2025.04.28ジパング俱楽部【プレゼントあり】80歳の職人の挑戦に心打たれる!愛知県蒲郡市が舞台のドキュメンタリー映画『わたのまち、応答セヨ』公開
三河木綿の歴史を紡ぐ、町の挑戦と奇跡の物語
愛知県蒲郡市を舞台にしたドキュメンタリー映画『わたのまち、応答セヨ』が2025年5月2日から全国で劇場公開されます。
蒲郡市は、渥美半島と知多半島に囲まれた三河湾に面する海辺の町。シンボルの竹島や、ミカンの産地として知られます。
一方で、かつて“日本一”とも称されるほど活気に満ちた繊維産業の町でもありました――。
本作品は、衰退の危機に面した蒲郡の伝統産業に光を当て、町の人々が本気で再興を目指すさまに切り込んだ、ドキュメンタリー映画。映画監督の岩間玄と、「進め!電波少年」などで知られるプロデューサー・土屋敏男が送る、奇跡の物語です。
かつて「日本一」と称された蒲郡の繊維産業
1200年前、日本に初めて綿花が伝わったとされる三河の地。『日本後記』によれば、799(延暦18)年頃からすでに織物が行なわれていたとされています。
綿の栽培と綿織物が盛んになった江戸時代には江戸方面で人気を博し、明治時代には、西洋の技術を取り入れ「三河もめん」「三河縞」の名で全国に知れわたりました。
戦後には、「ガチャ万景気」と呼ばれる好景気が訪れます。織れば織るほど飛ぶように衣類が売れ、町のあちこちではガチャン、ガチャン……と朝から晩まで機織り機の音が聞こえるほどの活気に満ちていました。
ところがバブル崩壊も乗り越えた後の2000年。繊維産業の好況神話は音を立てて崩れ落ちます。今や町の繊維会社は、最盛期の100分の1となってしまいました。
「繊維の町」を映画が救う?
「町の繊維産業に光を当てる映画を作ってほしい」
市からこう依頼され、蒲郡市に向かった監督。しかしかつての活気は失われ、途方にくれます。町に根づいた問題と、人々に漂う諦めムードで撮影がうまく進みません。
「余計なことをしないでくれ」「映画も作らないでくれ」
町の人からそんな言葉もかけられ、制作が難航を極めた時。綿を種から育てて紡ぐ80歳の職人で、テキスタイルデザイナーの鈴木敏泰さんと出会います。そこから、徐々に歯車が動き出します――。
「映画で繊維産業の希望を探そうなんて並大抵のことではないが、やるならやってみろ!」
この出会いが職人の背中を押し、町を揺さぶり、人々の眠っていた情熱が燃え上がっていきます。
さらに舞台は蒲郡からイギリス・ロンドンへ。日本のモノ作りの本気が、海を越えて人々の心を掴み、「繊維の町」に奇跡をもたらします。
80歳の職人の、“人生最後の挑戦”とは――?
町の人々が目指したロンドンの先にあった奇跡とは――?
映画を観て訪ねたい、蒲郡
蒲郡市には、本作で撮影が行なわれた「竹島クラフトセンター」をはじめ、三河の繊維産業の歴史を伝える「蒲郡市博物館」や機織り工房、三河木綿のグッズを販売するショップなどがあり、その魅力に触れることができます。
「竹島クラフトセンター」は、80歳の職人・鈴木敏泰さんが主宰する海辺の工房。三河木綿の機織り体験や高度な手織りを学べる教室を開催しています。
失われた基幹産業を未来へつなぐため、町の人々が本気で再興に挑む姿が描かれた本作。映画を観た後に蒲郡を訪ねれば、三河木綿の情熱と魅力をより深く体感することができるでしょう。
【2025年5月2日公開】『わたのまち、応答セヨ』
『わたのまち、応答セヨ』
【『わたのまち、応答セヨ』公開記念 三河木綿グッズ プレゼント】
文/ジパング俱楽部編集部