トレたび JRグループ協力

2023.10.13鉄道明知鉄道「きのこ列車」に乗ってきました!

「きのこ列車」で秋を体感しよう!

秋といえば、読書の秋・運動の秋・芸術の秋…? 
ちょっと待った!!
秋といえば列車の秋、特に「きのこ列車」の秋でしょう!

きのこ列車は1996年から運行しており、リピーターが続出する、歴史と人気を兼ね備えた観光列車です。ご存じですよね!?!?

…今やこんなに推していますが、筆者はどういう列車なのか、どこを走っているのか等々、乗車するまで全く見当もついていませんでした。
しかし、いざ乗車してみると旬のおいしいご飯に、秋のほっこりする景色、笑顔あふれる人々と触れ合うことができ、あっという間の1時間を体験することとなりました。

ということで、この記事では「きのこ列車」の基本情報と乗車体験レポートをご紹介!
これを読めばみなさんも乗りたくなるはず!

「きのこ列車」の基本情報

まずは、「きのこ列車」の基本情報と、それを運行する明知鉄道についてご説明しましょう。

今年で28年目! 超人気観光列車

きのこ列車は、岐阜県恵那市を走る明知鉄道が運行する観光列車。
1996年に運行を開始し、今年で28年目を迎える歴史ある列車です。毎年、9月~11月に運行しており、月曜(休日除く)以外は毎日乗車することができます。
さまざまなきのこを惜しむことなく使った料理を、心ゆくまで味わえます。

明知鉄道とは?

「きのこ列車」を運行する明知鉄道は、1985(昭和60)年にそれまでの国鉄明知線を引き継ぐ形で開業した、岐阜県恵那市の恵那駅から明智駅までを結ぶ全長約25kmの路線です。
ちなみに、「きのこ列車」のようなグルメ列車は明知鉄道の代名詞でもあります。
というのも、開業から2年後の1987(昭和62)年には、地元の特産品である寒天を使った料理を楽しめる「寒天列車」を運行。以降、季節に応じたさまざまなグルメ列車を「急行大正ロマン号」で運行中です。

いよいよ、「きのこ列車」に乗車!

9月某日、12:25に恵那駅を発車する「きのこ列車」に乗車してきました。

「きのこ列車」とご対面!

「きのこ列車」の出発地となる恵那駅へは、名古屋駅からJR中央本線で約1時間10分。JR恵那駅と明知鉄道恵那駅は隣接しているため、乗換も簡単です。
駅の改札で「きのこ列車」のきっぷ…ではなく通行手形(こんなところにも楽しい仕掛けが!)をもらい、乗客たちとともに「きのこ列車」の入線を待ちます。


この通行手形さえあれば、一日中明知鉄道を楽しめる!

待つこと数分、きのこ列車が入線してきました。みなさん一斉にカメラを取り出し、専用のヘッドマークや車両などを撮影し、車両内へと入っていきます。
車内には本日のメインであるきのこ料理が並べられており、ワクワク感が発車前から高まります!
しかも、きのこ列車は持ち込み自由。なかには、ビールを持ち込む方もおり、筆者も買っておけばと後悔しました…。


きのこ列車が入線! 迫力が凄い!

一通り落ち着くと、アテンダントさんによるきのこ列車の説明があり、ついに発車。
このときを待っていましたと言わんばかりに、食事の時間が始まりました。

気になる「きのこ列車」のメニューとは?

今回、筆者が頂いたのは明智ゴルフ場レストランの御膳でした。
ふたを開けてみると… 色とりどりな料理が並び、どれも美味しそう。まさに「きのこ列車」の名にふさわしいきのこ料理のオンパレード!


きのこ御膳のメニュー


開けるとこんな感じ!

特に筆者が美味しかったのはロージ茸の旨煮。今まで食べたことのない食感の中に広がる奥深い味わいはぜひともみなさんに食べていただきたい一品です。
続いては、きのこご飯。見た目からすでに美味しそうな雰囲気が漂っていました。きのこの旨味がしっかりとごはんに伝わり、何杯でも食べられる美味しさです。(おかわり自由なので、実際に3杯いただきました!)


きのこご飯。うん、おいしい

お次は、土瓶蒸し。きのこの香りがこれでもかと広がるおだしを、専用のおちょこで頂きます。
うん、美味い。そして、中に入っているきのこや銀杏もそれぞれが邪魔をせず上品な味わいです。


土瓶蒸し。素朴な味わいがgood!

どの料理も味が全く異なるため、きのこの果てしないポテンシャルを感じる御膳でした!
ちなみに、この料理に使われている食材はほとんどが地元でとれたものなのだとか。いや、恵那市凄いな!

「きのこ列車」はきのこだけじゃない! 日本一がたくさんある車窓風景も充実

料理を食べているときも、列車は走り続けます。
料理に夢中で風景を思わず見過ごしそうですが、ちゃんとアテンダントさんが案内してくれるのでご安心を。
明知鉄道の沿線は車内からの見どころがたくさん詰まっているんです!

日本一の○○を続々ご紹介!

まずは飯沼駅。ここは日本一の傾斜をもつ駅として有名です。
本来ならば、急勾配過ぎて開業できないところを地元の人の要望で開業したのだとか。ちなみに、日本で2番目の傾斜を持つ駅も同じ明知鉄道の野志駅です。


確かに日本一と書かれています

続いて、飯羽間駅-極楽駅間。ここでは日本一の農村景観を見ることができます。車内からは一面に広がる田んぼ・山・青空を見ることができます。普段はなかなか見ることのなかった日本の原風景を眺めつつ、穏やかな気持ちになりました。


日本一の農村風景を車窓から!

