2026.01.26ジパング俱楽部車内のぬくもりと湿原の壮大さに触れる「SL冬の湿原号」(JR北海道)|徹底案内!大人のための観光列車

鉄道は旅先に向かう移動手段。しかし、乗っている時間そのものも旅の一部として楽しめるのが観光列車です。
食事や車窓とともに、おトクで気楽な鉄道の旅を楽しみたい、そんなジパング倶楽部世代の視点から、JR各社の観光列車を紹介します。
道東の冬の風物詩のひとつとなる釧網(せんもう)本線のSL列車「SL冬の湿原号」。
広大な釧路湿原の美しい風景と阿寒連峰の山並み、そして湿原に暮らすエゾシカやタンチョウヅルなどを間近に見ることができます。昔懐かしい蒸気機関車の汽笛やドラフト音、車内に設置されたダルマストーブが、北国ならではの旅情を盛り上げてくれます。
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目次
「SL冬の湿原号」とは?
冬の釧路湿原を車窓に走るSL列車
C11形171号機が牽引する「SL冬の湿原号」
- ※写真は2024年度のヘッドマークです。
例年1~3月の週末を中心に釧網本線釧路駅~標茶(しべちゃ)駅間で運行されるSL列車が、C11形蒸気機関車の牽引する「SL冬の湿原号」です。
全車指定席で、1・5号車がたんちょうカー、2号車がストーブカー(カフェカー)、3・4号車がストーブカーとなっています。指定席券は、乗車日の1カ月前から全国のJRのみどりの窓口などで買い求めることができます。
この列車の一番の魅力は車窓に広がる釧路湿原の雄大な景観で、茅沼(かやぬま)駅停車中に車窓を飾るタンチョウヅルの姿も見逃せません。
基本情報
| 名称 | SL冬の湿原号 |
|---|---|
| 運転日 | 2026年1月17日~3月15日の木・金・土・日曜・祝日(1月19~21日と2月12・19日と3月5・12日を除く) |
| ねだん | 運賃+指定席券 |
| URL | https://www.jrhokkaido.co.jp/travel/sl/ |
釧路駅から乗車!
ビル型の駅舎が立派な釧路駅
根室本線と釧網本線の列車が接続する道東の拠点駅。
札幌駅から特急「おおぞら」を利用すれば4時間あまり、釧路駅からは厚岸(あっけし)・根室駅方面の快速・普通列車および摩周(ましゅう)・知床斜里(しれとこしゃり)・網走(あばしり)方面の普通列車が接続しています。
車両・座席を徹底案内!
カウンター席と高床式のボックスシートが配置される1・5号車のたんちょうカー
筆者が乗車したのはたんちょうカーの「1号車12D席」。釧路川側を向いたカウンター席です。山側は高床式のボックス席で、釧路川や釧路湿原、タンチョウヅルの姿をどの席からも楽しめるように工夫されています。
発車まで時間があるので2・3号車をのぞいてみると、2号車はレトロな感じが漂うボックス席と車内販売カウンター、3号車は落ち着いた雰囲気の青色を基調としたボックスシート席で、どちらの車両にもダルマストーブが設置されています。釧路川側の風景に特化した1・5号車、川側・山側の風景を楽しみつつ、ダルマストーブを囲んでくつろげる2~4号車は、甲乙つけがたい魅力があります。
往復すれば両方の車両に乗れるので、せっかく行くなら行きと帰りで違うタイプの車両に乗るのがおすすめです。
旧形客車のレトロ感が漂う2号車のストーブカー(カフェカー)
ダルマストーブが設置された3・4号車のストーブカー
車内販売を徹底案内!
「SL冬の湿原号プリン」(左)と、くりーむ童話の「アイスクリーム(みるく)」
2号車の3号車寄り車端部に設置された車内販売カウンターでは、「SL冬の湿原号」オリジナル商品を販売。カウンターをのぞくと、沿線地域の特産品がずらりと並んでいます。
ダルマストーブでスルメイカを炙りながら一杯飲みたいと思い、スルメイカと鶴居村のクラフトビール「DOTO」を購入。「弟子屈(てしかが)チーズ工房」のゴーダチーズや「星空の黒牛」のビーフジャーキー、釧路町昆布森(こんぶもり)地区の食べる昆布「すりむ昆布」など、左党にもうれしい品揃えです。
そのほか北海道産のビート糖を使用した「霧の街」釧路のご当地サイダー「くしろ霧サイダー」やプリン、アイスクリーム、SLオリジナルブレンドコーヒー、さらにタンブラーやトートバッグ、ラバーキーホルダーなどの記念品が取り揃えられています。
2号車の車端に設置された車内販売カウンター
「霧の街」釧路のご当地サイダー「くしろ霧サイダー」
ダルマストーブを徹底案内!
