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2008.10.01鉄道テツペディア Vol.1 車両称号って何?

車両称号とは

列車の車体に書かれた“モハ○○○-○○”“クハ○○○-○○”といった表記。この表記が何を意味するのか、みなさん疑問に思ったことはありませんか。この表記は車両称号と呼ばれるもの。車両称号とは、鉄道車両の種類や機能を表す記号のことで、車両を識別するためにあります。

車両称号は、(1)車種 (2)設備 (3)電気方式 (4)用途 (5)種別 (6)製造番号 の6つの要素から成り立っています。

車両称号を読む

それでは、下の写真を例にみていきましょう。車両に書かれた「モハ253-12」を6つに分けて考えます。


この写真の称号は何を意味しているのでしょうか?

(1)車種

その車両にモーターがあるのか、運転室はあるのか、などを表しています。「モ」というのは、モーターのある車両(電動車)のこと。他には、「ク」運転台のある車両(制御車)、「クモ」どちらもある車両(制御電動車)、「サ」どちらもない車両(付随車)、「キ」気動車、などがあります。カタカナ記号の由来については、「モ」はモーターの頭文字、「ク」と「サ」については諸説あってどれが本当なのか定かではありません。

(2)設備

その車両がどのような用途で使われているかを表しています。「ハ」というのは、普通車を意味しています。
他には、「ロ」グリーン車、「ロネ」A寝台車、「ハネ」B寝台車、「シ」食堂車、「ニ」荷物車、「ヤ」職用車、「ユ」郵便車、「ル」配給車、といった種類があります。
各記号の由来については、「ロ」と「ハ」は1960年以前の3等級制時(イロハ)のなごりで、二等車を表す「ロ」、三等車を表す「ハ」の等級記号が用いられています。寝台車の「ネ」は「寝床」の頭文字です。

(3)電気方式

その車両がどの電化区間に対応しているのかを示しています。
1~3は直流区間のみ走ることができる車両、4・5は交直流両方の区間を走ることができる車両、7・8は交流区間のみ走ることができる車両、9は試作車▲を示しています。この車両の場合は、「2」なので直流区間専用ということがわかります。

(4)用途

その車両が連結されている列車の種類別に決められています。
種別は0~3が一般型(通勤型・近郊型)、4が事業用、5~8は特急型、9は試作車となっており、この車両の場合は、「5」なので特急型の列車であることがわかります。

(5)種別

車両を区別するために付けられる番号のことです。

(6)製造番号

その車両固有の番号で、ハイフンよりあとがそれにあたります。つまり、「モハ253-12」という車両は、「モーターの付いた普通車で直流区間を運行する特急型車両」を表す記号ということになります。ちなみに、この車両は253系で「成田エクスプレス」用車両です。


成田エクスプレス

車両称号のいろいろ

JR四国の車両称号には、カタカナ記号がなく数字のみで表記されています。JR東日本で製造されたE351系「スーパーあずさ」以降の車両には、番号の前にEastの頭文字「E」が付けられています。また、新幹線にはカタカナ記号はなく、数字のみで表しています。

みなさんも列車に乗るとき、車両称号を解読してみてはいかがでしょうか。


新幹線「のぞみ(700系)」の車両称号。新幹線車両の称号は数字のみ


寝台特急「北斗星」に連結されている食堂車の車両称号。「ス」は客車特有の記号で、積車重量を表している

  • 掲載されているデータは2008年10月現在のものです。
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