最後に、岩村駅では上り列車とすれ違うことに。一見すると、ただのすれ違いですが、よくよく見てみると、先頭部分に9月限定のヘッドマークが!
近年見ることが減ってしまったヘッドマークが、普通列車で見ることができる、レアな体験もすることができます。


運転士さんも手を振り返してくれます


外から見るとこんな感じ! (※別の時間に撮影したものです)

常に笑顔! 乗客もスタッフも楽しんでいる「きのこ列車」

さまざまな車窓風景と食事を楽しむなかで、特に印象的だったのが人々の姿です。
乗客の皆さんは、きのこ列車を満喫しており、笑顔が絶えません。
なかには毎年参加しているという人や、「今年こそは乗車開始日の9月1日に乗ると決めて、乗車した」という人まで。
そして、料理を食べているときも常に和気あいあいとしており、列車に乗りながら沿線地域の食材を使った料理を食べる非日常の体験を楽しんでいるようでした。


赤ちゃんもご満悦の様子

また、「きのこ列車」にかかわるスタッフの皆さんが、入線した直後から終点の明智駅まで、乗客が楽しめるようにとおもてなしをしている姿も印象的です。
乗客とスタッフが一つとなって作り上げているからこそ、「きのこ列車」は28年間、愛されているのだなと実感しました。

あっという間の54分!

食事後も車窓風景を楽しんでいると、列車は終点の明智駅に到着。まだまだ乗っていたいくらいの心地よい雰囲気のまま、約54分間の小旅行は完結します。

ところで、このきのこ列車は「急行大正ロマン号」の一つの料理列車として運行されており、停車駅は全11駅中7駅です。しかし、急行と謳っているはずなのに、各駅停車のほうが走行時間は短い(約50分)んです。
そこも含めて、穏やかな雰囲気を感じられる観光列車でした。


「皆さんをお待ちしてまーす!」

降車後も楽しい! 恵那観光のススメ

「きのこ列車」を降りた後は、周辺の観光もおすすめです。

明智光秀ゆかりの地で、一息ついてはいかが?

さて、きのこ列車を満喫した筆者は、明知鉄道の終点でもある明智駅に到着。
ここは、大河ドラマの主人公になったことがあり、本能寺の変でも有名な明智光秀ゆかりの地です。
また町一帯は大正村と呼ばれ、大正時代にタイムスリップしたかのような建築物や町並みを体験することができるんです。

そんな明智駅では、駅前にある「鉄道が見えるCafé アケチカケル」というカフェに入ってみました。

こちらのお店は恵那鶏チキンカレーがおススメ!
きのこ料理とは別腹で、カレーを食べちゃいましょう!


明智駅前の様子。駅前から大正時代の雰囲気だ


明智駅前の「鉄道が見えるcafe『アケチカケル』」

おススメの恵那鶏チキンカレー


鉄道が見えるCafe アケチカケル

住所 岐阜県恵那市明智町
問い合わせ先 0573-32-1709
時間 9時〜16時
定休日 水曜
交通アクセス 明知鉄道 明智駅出てすぐ
値段 恵那鶏チキンカレー 1100円 他
URL https://www.instagram.com/akechi_kakeru/?hl=ja

岩村で昔懐かしのまち並みを散策しよう

続いて向かったのは岩村駅。
岩村は、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている岩村本通りが特徴的です。
日本三大山城の一つである岩村城のもとに広がった城下町には、現在も商家やなまこ壁などが残っています。
また、最近では朝の連続テレビ小説「半分、青い」のロケ地にもなっており、ドラマの世界を現実でも体験することができるんです!

また、岩村で訪れたいのは、岩村駅から歩いて約10分のところにある「岩村醸造」。
「岩村醸造」は、1787(天明7)年創業の老舗醸造所です。
岐阜県の米と、約400年前に掘られた井戸からくみ上げた天然水で造っています。
店では日本酒の販売のほか、アイスや甘酒の販売、酒造見学もできるため、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。


岩村の町並み。レトロな雰囲気を感じる


岩村醸造の外観


岩村醸造

住所 岐阜県恵那市岩村町342番地
問い合わせ先 https://www.torokko.co.jp/contact/
時間 9:00-18:30
定休日 なし
交通アクセス 岩村駅より徒歩約15分
URL https://www.torokko.co.jp/

まとめ

と、ここまできのこ列車と明知鉄道を存分に体験した筆者。
1日めぐる中で、時間が穏やかに過ぎていく非日常の世界を体験し、帰りの電車に乗ってもホッコリとした暖かな気持ちが続きました。
それは、地元の名産を楽しく提供してくれる地元の方々や、様々な原風景を丁寧に紹介してくださる明知鉄道のみなさんがいるからこそ、より一層感じられたのだと思います。
みなさんもぜひ、日常の中の非日常を明知鉄道のきのこ列車で体験してみませんか。

現在、明知鉄道では「きのこ列車」の運行のほかに、きっぷが栗の形をした1日乗車券「くり切符」を発売中!
かわいらしいデザインで思わず周りの人に見せたくなるきっぷで、明知鉄道を旅してみませんか?


くり切符も発売中!


明知鉄道ホームページ

  • トレたび編集室/編
  • 掲載されているデータは2023年10月現在のものです。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください。
トレたび公式SNS
  • X
  • Fasebook