2~4号車のストーブカーに設置されたダルマストーブ
かつて釧網本線の混合列車(客車と貨車を連結)の車内には、暖房用のダルマストーブが設置されていました。これは客車に電気暖房が装備されている現在では考えられませんが、蒸気機関車の暖房用蒸気が貨車を連結すると客車まで供給されないためで、乗客が暖を取るための重要なアイテムでした。
2~4号車には懐かしいダルマストーブが再現されていますので、当時と同じくSL列車のレトロな旅を満喫できます。とくに2号車はSL列車が運転されていた当時の車両で、ダルマストーブを囲んでくつろいでいると往時を思い出すことができます。
ダルマストーブに石炭をくべる車掌さん
ダルマストーブの上でスルメイカを炙るのも楽しい
そのほかここも見逃せない!
大型の窓を装備した1・5号車の車端部にある展望通路
1・5号車の車端部にある大型窓を装備した展望通路からは、釧路湿原の美しい風景を満喫することができます。この通路は間近に景観を楽しみたい時におすすめのスポットです。
さらに通路の先には機関車の“顔”が見える場所(釧路行きの5号車)があり、力強く列車を牽引するSLの音も楽しむことができます。自分の座席以外にも展望通路、ダルマストーブ周囲などのフリースペースがありますので、ぜひ車内探検をしてみてください。
車内にある照明カバーにはタンチョウヅルが
レトロな雰囲気が漂う制服の車掌さん
標茶駅ゴール!
「SL冬の湿原号」の下り終点は標茶駅です。標茶は北海道東部に位置し、釧路湿原への玄関口として知られる自然豊かな町で、
湿原の散策や野鳥観察が楽しめます。町歩きの後は、駅周辺に点在する温泉でゆったり過ごすのもいいでしょう。
下車後はここに行ってみよう
ミルクックさんのアンテナショップ
「ポロニ養鶏場」のスイーツは即完売となる人気商品
手作り感が心地よいアンテナショップ店内
「都会と田舎(郡部)の架け橋になりたい」をテーマに設立された「グリーン☆ツーリズム標茶」が、SL冬の湿原号運行日にのみ開店する標茶のおいしい名産グルメと町内在住作家の手作り雑貨を取り揃えたアンテナショップです。
有精卵を生産する「ポロニ養鶏場」のプリン・シフォンケーキ・卵サンド、「長坂牧場チーズ工房」の手作りチーズ、「風牧場」の飲むヨーグルト「プリティア」、オリジナルトートバッグ・布小物・皮小物・猛禽(もうきん)類グッズ・SL手ぬぐい・SLポストカードなど、標茶の名産品やおみやげ品などが取り揃えられています。
なお、復路の列車を撮影する場合は標茶駅のホームがおすすめ。SL列車の出発時の雄姿と地元の方たちの温かいお見送りシーンを合わせて映すことができます。
ミルクックさんのアンテナショップ
| 問い合わせ先 | 090-3892-0667(グリーン☆ツーリズム標茶代表・大木) |
|---|---|
| 時間 | 12~14時 |
| 定休日 | 「SL冬の湿原号」の運転日に開店 |
| 交通アクセス | 根室本線釧路駅から釧網本線約55分の標茶駅下車すぐ |
喫茶ぽけっと
レトロな雰囲気が漂う店内
石炭をイメージした黒いザンギがトッピングされた「SLザンギカレー」
標茶町の温泉・グルメ・ショッピングスポット巡回車「湯めぐり&グルメ号」
白を基調としたレトロな雰囲気が漂う、食事が楽しめる喫茶店。
「SL冬の湿原号」運行期間限定メニューが用意され、石炭をイメージした黒いザンギ(鶏の唐揚げ)がトッピングされた「SLザンギカレー」や「SLザンギカレースパゲッティ」などの温かい食事が提供されます。また、おみやげにもできる手作りオリジナルクッキーも販売されていますので、復路のおやつに買い求めてはいかがでしょうか。
なお、「SL冬の湿原号」利用者限定で巡回車「湯めぐり&グルメ号」(標茶駅前12時40分発)が利用でき、標茶町内の温泉・グルメ・ショッピングスポットまで無料送迎してくれます。
喫茶ぽけっと
| 問い合わせ先 | 015-485-2918(予約可) |
|---|---|
| 時間 | 10~19時(日曜は~17時) |
| 定休日 | 不定休(「SL冬の湿原号」運転日は営業) |
| 交通アクセス | 根室本線釧路駅から釧網本線約55分の標茶駅下車、徒歩約8分 |
紹介スポット一覧マップ
この記事を書いた人
文/結解喜幸 写真/グリーン☆ツーリズム標茶、標茶町商工会
- ※記事中の情報は2026年1月時点のものです。
- ※列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
- ※花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
- ※店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
- ※同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。


