自由 |
交通アクセス | 東海道本線湯河原駅から奥湯河原行き伊豆箱根バス・箱根登山バス約3分の五所神社下車 |
URL | https://goshojinjya.com |
町立湯河原美術館
ゆかりの画家による名画を鑑賞
レンガ造りのしゃれた建物は、老舗旅館を改装したもの
常設展示と、3カ月ごとにテーマを設けて企画展を開催する「平松礼二館」
昭和初期に晩年を湯河原で過ごした近代日本画の巨匠・竹内栖鳳(せいほう)や大正~昭和の日本洋画界の重鎮・安井曾太郎(そうたろう)、戦中に湯河原に疎開したプロレタリア美術の中心人物・矢部友衛(ともえ)など、ゆかりの画家の作品を収集・展示。
2006年には、現在日本画壇の第一線で活躍する湯河原在住の平松礼二の作品を展示する「平松礼二館」を開設しました。制作途中の様子を目の当たりにできる「平松礼二公開アトリエ」も見学できます。
自然の山々を背景に四季折々の景色を楽しめる庭園が隣接し、テラス席で庭を眺めながらカフェメニューも楽しめます。庭園の入口では、平松画伯がモネ財団から譲られた貴重な「モネの睡蓮の株」が育成されています。
問い合わせ先 | 0465-63-7788 |
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時間 | 9~16時 |
定休日 | 水曜(祝日の場合は翌平日)、年末年始 |
交通アクセス | 東海道本線湯河原駅から奥湯河原行き伊豆箱根バス・箱根登山バス約12分の美術館前下車 |
値段 | 600円 |
URL | https://www.town.yugawara.kanagawa.jp/site/museum/ |
湯河原惣湯
上質な時間が流れる高級温泉施設
大浴場の浴槽はいくつかに区切られたようになっており、半個室感覚で入浴可能
「食事つき」プランの料理イメージ。季節により変更あり
湯河原温泉の中心に位置する、歴史ある万葉公園内にある日帰り温泉やカフェ、本格的なダイニングやライブラリーなどを備えた施設。観光案内所もあり、湯河原温泉の玄関口としての機能も受け持っています。
日帰り温泉の利用は原則予約制で、「食事つき」「食事なし」のプランから選べます。
樹々と川音につつまれた浴室には源泉がかけ流し。黒っぽく渋みある木造の建物に、石造りの浴槽で、しつらえも美しく、周囲の景観も素晴らしく、心の底からリラックスできます。
なお、施設入口にあたる「玄関テラス」のカフェでも湯河原近隣の食材を使った食事やドリンクを楽しめます。
文人墨客が多数訪れ、多くの文学作品に取り上げられた湯河原温泉らしい、上質で上品な趣に満ちています。
問い合わせ先 | 0465-43-8105 |
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時間 | 10時~16時30分(水曜は11~13時) |
定休日 | 第2火曜 |
交通アクセス | 東海道本線湯河原駅から奥湯河原行き伊豆箱根バス・箱根登山バス約9分の落合橋下車、徒歩約7分 |
値段 | 「食事なし」3300円(最大3時間滞在)、「食事つき」6500円(最大5時間滞在) |
URL | https://yugawarasoyu.jp/ |
湯河原駅ゴール!
紹介スポット一覧マップ
- スケジュールの一例
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(9:00発)
(東京駅)
- 特急「踊り子」
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(10:13着)
(湯河原駅)
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10:20頃
湯河原駅
- 「城願寺」「ゆがわらラーメン」「五所神社」
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13:03発
五所神社
- 奥湯河原行き伊豆箱根バス・箱根登山バス
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13:11着
美術館前
- 「町立湯河原美術館」
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14:00発
美術館前
- 奥湯河原行き伊豆箱根バス・箱根登山バス
-
14:02着
落合橋
- 「湯河原惣湯」
-
17:32発
落合橋
- 湯河原駅行き伊豆箱根バス・箱根登山バス
-
17:48着
湯河原駅
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(17:57発)
(湯河原駅)
- 東海道本線
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(19:38着)
(東京駅)
文/赤城はるな 写真/湯河原町、合同会社ベリーズファクトリー
- ※記事中の情報は2025年2月時点のものです。
- ※列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
- ※花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
- ※店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
- ※同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。